今年の能登里山里海創業塾はオンライン開催となり、県外からの参加者が増えました

能登里山里海創業塾はオンライン開催能登里山里海 創業塾」とは、金沢大学マイスタープログラムと興能信用金庫が共催する創業支援プログラムです。ざっくり要約すると、能登での創業(事業化)に必要な知識を全5回シリーズの講義で学ぶ創業の基礎的な知識を習得するためのオンラインセミナー。昨年までは珠洲市にある元小学校の学舎でのリアル開催でしたが、今年はコロナ禍であることを考慮してオンライン開催となりました。
学習内容は、経営、財務、労務管理、販路拡大などで、創業や経営に必要な知識の習得をめざします。
また、希望者は「実践編」として事業プランの磨き上げやプラン作成の指導を個別相談形式で受けることもできます。2回めとなった9月12日は「経営」がテーマで遠田が講師を担当しました。

当日はZOOMで実施しました

能登里山里海創業塾はオンライン開催

金沢大学からは、オンライン会議ツールとしては「WEBEX」を用意してくれましたが、遠田が講師をするときだけZOOMにしてもらいました。事前のオンライン打ち合わせでWEBEXを使ったのですが、どうも使い勝手がいまひとつだったため、使い慣れているZOOMへの変更をお願いしたからです。関係各位には融通を利かせてくださいまして感謝です。

テーマが経営ということでセミナータイトルは「失敗しない創業計画とは」とし、パワポのスライドを仮想背景にして説明させていただきました。

セミナー後の質疑応答もありましたが、オンラインで対応できる時間には制限があります。

今回は、あとで送っていただいたアンケート回答の中に、感想というかいくつかの質問がありました。

ここで回答しておきます。

経営セミナーにおいての質問と回答

以下5件の質問に回答しています。

【Q1】例えば世界のサービス業の高所得者層や平均所得者層向けのそれぞれの事例など。

 この質問の意図として、この質問者は「所得層別(または年収)」というターゲット・マーケティングを重視するべき、と考えているのではないかと思われます。もちろん、可処分所得によって消費できる金額は違うのですが、お金持ちだからといってコンビニで買い物をしないわけではありません。また低所得者層でも、自分がほしいものは身分不相応でも買うという行動にでることがままあります。
 セグメントとして「所得層」をあまり重視しないほうがよいのではないでしょうか。
 ではどのようなセグメントをするかというと、その重要な考え方が「ライフスタイルや価値観」という定性的なものになります。
 例えば「バイク好きで、休日はバイクでドライブするのが楽しみ。アウトドア派でもあり、山好きな仲間とキャンプや登山によく行く。食のこだわりはあまりなく、お酒もたしなむ程度で普段は飲まない。」というライフスタイルや価値観を持った人というセグメントをするということです。このようなライフスタイルや価値観を持った人は、年収、性別、年齢、既婚の有無に関して一律でないことも多いです。だから、セグメントする際には顧客の「所得(または年収)」に過剰なフォーカスをしないほうがよいと考えます。

【Q2】現在、低迷している業界をどう思っているか? 客観的に、こうすれば良いのに・・ と、思われいることを聞きたい。(中小企業診断士として)

 ちょっと抽象的な質問なので、回答も抽象的にさせていただきます。
 おそらく、平成時代以降、かなり多くのビジネスモデルが陳腐化していて、時代の変化に適応できていないのではないでしょうか。第4次産業革命の到来が間近になり、コロナ禍で新しい社会が前倒しでやってこようとしています。あまり旧態依然とした「業界の分類」にこだわりすぎないほうがよいと思います。
 例えば「小さなお葬式」というネットや電話で受注できる葬儀ビジネスがあります。伝統や地域の風習や宗教観などのしばりが多いなかで着実にビジネスとして成長しています。このビジネスのスタート段階でのキーマンは大学生時代に起業した方でした。2016年の関西経営百撰フォーラムで最優秀賞を受賞したさいの講演を聞き衝撃を受けました。
 「オンライン○○」というのが新ビジネスになるように、新たな視点でビジネスをとらえことができるのは創業者にとって大きな強みではないでしょうか。柔軟に発想してみてほしいです。
 実は「自己開示」は、起業前の段階でもブログやSNSでの情報発信、および、異業種交流活動に参加するなどして積極的に行うこともできますよ。

