Googleは2023年末までにChromeでのサードパーティクッキーを廃止することを目指しています。サードパーティクッキーが廃止されると、単にブラウザの利用方法が変わるだけでなく、サードパーティクッキーを利用している広告配信やアクセス解析などにも影響が及びます。
あまりにも問題が大きいので、Chromeのサードパーティクッキー廃止の時期は多少延期されるかもしれませんが、ホームページ運営者側の準備がまだ全然できていないようなので今後どうなるかが心配です。
サードパーティクッキー廃止
サードパーティクッキーを廃止することになった背景
クッキーとは、インターネットでホームページを閲覧するさいに、そのコンピューターやスマホに保存される小さなテキストファイルのことです。クッキーの機能は、例えば訪れたホームページでのログイン情報を記録しておいて次回来訪時にそのクッキー情報を使ってログインを便利にすることなど、利用者にとっての利便性を高めることが目的でした。
そのクッキーには「ファーストパーティクッキー」と「サードパーティクッキー」という2種類のクッキーがあります。
「ファーストパーティクッキー」とは、そのホームページのサーバーから発信されたクッキー情報です。上記の例で説明したように、そのホームページにログインするさいの会員IDやパスワードの情報を記録することなどに使います。
一方、「サードパーティクッキー」とはそのホームページではなく第三者(これをサードパーティといいます)から発信されたクッキーです。主に、アクセス解析や広告会社などの第三者のサイトから来ています。
つまり、サードパーティクッキーの目的は主として訪問者の行動を追跡しそれに基づいてアクセス解析をしたり広告を表示することです。サードパーティクッキーはホームページを通じて動作し、訪問者の興味や好みを理解する助けになりますが、プライバシー保護に関して懸念があります。
なぜなら、サードパーティクッキーは、訪問者のオンライン活動を追跡し、個人情報を収集する可能性があるからです。
法令によるサードパーティ規制
個人情報保護の動きは、主に欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)および他の国々の個人情報保護法の導入や強化によって促進されています。
日本では、2023年6月16日にクッキー情報に関する改正規則(電気通信事業法)が施行されています。これによりSNSプラットフォームや様々なコンテンツ提供事業者など、幅広い範囲の事業者に新しい規制が適用されることになりました。
ユーザー情報の提供規制
法改正後、特定の電気通信サービスプロバイダーは、新しい規制に該当するユーザー情報を第三者に送信する際にはユーザーに確認の機会を提供する義務が生じます。
オプトインの同意
ホームページを運営する企業や組織は、サードパーティ広告クッキー、ソーシャルプラグイントラッキングクッキー、IPアドレス、および同様のオンライン識別子およびトラッキング技術の使用について、オプトインの同意を取得する必要があります。
サードパーティクッキー廃止にどう対応するか
サードパーティクッキー廃止に向けて準備を検討しましょう。広告主として、またはホームページ運営者として、環境変化を注意深く監視し、対策を練る必要があります。
広告主としての課題と対応
インプレッション単価の理解
広告の課金方法がクリック単価からインプレッション単価に変更することをGoogleが発表しています。そのため、広告主はインプレッション単価の計算とその意味を理解しなおす必要があります。これまでと同じ広告掲載の方法だとCPA(顧客獲得コスト)が増大する可能性があります。広告キャンペーンの効果を評価し、ROIを計算しなおすなど、広告戦略を見直ししたほうがいいでしょう。
プライバシー対策
Googleがサードパーティクッキーを廃止すると発表したため、広告主は消費者のプライバシーを尊重し、広告のターゲティングと測定に新しい方法を探す必要があります。これには、ファーストパーティデータの利用やプライバシーに配慮した新しい広告技術の探求が含まれます。
広告の最適化
インプレッション単価の移行とサードパーティクッキーの廃止は、広告キャンペーンの最適化方法を再評価せざるを得ないでしょう。プラス発想すると、広告戦略を見直す良い機会を得たということです。
ホームページ運営者としての課題と対応
新しい課金方法への準備
AdSenseの新しい課金方法に適応し、それが収益にどのように影響するかを理解することが重要です。これには、広告の配置と最適化の再評価が含まれる可能性があります。
プライバシーポリシーの更新
サードパーティクッキーの廃止に伴い、ウェブサイトのプライバシーポリシーを更新し、ユーザーに明確に通知することが重要です。
広告の品質保持
Googleは広告の種類や数量に変更はないと述べていますが、広告の品質とユーザーエクスペリエンスを維持するために継続的に努力することが重要です。
サードパーティクッキー廃止に向けての準備
このように世界的に個人情報保護の高まりがあり、インターネットサービス提供側は対応を迫られています。
- 法的コンプライアンス
新しい規制に準拠し、法的要件を確実に満たすために必要な手続きを踏むことが重要です。 - ユーザー情報の透明性と同意
ユーザーに対して情報の収集と使用に関する明確な通知を提供し、必要に応じてユーザーの同意を取得することが重要です。 - データ管理の最適化
サードパーティクッキーの使用を減らし、代わりにファーストパーティデータを利用するなど、データ管理と分析の方法を見直し、最適化することが推奨されます。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
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