この夏「米不足」が話題になっています。とくに都市部ではスーパーの棚からお米が消えていて「お米の購入制限」があったり、米穀店では「十分な売り物がない」という声が聞かれたりします。
さらに、ここ数年でお米の価格が上昇していたり、日本国内の米在庫がここ5年で最低水準に下がっていたりすることがニュースで流れています。そこに「地震」が起こり「台風」が来たことなどで、消費者の米不足感に拍車をかけているようです。
令和6年の「米不足」現象
米不足は本当でしょうか?
民間の米在庫量の推移を調べてみました。過去5年間の6月末時点での民間在庫量は以下の通りです。
2020年: 237万トン
2021年: 219万トン
2022年: 218万トン
2023年: 197万トン
2024年: 177万トン (予測)
この数字を見ると、やはりお米の在庫は減っています。ですがまだまだ十分な在庫があります。
また、相対取引価格の推移については、全銘柄平均の相対取引価格(60kg当たり)の推移を見るのがよいでしょう。
2021年産: 12,766円
2022年産: 13,849円
2023年産: 15,291円 (2023年9月時点)
ここ3年で見ると、お米の価格は徐々に上昇していることがわかります。この値上がりが消費者の心理にも影響していると考えられます。
なお、日本には備蓄米があります。現在、農林水産省は91万トンの備蓄米を保有しています。また、現時点では放出の予定はないとしています。
さらに今年(令和6年)のお米の生産については平年並み以上の豊作が期待されています。昨年(令和5年)は高温障害などで凶作だったことに比べれば、今年は十分にお米の量が確保できるでしょう。
これらを総合的に考慮すると、米不足はそれほど深刻ではないと思われます。
ただし、東京や大阪などの人口が多い都市部では、地震のニュース以降に消費者にストック買いが急激に増えたことから、流通が十分に行き渡らすにスーパーや米穀店の在庫が一時的に品薄になっているようです。
このことが「買い」が「買い」を呼ぶという証券市場のような現象がお米の業界にも起きてしまったようです。
お米不足はGoogle検索にも現れていました
Googleで「お米」という検索ワードを入れると、サジェストキーワードで表示されるのが「お米がない」「お米がない いつまで」とか「お米 品薄」などの米不足に関するキーワードが並んでいます。こんなことはこれまでなかったように思います。
実際の検索結果を見ると米不足に関するニュース記事が多いです。
Googleトレンドで見ると「お米」という検索ワードが急上昇
Googleトレンドでも調べてみました。
「お米」というキーワードの過去5年の検索されているトレンドについて調べてみると驚くべきことが起きていました。8月に入って急激に検索回数が増えています。過去最大級の検索回数になっています。
この現象はおそらく「お米+不足」というような検索クエリが増えていることの現れでしょう。これだけ米不足関連の検索回数が増えているということは、国内消費者の不安の現れでしょうね。
地震と台風の不安が米不足に大きな影響を与えているようです
令和6年8月に発生した地震や台風が米不足感を加速させている面があります。主な要因として以下が挙げられます。
地震の影響
8月8日に日向灘を震源とする地震が発生し、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されました。このことにより、多くの人々が米を買いだめしようとし、一時的に供給が逼迫しました。
地震による物流の混乱や農地への被害も、米の供給や需要に大きな影響を与えています。
台風の影響
8月中旬には台風7号が日本に接近し、各地に影響を与えました。
台風による農作物への被害が懸念され、米の供給不安を煽る要因となっています。
交通機関の乱れなどにより、一時的に米の流通に支障が出る可能性もあります。
お盆休み期間中で物流が停滞していた影響
8月中旬は日本のお盆休みがあります。物流に関してもこの時期は流通量が確保できないため通常よりも無理がききません。だいたいお盆時期は店頭在庫が少なめになります。そのため、今回のように急に需要が増大しても物流を増やすことが困難です。このような時期に重なってしまったことが店頭在庫不足に拍車がかかった要因のひとつです。
心理的影響
これらの自然災害は、消費者の心理にも大きな影響を与えています:
災害への備えとして、米の備蓄を増やそうとする人が増加しています。
将来の供給不安から、通常以上に米を購入する動きが見られます。
既存の要因との相乗効果
これらの災害は、既に存在していた米不足の要因と相まって、状況をさらに悪化させています。
・昨年の猛暑による不作の影響
・訪日外国人の増加による需要拡大
・農家の高齢化や後継者不足による生産量の減少
消費者は冷静な判断をしましょう
以上のように、8月の地震や台風は、直接的な被害だけでなく、消費者心理や流通面での影響を通じて、米不足感を加速させる要因となっています。
新米が本格的に出回る9月頃までは、この需給逼迫の状況が続く可能性があるとのことです。
お米は備蓄米も万全ですし新米もで始めています。賢い消費者は冷静な判断と行動をされることを願います。
消費者は中長期的な視点を持ちましょう
むしろ、大事なことは短期的なことで右往左往するよりも、「かかりつけ農家」を決めておくというような長期的な食料確保を考えることでしょう。
毎月、農家からお米を定期購入するような契約をすることで、安定的なお米の確保をすることのほうが重要だと思います。
我が家は約30年くらい、農家から直接お米を購入するという定期購入を続けています。このような契約をし、農家とフレンドリーな関係を持つことで、精神的にはとっても安定しています。地震や台風などの天変地異があったとしても、食料を確保できるという安心感がなによりです。
かかりつけ農家とは
「かかりつけ農家」とは、医療における「かかりつけ医」の概念を農業に応用したものです。具体的には以下のような特徴があります。
- 消費者と直接つながり、食卓と農業の橋渡しをする存在
- 作物の種類や時期に応じて他の農家を紹介したり、旬に応じた食べ方のアドバイスをしたりする
- 消費者のニーズを直接把握し、作付けに生かすことができる
かかりつけ農家からの定期購入の重要性
- 安定した供給:定期的に米を購入することで、消費者は安定した供給を受けられます。
- 信頼関係の構築:農家と直接やりとりすることで、生産過程や品質に対する信頼が深まります。
- 地産地消の促進:地元の農家から購入することで、輸送コストの削減や地域経済の活性化につながります。
- 需給バランスの改善:農家が消費者のニーズを直接把握することで、需要と供給のミスマッチを避けられる可能性があります。
- 食育の機会:旬や調理法のアドバイスを受けることで、食に関する知識が深まります。
- 農業への理解促進:直接のつながりを通じて、農業の現状や課題への理解が深まります。
かかりつけ農家から米を定期購入することは、単に米を買うだけでなく、持続可能な農業や食文化の維持、地域経済の活性化にもつながる重要な取り組みだと言えるでしょう。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
会社概要およびプロフィールは株式会社ドモドモコーポレーションの会社案内にて紹介していますので興味ある方はご覧ください。
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