【Q3】質疑応答でも質問しましたが、お客様がお越し頂いてからのホスピタリティに関しては大変勉強になりましたが、多数存在する競合の中から【まず選んで頂くには?】について、実際の方法論も含めて深く掘り下げて聞いてみたいです。個性的な広報とは?みたいな感じでしょうか。

 そうですね。広報は大事です。まずは知ってもらわなければならないので。
 モノよりも「ヒトにフォーカス」という話をしたように、ビジネスの初期段階ではまず自分を知ってもらうことが重要です。商品やサービスの訴求は重要には違いないのですが、実は他社と差別化が難しいのです。
 だからこそ、自己開示を積極的に行い、自分という人間や自分が実施しようとするビジネスのミッションなどを知ってもらう努力が重要です。伝え方にはいろいろありますので、紙媒体(ニュースレターや名刺)だけでなく、メールやSNSや動画活用など、自分に適したやり方を検討してはいかがでしょうか。

【Q4】製造業でのヒト中心のマーケティングに付いて、どのようなコンテンツ作り、販売戦略作りをして行けば良いか、ご相談させていただきたいと思いました。モノを介したサービスとしてモノに感動要素を埋め込むのか、あくまでも届けるサービスに感動要素を埋め込むのか、いずれもできればよいとは思いますが、いかがでしょうか。

 製造業で起業する例が少ないので、創業セミナーではサービス業や小売業などの方を対象して説明をしています。製造業での起業ですと、開発や設備投資などの初期コストが大きいですね。そのため、創業計画でも資金計画が重要になってきます。場合によっては億単位の創業資金が必要だったりしますので、慎重にならざるを得ないでしょう。
 その場合でも、起業であれば「テストマーケティング的に小さな開発と小さな製造で仮説検証を早く回す」というやり方もあります。初期投資をできるだけ抑えたスモールスタートです。その場合は、自社製造ではなく外注(OEM)を中心として、モノを作らない製造業というビジネスモデルになります。生産機能を持たないものづくりはユニクロも初期段階で採用していますので理解できると思いますが、仮説検証を早く回すことができるので成長スピードが早いことも特徴です。一方、外注製造に頼るため製造コストは高めになります。
 だからこそ、まず顧客にフォーカスして「高くても買ってくれる」という製品サービスの体験価値を高める努力が必要になります。そこは新ビジネスモデルの発想も必要です。提供しようとするのは本当にモノなのか、そのモノを介した体験や世界観なのか。どちらが重要でしょうか。おそらくモノそのものにフォーカスすると価格競争になります。やはり、そのモノがヒトに提供しようとしている価値にフォーカスすべきだと考えます。
 逆にいうと、低価格で勝負すべきような業態への参入はあまりおすすめしません。体力勝負では先行している企業が強いので、低コスト製造にしか付加価値がないような旧型のビジネスモデルでは成功できる確率はかなり低いです。
 なお、製造業の場合は、一律にお応えするのがむずかしいので、個別相談をおすすめします。

【Q5】自分でマーケティングらしきことをしてみたが、本当にこれで商売が成り立つのか? 自分の考え方が正しいのか? やり方が間違っていたときの軌道修正というか、「今はあきらめる決断も有り」という起業を止めるという選択肢の見極め方も知りたかったと思いました。

 見極めは大事です。経営者のもっとも重要な仕事は「決めること」です。見極めすることも決めることですからとても重要な考え方で、いくつかのシミュレーションの結果、そのビジネスモデルでの起業は難しいという結論に達したら今はあきらめるという決断もあります。
 これには財務的な視点での分析の裏付けも必要です。
 次回のセミナーは財務がテーマです。損益分岐点分析も行いますので、参考になるのではないかと思います。ぜひ次回もご参加ください。次回の財務も遠田がオンラインセミナー講師を担当します。

次回は10月10日(土)に財務がテーマでオンラインセミナーとなります。 

▼配布されているフライヤー

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この記事を書いた人

中小企業診断士:遠田幹雄の顔写真遠田 幹雄(とおだ みきお)
 
経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係るコンサルティング活動を展開しています。民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者
 
会社概要およびプロフィールは株式会社ドモドモコーポレーションの会社案内にて紹介していますので興味ある方はご覧ください。


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