定期的にチェックしている気になる指標があります。それは「心の豊かさ」についてです。国(内閣府)は国民生活に関する世論調査の一貫で「これからは心の豊かさか、まだ物の豊かさか」という調査を実施しており、時系列にその相対評価をグラフで発表しています。
この調査は毎年必ずというわけではないようで、最新のデータは、令和元年の調査結果でした。
国(内閣府)の「国民生活に関する世論調査」より
これからは心の豊かさか、まだ物の豊かさか
出典は、内閣府の世論調査
https://survey.gov-online.go.jp/r01/r01-life/zh/z21-2.html
です。
グラフ上の黄色いボーダーラインは「心の豊かさ」を示すために当社で色付をしましたが、グラフ自体は内閣府発表のものです。
心の豊かさを求める現代人
調査結果としては「物の豊かさより心の豊かさを求めている日本人が多く、およそ2対1の比率」になっています。
昭和61年ころに、物の豊かさを求めるよりも心の豊かさを求める傾向に逆転し、それ以降はずっとその傾向で「心の豊かさ」を求める比率が高くなっています。
このところ約20年は、およそ2対1の比率で「心の豊かさ」を求めるほうが多い状態でほぼ一定の率で安定しています。
ですから、ドットコムバブル崩壊(平成13年/2001年)、リーマンショック(平成20年/2008年)、東日本大震災(平成23年/2011年)、など、大きな出来事があった年もそうでない年も、ほぼ同じような比率で「心の豊かさ」が求められています。
コロナ禍で豊かさを求める心に変化はあったのでしょうか
この調査結果は令和元年6月時のものです。コロナ禍で国民の意識がどう変わったかを知りたかったのですが、令和2年以降、このグラフはありませんでした。
令和3年9月発表のデータ
https://survey.gov-online.go.jp/r03/r03-life/
を見ると、グラフの形式が変化していました。
令和3年度 > 国民生活に関する世論調査 > 2 調査結果の概要 2 > 図21
https://survey.gov-online.go.jp/r03/r03-life/zh/z21.html
のグラフは以下のように、年代別になっています。
令和3年の結果を見ると大きな変化があります
総数の比率では、
心の豊かさ 53.4
物の豊かさ 45.1
となっています。
上記のグラフは、この急激な変化をふまえ、令和元年発表のグラフに当社で加筆修正したものです。
この比率はここ20年のデータからみると、急激な変化を感じます。まだ「心の豊かさ」が半数以上で「物の豊かさ」よりは多いものの、その比率が大きく変化しています。
上記のグラフではここ20年以上「物の豊かさ」は30%前後で推移していました。しかし、この令和3年の調査結果では 45.1 となっており、急激に増えています。
コロナ禍で、経済的に困窮した層が相当程度いるのかもしれません。
50歳未満の年齢層では「物の豊かさ」を求めるほうが多い
年齢別に見ると、
49歳以下では「物の豊かさ」を求めるほうが数が多いということがわかります。
50歳以上では「心の豊かさ」を求めるほうが多くなっています。
全体の数値としては「心の豊かさ」を求めるほうが多い、という調査結果ですが、よくデータをみると70歳以上の回答数が532人と最大であり、50歳以上を合計すると1177人になります。この分析データの回答合計数は1895人なので、全体の62%が50歳以上ということです。
年金生活者層と勤労世帯層で豊かさの実感が乖離している
また、年金をもらっている人たちと、働いて生計を支えている人たちを同じように比較するのも公平な調査ではないように感じます。
そこで、仮に60歳以上は年金をもらっていると仮定し、59歳以下は勤労世帯層としてデータを見直すと以下のようになります。
勤労世帯層 1051人 55.46% 物の豊かさを求める方が多い
年金生活者層 844人 44.54% 心の豊かさを求める方が多い
概算ですが、おそらくこのようになるでしょう。
このことから、働き盛りの現役勤労世帯では、心のゆとりがあまりなくなってきており、物の豊かさのほうを切望しているというような推測ができます。
コロナ禍で、働く世代が経済的に困窮化してしまったのかもしれません。
ちょっと心配な分析データになりました。
子育て世代が豊かさを実感できるようになってほしいものです。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
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