みなさんは「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包み込むこと)を合わせた考え方のことです。簡単に言うと、いろいろな違いを持つ人たちを尊重して、みんなが居心地よく過ごせるようにすることを目指しているのです。今、私たちが使っている言葉の中には、もしかすると無意識に誰かを傷つけてしまうものがあるかもしれません。特にビジネスや学校、友達との会話で使う言葉には注意が必要です。このブログでは、そんな「気をつけたい言葉」と、それをどのように言い換えればいいかを、やさしく解説してみました。
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の解説
「営業マン」を「営業さん」にしましょう
まず最初に紹介するのは、職業に関する言葉です。たとえば、「営業マン」という言葉、よく聞きませんか?
でも、よく考えてみると「マン」は男性を意味する言葉ですよね。つまり、「営業マン」という言い方だと、「営業は男の人の仕事」と言っているように聞こえてしまいます。もちろん、営業の仕事をしているのは男の人だけではありません。女の人や、その他の性別の人もたくさんいますよね。
だから、こんなときは「営業さん」や「営業担当者」と言うのが良いです。これなら、性別に関係なく誰でもその仕事をしていると伝わります。誰かの性別に関係なく、その人の仕事を尊重するというメッセージを伝えられる言葉にしましょう!
障がいに関する言葉を見直しましょう
次に紹介するのは、障がいのある人に対する言葉です。昔は「めくら」という言葉を使うことがありましたが、今ではこれは差別的な表現だとされています。
たとえば、目が見えにくい人のことを「視覚障がいのある方」と言うのが一般的です。このように、障がいに対して敬意を持って表現することで、相手に対する優しさや思いやりが伝わります。
また、「ブラインドタッチ」という言葉も使われますが、これは「タッチタイピング」と言い換えることができます。「ブラインド」という言葉が、視覚障がい者に対する配慮に欠ける場合があるからです。
人種や国籍に関する言葉にも注意しましょう
次に大事なのは、人種や国籍に関する言葉です。たとえば「黒人」という言葉は、過去に差別的な意味で使われることがありました。そのため、今ではこの言葉を使うことは避け、「アフリカ系の人々」などの表現が推奨されています。
また、「外国人」という言葉もよく使われますが、これもあまり良い印象を持たれないことがあります。たとえば、外国から来た友達を「外国籍の人」と表現する方が、相手を尊重しているように感じられるでしょう。「外国人」という言葉には、少し「自分たちと違う」というニュアンスが含まれてしまうことがあるからです。
ちょっとした一言が傷つけることもあります
さらに、気をつけたいのは何気ない一言です。たとえば「若いのにすごいね」や「女の人なのにこの仕事ができるんだ」という言い方、一度は聞いたことがあるかもしれません。言葉を発した人には悪気はないかもしれません。
ですが、これらの言葉は、言われた人が実はあまり嬉しくないことがあります。どうしてかというと、「若いからできないと思ってた」「女の人だから難しい仕事は無理だと思ってた」というニュアンスが隠れているからです。
こうした言葉は、マイクロアグレッションと呼ばれます。相手を褒めているつもりでも、実は無意識に偏見を含んでしまっている言い方です。これからは、年齢や性別ではなく、その人の行動や成果に注目して褒めてみましょう!
LGBTQに関する表現にも配慮しましょう
最近、LGBTQ(性的少数者)という言葉を聞く機会が増えてきました。LGBTQの人々も、私たちと同じように尊重されるべき存在です。
たとえば、虹のイラストはLGBTQのシンボルとされています。学校や職場で使うデザインで、このシンボルを意図せず使うと、誤解を生んでしまうことがあります。こうした細かい点にも配慮することが大切です。
言葉をアップデートしましょう
ここまで紹介してきたように、私たちが普段何気なく使っている言葉には、知らず知らずのうちに誰かを傷つけてしまうものがあるかもしれません。でも、その言葉を少しだけ変えることで、相手をもっと尊重できるようになります。
これを「言葉遣いのアップデート」と言います。時代が変われば、言葉も変わるものです。昔は普通に使われていた言葉が、今では不適切とされることもあります。だからこそ、私たちも最新の言葉を学びながら、みんなが気持ちよく過ごせるようにしていくことが大切です。
言葉のチカラ
言葉には力があります。その力を、誰かを傷つけるためではなく、誰かを支えるために使いたいですね。D&Iの時代、私たちができる小さな一歩は、言葉を見直し、アップデートすることです。学校や職場、友達との会話の中で、ぜひ今日から使ってみましょう!
