これからの有機農業は国際水準に適合しなければならない、有機JASもしくはPGS(参加型認証システム)が条件になる

bantoutukikaigi.jpg午前中は能登の農業者や加工施設などを視察見学した。昼食弁当には800円払った。午後からは会議室での会議。なんてことはない一日なのだが、少々気になることがあった。来年から有機農業について国の取り組み方が大きく変化することを知ったからである。
現在は2年3作で「米+麦+大豆」という作物を生産する農家が増えている。米の減反制度によるものなので、麦や大豆のところは蕎麦でもよいわけで、福井県などは県全体で「米+麦+大豆・蕎麦」に取り組んでいる。そのさい、蕎麦に関しては有機農業で栽培しているが、米や麦は除草剤等を使っている。このような場合は来年度から「蕎麦を有機農業で生産したと言えなくなる」ようである。

生産者の取り組み水準が有機JASに合致する事例は少ない

日本国内で有機農業は全体の0.5%程度だと言われている。諸外国と比較するとかなり少ないが、認証制度に基づく有機農業が少ないのが理由である。代表的な認証制度は有機JASである。

有機JAS登録認証機関の一覧(農水省)
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki_kikan.html

しかし、手続きや管理がたいへんなことから、実質的に有機農業を行っていても認証をとらないケースも多い。そのような有機農業は全体の2%程度あるという推定もある。ということは実際に有機農業を行っている農業者は有機JASの認証を受けている農業者の数倍いるかもしれないということだ。

このような自己基準の有機農業は「自称:有機農業」で自販している場合も多い。だが、認証もないだけにアバウトな感じで、有機農業のガイドラインが守られているかどうかはあいまいである。

来年度(令和2年度)から、有機農業に関する支援策に関しては「国際水準の有機農業の実施」が基準になる。有機農業を行う農業者は、有機JASを取得するか、それ以外ではPGS(参加認証型システム)に参加するか、の選択が迫られている。それとも有機農業を名乗らずに有機的な農業を行うかだが、その場合は有機農業に対する補助金などは受けられないし、有機農業を名乗ることができなくなる。

では、PGSは普及するのか

となると、有機農業を継続していくためには有機JAS認証を受けるか、PGSに取り組むかということになる。費用の面や運営の難易度の低さでは圧倒的にPGSのほうが便利そうだ。

しかし、PGSの知名度が低く、有機農業を行っている農家でも知らなかったりするのが現状である。日本国内ではまだ事例が少ない。オーガニック雫石くらいしかPGS導入の事例がでてこないのが現状である。

有機JASとPGSの違い

項目\種別  有機JAS PGS(参加認証型システム)
有機農家としての認定機関 農林水産大臣に登録された第三者機関である「登録認定機関」 IFOAM PGS正式会員の地域PGSグループ
例:オーガニック雫石など
認定を受ける対象 農家単位 PGSグループ単位(複数の農家が含まれる)
有機農産物規格 有機農産物の日本農林規格 同左
年間の必要経費 およそ20万円程度 およそ5万円程度

※年間の必要経費は年商2000万円未満程度の農業者を想定した概算である。

農林水産省のWEBサイトにもPGSに関する資料がいくつかあった。

▼参加型認証(PGS)について
pgspdf.jpg

上記の画像はmaff.go.jp/j/council/seisaku/kazyu/h31_1/attach/pdf/index-5.pdfからの引用

来年は東京オリンピックがある。選手団および外国からのインバウンドが多数見込まれるが、提供する日本の食料について、信頼と安全性が問題視されている。有機農業の認証やGAPなどの国際基準に適合していない農産物があまりに多いからである。

有機農業の普及には、PGSはあらたな機会の到来ともいえる。PGSは有機JASに比較すると認証制度の基盤が脆弱に見えるが、それでも有機農業の現状を考えるとPGSででも認証をとって有機農業を普及させたほうがいい。

日本の農業も大きな転換点に差し掛かっているような気がする。

ishikawakenchoaki.jpg

集合と解散の場所は石川県庁の駐車場。秋を感じさせてくれるよいお天気の一日だった。


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