3月に入ってグーグルアナリティクスの解析画面に大きな変化がある。それは「not provided」が急増していることだ。「not provided」とは、集客した検索キーワードが不明ということで3月5日あたりから急増している。昨日のアクセス解析データで見るとなんと16%が「not provided」となっている。ユーザーがどんな検索キーワードで検索してサイトにたどり着いたのかがアクセス解析で調べられなくなるということだ。
これはグーグルのSSL化の影響である。
Googleは、Googleアカウントにログインした状態ではgoogle.co.jpを含む全GoogleドメインでSSL検索になったことを公式アナウンスしている。
「not provided」が急増
▼グーグル(google.co.jp)にログインしたままで検索するときのアドレスバーの表示は「https」というSSLの画面になっている。
下のグラフは「検索トラフィックに占めるnot providedの割合」の推移だが、グーグルからSSL化のアナウンスがあった3月5日あたりから急増していることがわかる。
SSL化されたグーグル検索の動作は概ね以下のとおり。
1.利用者はグーグルでキーワードを検索窓に打ち込む
2.検索結果ページはhttps(SSL)で表示される
(このときアドレスバーには検索キーワードが含まれている)
3.利用者が検索結果ページから「見たいサイト」をクリックする
4.一度グーグル内のリダイレクトURLに飛んでから「見たいサイト」に飛ぶ
(このリダイレクトURLで検索キーワード情報が削除される)
5.「見たいサイト」を見る
通常のグーグル検索では、検索キーワードの情報をリファラー情報として含んだまま「見たいサイト」に飛ぶ。そのため、アクセス解析では「どんなキーワードで検索してサイトに来たか」がわかるようになっていた。
しかし、SSL検索では「検索キーワード情報」を削除されている。このリダイレクトURLにより、「グーグル検索から来た」ことはわかるが、検索キーワードはわからないという状態になる。
今後は集客した検索キーワードがわからなくなっていくという方向になるだろう。この影響は大きい。
問題は「アクセス解析」の価値である。
グーグルはアナリティクスを新バージョンに変えてまでアクセス解析のレベルアップをしている。アクセス解析情報が高度化することで、PPC広告(グーグルならアドワーズ)への広告出稿を増やしたいという狙いだろう。
アナリティクスのeコマース機能では、検索キーワードごとの「平均訪問単価」を表示している。平均訪問単価とは、サイトの訪問あたりの(e コマースの収益に基づく)平均単価で、収益を訪問数で割って算出されるものである。キーワードが持つ価値を金額で表すことができるので、アドワーズなどPPC広告に出稿する際の広告の入札価格の参考になっていた。
しかし、集客に成功しているキーワードがわからなくなってしまうということは、アクセス解析の精度が低下することだ。「not provided」が増えれば増えるほど、平均訪問単価の値も怪しい数字になっていく。これでは真剣にアクセス解析をしようというモチベーションが低下してしまう。
今回の措置はアメリカでは昨年から実施されているため、日本でも同様の措置が取られるだろうということが予測はされていた。これからどうなっていくのか?グーグルの動向には目が離せない。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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