これからは、みんなが居心地よく過ごせる社会を目指して、私たち一人ひとりができることを少しずつ始めてみてくださいね。
なお、このブログ記事は以下の論文内容を元にして書きました。
<D&I 時代に、言葉遣いのアップデートを>P52から
原田 奈美 技術士(情報工学)(東京都在住)
https://chubu-ipej.sakura.ne.jp/download/chubu-014-1.pdf
情報提供してくれた原田奈美さんに感謝します。
D&Iに関する言葉の置き換えについて
ここまで紹介してきたD&Iに関して、不適切な言葉と、適切な言い換えの言葉の案を、その理由とともに一覧表にしました。
D&I 言葉の置き換え例一覧
不適切な言葉 | 適切な言い換え | その理由 |
営業マン | 営業さん、営業担当者 | 男性を連想させる職業名を避けるため |
ビジネスマン | ビジネスパーソン | 性別に関わらず、職務を表現するため |
サラリーマン | 従業員、会社員 | 職種を限定しない表現にするため |
カメラマン | フォトグラファー | 性別を連想させない職業名にするため |
漁夫 | 漁業従事者 | 性別を限定しない表現にするため |
チェアマン | 議長、チェアパーソン | 特定の性別を連想させる表現を避けるため |
中小企業社長のおじさん | 中小企業の社長 | 性別や年齢に偏った印象を与えないため |
事務のおばさん | 事務担当者 | 性別を限定しない表現にするため |
○○くん、○○ちゃん | ○○さん、名前をそのまま使用 | 相手が望む敬称や呼び方を尊重するため |
女優 | 俳優 | 性別を強調せず、職業そのものに焦点を当てるため |
スチュワーデス | 客室乗務員 | 性別に関わらず職務を表現するため |
看護婦 | 看護師 | 性別を限定しない表現にするため |
夫、妻 | 配偶者、パートナー | 多様な家族形態に配慮するため |
トランスジェンダーの人 | トランスジェンダー | 個人のアイデンティティを尊重するため |
性転換手術 | 性別適合手術 | 中立的な表現にし、当事者の選択を尊重するため |
Miss., Mrs. | Ms. | 女性の未婚・既婚による区別を避けるため |
めくら | 視覚障がいのある人 | 差別的な用語を避け、障がいに配慮するため |
めくら判 | 確認印、押印 | 差別的な意味合いが含まれるため |
車椅子使用者 | 車椅子を使っている人 | 制約を強調せず、具体的に道具を使う状況を示すため |
クレイジー | 極端な行動をとっている | 精神的な健康状態を軽く扱わないため |
ばかちょん | 簡単 | 差別的なニュアンスが含まれているため |
サイコ | 精神疾患を持つ人 | 精神疾患を持つ人々に敬意を払うため |
精神障害者 | 精神的なサポートを必要とする人 | 障がいを直接的に表現せず、サポートを強調するため |
ブラインドタッチ | タッチタイピング | 視覚に障がいのある人に配慮するため |
障害者 | 障がいのある人 | 「害」という漢字に否定的なイメージがあるため |
片手落ち | 不公平、不十分 | 片方に偏る印象を避け、公平さを示すため |
健常者 | 障がいがない人 | 対比を避け、ニュートラルな表現にするため |
外人 | 外国籍の方 | 「外」のニュアンスをなくし、相手を尊重するため |
黒人 | アフリカ系○○人(国名) | 肌の色を直接的に表現しないため |
啓蒙 | 普及、啓発、教育活動 | 上から目線の印象を避けるため |
インディアン | ネイティブ・アメリカン | 人種差別的な表現を避けるため |
第三世界 | 新興国、グローバルサウス | 差別的な表現を避けるため |
ホワイトリスト、ブラックリスト | 許可リスト、ブロックリスト | 人種差別的な表現を避けるため |
グル | 専門家、指導者 | 特定の宗教や文化に結びつけないため |
若いのに、女なのに | 削除、もしくは具体的な評価 | 性別や年齢を基準にした評価を避けるため |
お茶の子さいさい | 簡単、容易 | 特定の性別や役割を連想させる表現を避けるため |
高齢者 | シニア、年配の方 | 年齢による差別的表現を避けるため |
老人 | ご長寿の方 | 年齢を尊重し、長寿を祝福する意味合いを持つため |
※この言葉の置き換え例は全てではなく一部で他にもあります
※この置き換えが本当に完全に正しいかどうかについては検討が必要かもしれません
※気づいたときに内容を修正するつもりです
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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