Adobe(アドビ)のFirefly(ファイヤーフライ)は、生成画像のAIとしてすばらしい性能を持っています。単にテキスト入力からの画像生成なら、OpenAIのDall-e3やStable Diffusion(ステーブルディフュージョン)、Midjourney(ミッドジャーニー)などもすごいです。
あえて Adobe Firefly がすごいと特筆できるところは、「生成塗りつぶし」という機能が無茶苦茶便利だからです。Fireflyは、手元にある画像の一部を修正して思うように生成できるAIツールです。
Adobe(アドビ)の生成AI
Firefly(ファイヤーフライ)は画像生成のAIツールです
Adobe(アドビ)のFirefly(ファイヤーフライ)
アドビのアカウントを作成すれば、とりあえず無料で一定程度は使えます。
例えば、着物を洋服に着替えさせる
すでに手元にある女性の画像を修正してみました。着物を着た若い20歳くらいの美人さんですが、このモデルさんはOpenAIのDall-e3で生成した画像ですので実在しません。
この女性の「着物」を消して、「洋服」に着替えさせるということができるかどうかを試してみました。
▼元の画像
▼Firefly(ファイヤーフライ)で修正した画像
初めての生成しては、まずまずかもしれません。もっとうまく修正できそうな気がしますが、無料アカウントなのでクレジット数が月間25と制限されているのでこれくらいにしておきます。(笑)
「生成塗りつぶし」を使います
「生成塗りつぶし」という機能を使うには、修正したい画像をアップロードあたあとで、修正したい部分を選択し、プロンプトに文章で修正したいことを記入します。今回は「初冬の小春日和に着るような若者らしい洋服にしてください」と書いてみました。
この状態で「生成」をクリックすると修正を実行してくれます。
生成すると3つの候補が表示されます。その候補から選んでもいいし、「さらに生成」を選ぶとさらに3つの候補を生成してくれました。
いい感じで生成できたと思う画像を選択し「保持」します。その画像を使いたければダウンロードすればよいです。
無料版だと画像の右下に「AdobeFirefly」というロゴマークが挿入されますが、いちおう商用利用はOKです。「AdobeFirefly」を除去する場合は有料版にするとよいです。
不要な部分を消すこともできます
元の画像は目玉焼きを乗せたどんぶりめしです。(この画像はChatGPTで生成しました)
生成画像としては上出来なのですが、右下に見える箸が曲がっているのが気になりました。そこで、Fireflyでこの箸を消してみました。
元画像をアップロードし「生成塗りつぶし」のメニューから「削除」を選び、消したい部分を選択します。そして画像下にある「削除」をクリックして実行します。
できあがりはなかなかよいです。自然に箸が消えています。違和感があまりありませんね。
このように不要な部分を削除するならAdobeFireflyは最適なツールかもしれません。
オーロラが光る空にサンタクロースが駆けていく画像生成
オーロラが光り輝く空にサンタさんがトナカイに乗って駆けていく画像を生成してみました。
まずは、「オーロラ」を生成します。
この画像はBINGで生成しました。このオーロラ画像をアドビのファイヤーワークスにアップロードして生成塗りつぶしをしました。
挿入するさいの文字には「サンタクロースがトナカイで引かれたソリに乗り空を駆けていく様子を挿入してください」と記入し、生成しました。
候補の画像は3案でましたが、一番自然だったのはこれでした。この画像では、サンタクロースが直接トナカイに乗ってますけどね(笑)
建物の背景の青空を修正するのはいまいちだったかも…
この「生成塗りつぶし」ですが、用途をよく考えてから使ったほうがいいです。生成塗りつぶしのよさは、「塗りつぶししない部分はそのまま」で塗りつぶしの部分だけを生成するということです。
ある建物の背景がくもり空だったので青空にしようと思い「生成塗りつぶし」を実行したところ、あまり思ったようなよい変化になりませんでした。
▼元の画像
▼Fireflyの生成塗りつぶしで青空にした画像
よくみると、たしかに青空にはなったのですが、建物は手前の緑が曇り空の風景のときのままなので暗いです。青空だけを切り抜いて合成したかのような違和感がありますね。
▼ChatGPTで「青空にして」とプロンプトを書いて生成した画像
一方、同じ画像をChatGPTプラス(有料版)で修正してみました。画像をアップロードしてプロンプトで「建物の背景の曇り空を自然な青空にしてください」と書いて実行するとわりといい感じの画像になりました。
この画像は、空だけならFireflyのほうが青空らしいのですが、建物全体や全景の緑などが全体的に明るくなっており、画像全体として調和がとれている点がよいところです。
FireflyとChatGPTのDall-e3は使い分け
Fireflyは優秀だが苦手な処理もあります
Fireflyは優秀です。しかし、これらの例でわかったことは、部分的に修正して違和感がでる場合はFireflyには不向きかもしれないということです。
一長一短があるということがわかりました。
要は使い分けですね。使う側の経験値を積み重ねて、そのシーンごとに最適な生成方法を選択するということも大事だということです。
画像生成AIの一覧
画像生成AIで2023年現在で人気の高いものを一覧で紹介しておきます。
- DALL-E: DALL-Eは、OpenAIが開発したAIモデルで、テキストから画像を生成することができます。DALL-Eは、様々な種類の画像を生成することができ、その精度は高く評価されています。
有料版ならChatGPTの画面でワンストップで文章も画像も生成できます。
→https://chat.openai.com/ - Bing Image Creator: Bing Image Creatorは、テキストから画像を生成することができるAIモデルです。多様な出力スタイルを選択でき簡単に使えます。現在はこれが完全無料で使えます。バックで動いている生成AIはOpenAIのDALL-Eですから高性能です。
→https://www.bing.com/images/ - Midjourney: Midjourneyは、テキストから画像を生成することができるAIモデルです。多様な出力スタイルを選択でき簡単に使えます。人物の生成は本物の人間のような高詳細な写真を生成するので驚く品質レベルです。基本は有料版のみです。
→https://www.midjourney.com/ - DreamStudio by Stability AI: DreamStudio by Stability AI(ステーブルデフュージョン)は、テキストから画像を生成することができるAIモデルです。多様な出力スタイルを選択でき、簡単に使えます。美人モデルの生成がすごいです。
→https://ja.stability.ai/ - Visme: Vismeは、無料で使えるテキストから画像を生成するツールです。簡単に使え、多様な出力スタイルを選択できます。Vismeは、コンテンツ作成とデザインのためのオールインワンツールであり、アニメーションやインタラクティブな機能を備えています。
- Craiyon: Craiyonは、テキストから画像を描画することができるAIモデルです。Google TRCを使用してトレーニングされており、誰でも無料で使用できます。
- Jasper Art: Jasper Artは、テキストから画像を生成することができるAIモデルです。
- NightCafe Deep AI: NightCafe Deep AIは、テキストから画像を生成することができるAIモデルです。
- Runway AI: Runway AIは、テキストから画像を生成することができるAIモデルです。
- Wombo Dream: Wombo Dreamは、テキストから画像を生成することができるAIモデルです。
この一覧表はBingを使って生成したうえで修正して作成しました。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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