電帳法の猶予期間は2023年12月末までです。2024年1月からは経費の情報も電帳法対応が必要になります。小口の費用を現金精算すると件数が増えれば増えるほど手間が増えますね。
クラウド会計の導入が済んでいれば、クレジッドカードの精算は自動的に仕訳してくれるのでとっても便利です。この電帳法対応の機会に現金精算をやめてクレジットカードで経費精算をするようにしてはどうでしょうか。
法人カードで経費精算をするメリットとデメリット
法人カードで経費精算するメリット
個人での現金立替がなくなる
その都度、現金での立替払いがなくなり、会社の銀行口座から直接経費が支払われます。そのため経営者や社員が現金を立て替える必要が無くなります。現金立替をしなくてよいということは経理担当者の手元に現金をおかなくてもよいということです。これは安全で健全な会計運用にもつながります。
社員も経理も手間が省ける
経費精算のために小口現金をやりとりするのはけっこうな手間です。ある程度領収書をまとめて精算書を記入し、その都度経理担当者を訪れることは経営者にとっても社員にとっても手間がかかる作業です。特に外回りや営業担当など外出が多い方にとっては経理担当を捕まえるだけでも一苦労だったりします。
出張の際の宿泊代やJRや航空券の手配もクレジットカードを持っている本人が手続きすればいいので、総務や会計担当者が手配するという手間もはぶけます。
経費入力・申請が劇的に楽になる
経費の申請入力間違いが減り、確認の手間が少なくなります。法人カード・クレジットカードでは利用明細により利用した金額が確認でき、手作業で金額や日付を入力することがないため、入力間違いが起こりません。その結果、経理担当者のチェック、確認の作業手間も少なくなります。
クレジットカードを利用すれば小口現金による出納業務や残高チェックが不要となり、業務効率化につながります。
不正経費申請の防止・社内ガバナンスの強化
法人カードやクレジットカードを利用すると、社員が利用した金額をごまかすことができないため、水増し経費申請などを防止することができます。また、どの部署の誰がいくら使ったのかを全社で明確にすることができるため、社内ガバナンスの強化にもつながります。
不正が起きにくい健全な仕組みを作りやすいです。
キャッシュフローを把握しやすい
クレジットカードでの精算にすると、今どれくらい使っているか、次の支払日にいくら資金が必要なのか、ということがWEBの管理画面でわかります。また、マネーフォワードMEのような家計簿アプリを企業用として利用すればスマホで会社のクレジットカードの利用料金や支払い金額がいつでも見ることができるのでとっても便利です。
法人カードで経費精算するデメリット
実はデメリットはあまりありません。
法人カードを使うデメリットというのは、実はあまりありません。
しいてあげるとすれば
・社員が制限なく使いすぎる
・公私混同された使い方が増える
・やめた社員がカードを返さず不正利用される
・クレジットカードそのものも管理が必要になる
ということぐらいでしょうか。
・社員が制限なく使いすぎる
という対策については
上限を設ける(ルール化)
→上限を超えた場合は返金をしてもらう
ということで対応できます。
金額についてはWEB管理画面上で明確に記録が残っているので計算も簡単です。
・公私混同された使い方が増える
という対策も上記と同様です。運用ルールをきちんと決めた上で支払いの段で会計担当や経営者のチェックが入りますので、それほど心配ではありません。
・やめた社員がカードを返さず不正利用される
不正利用については注意が必要です。毎月のクレジットカード利用明細をWEB管理画面で確認して、不正と思われるものはクレジットカード会社に連絡すれば支払いを止めることもできます。また、そのクレジットカードを廃止することも可能です。
・クレジットカードそのものの管理が必要になる
クレジットカードの管理は確かに必要ですしその手間は発生します。誰にどのクレジットカードを配布していて利用状況はどうなっているかという管理をしなければなりません。ただし、この管理も専用の管理画面でわかりやすいのでそれほどの手間ではありません。
これらは運用上のルールを決めて、きちんと管理すれば対応できることばかりです。メリットに比べるとデメリットが少ないので、経費支払は法人カード利用を中心にするのがおすすめです。
経営者用も従業員用も法人カードで
法人カードの種類によっては発行枚数が1枚だけではなく、複数枚発行できるもののあります。経営者用、社員用とわけて発行しておけば管理もしやすいです。
マネーフォワードの法人カード
クレジットカードは多数ありますが、法人用としては適さないものがあります。例えば楽天カードは個人用としては利用者数NO1のクレジットカードですが、法人用は発行されていません。
きちんと経費として精算するつもりなら適切な法人用カードを選びましょう。なかでもクラウド会計を利用しているのなら、マネーフォワードの法人カードが相性がよいです。
マネーフォワードの法人カードはプリペイドカードです
マネーフォワードの法人カードは、クレジットカードではなくプリペイドカードです。無料で作成でき、年会費も無料なので持っておくと便利な法人カードです。利用金額に応じてポイントもつきます。
クラウド会計の利用ユーザーなら法人クレジットカードにできます
なお、マネーフォワードのクラウド会計を利用している場合、この法人カードはクレジットカードとしても利用できます。また、マネーフォワードME(家計簿版)の有料契約をしている場合は5%引きとなるのでお得です。
当社はクラウド会計としてマネーフォワードを利用しています。経費支払も法人のクレジットカードにしています。とっても便利ですよ。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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