農業法人IT・ネットワーク研究会/日本農業法人協会
2000年11月10日(金)



(1).ぶった農産のIT取組事例の経緯説明
・ぶった農産の事業概要説明
 稲作+かぶ+大根、漬け物等の加工品
・経営複合化戦略の展開
 生産から加工、そしてダイレクトに消費者に販売
  直販店舗の設置
  DM発送による通販ビジネスの展開
・コミュニティの展開
 石川県青年農業会議所を結成する等農業関係者と深く交流
 外部専門家の積極利用とアライアンス
 ファーマーズマーケットで消費者と直接交流
・IT利用
 通販客13000人の顧客管理にパソコンLAN導入
 独自のPOSシステム開発--->ライセンス販売へ
・インターネットとの出会い
 ぶった農産ホームページで情報発信
 新規学卒者の採用に絶大な威力を発揮
 メールの活用--->コミュニティに積極利用
・優れた経営センスが光っている


(2).インターネットでの成功事例研究(他産業の2例)
●スーパーフィッシングワールドのwebショップ
 http://www.superfishing.com
・バス釣りのルアーを販売しているwebショップ
 --->商品点数3万点、希少価値の商品もある豊富な品揃え
・日経マルチメディア98年の年商1億円超サイト部門のトップ評価
・釣人のためのコミュニティを構築
 --->アウトドアレジャー部門で日本一のアクセス数を誇る
●NCネットワーク
 http://www.nc-net.or.jp
・NCネットワークとは、中小製造業のコミュニティサイト
 --->無料でサイトを運営するのは資本金3億円以上の株式会社
 --->中小製造業5300社以上が参加
 --->受発注情報のやりとりの場(BtoBサイト)
・研ぎ澄まされた「市場原理」
 --->いくら大きくても特徴のない製造業は生き残れない
 --->モノづくりの技術が重要
 --->スピード感がある(夜も寝ないでメールを書くこと)
・小さくてもオンリーワン企業が生き残るためのインフラになる


(3).顧客は誰なのか?
 上記2例の成功例に共通するもっとも大きな要因は?
 「顧客が誰か」を明確にしている。
 --->サイトを訪れた人が「はっ」とするくらい、自分に訴えられて
   いるような臨場感がある(共感者に深くミート)
 --->場違いだと感じた人は二度とこない(捨てる勇気を持つこと)
 ●特定顧客をファンに、そして関係者にしている
 --->1to1の関係構築
 --->生産者=消費者
 --->ネットワーク社会での第3の波現象
・顧客が共感し深く心を捕られてしまう、という共通点
 --->感動がある
 --->感動のないサイトには固定客はつかない
・つまり、狭くても深い
 --->特別な関係を作っている
・ここで、顧客とは誰のことをいっているのか再検討
 さて、どっちが大事?
 --->新規客 or 固定客
 --->通りすがりのお客さま or 定期的に買ってくれるお客さま
 --->苦情を言うお客さま or 苦情を言わないお客さま
 そのお客さまとは特別な関係になってますか?
 --->顧客満足から顧客感動へ
 --->感動してくれたお客さまだけが長期のおつきあい
 生涯顧客価値の認識(他産業はすでにこの視点)
 --->少数の感動客が本当のお客さま(生涯顧客)
 --->生涯顧客が感動してくれるために何をするか?
・あなたの顧客は誰ですか?


(4).インターネットで何をしたいのか
・楽天に出店するだけでは売れない
 --->ワインを売っている店は300店以上ある
 --->単なる電話帳とわりきるべき
・店(webショップ)なら独自のモノかコトが必要
 --->特徴の無いwebshopは砂漠の中の自動販売機のようなもの
 --->商品に特徴を出すなら「安い」か「レア」かしかない
 --->感動のコミュニケーションを展開する
・感動のもとをつくる
 味--->特徴ある味で違いを明確に(臭くても好きだと言わす漬け物)
 サービス--->心からのおもてなしをする
 スピード--->メールの返信を電話のように
 --->夜も寝ないでお客さまにメールを書く覚悟が必要
 --->webショップは現実の店舗運営と同等以上の負荷
・ぶった農産では新たなホームページの利用法を水面下で模索
 --->単なる販売目的ではwebに集客できないことを理解している
 生活者コミュニケーションのインフラ提供を検討
 --->主婦を核としたコミュニティづくり
 --->生活者=生産者


(5).さぁ21世紀、あなたはどうする?
●私からの提案
 顧客から「クサイけど好き」といわれる「漬け物企業」になろう
・生き残る3つの条件
 --->ポリシー(使命感)を強く持つこと
 --->オンリーワンであること(他社との違いに誇りをもつ)
 --->生涯顧客をもち大事に付き合っていくこと
・ITは、実現のための手段

(補足)
※生涯顧客の視点、これぞ農耕型マーケティング
 農業のよい点を他産業が学んでいます



株式会社ドモドモコーポレーション
domo-domo.com

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