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金沢市民芸術村パフォーミングスクエアで田代真佐子さんのフルートの響きリサイタル「ウッド&ゴールド」を聴いた

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金沢芸術村パフォーミングスクエア会場は金沢市民芸術村パフォーミングスクエアだった。田代真佐子さんの「フルートの響き」リサイタルである。伴奏はピアノだけのアンプラグドのクラシックライブ。フルート奏者のクラシックリサイタルを聴くのは初めてなので楽しみだった。
フルートは木管楽器である。木管楽器の材質は木とは限らない。「リード」があるのが木管楽器で、木製でも金属製でもどちらでもよいである。サックスもリードがあるので木管楽器である。
しかし、フルートにはサックスのようなリードがない。なのに木管楽器に分類される理由は、唇の振動ではなく純粋な空気の振動を使う「エアリード」の楽器だからということである。
今回のリサイタルのテーマは「ウッド&ゴールド」になっていたのでよけいに、「木と金属」という違いを意識させてくれた。

昨日は悪天候だったが今日はいい天気に恵まれ、金沢市民芸術村では数日前に咲いた桜が見頃になっていた。

パフォーミングスクエアは金沢芸術村の中にある

金沢市民芸術村は音楽家や美術家などの芸術の発表の場として多数の建物がある。今回の会場となったパフォーミングスクエアはとくに大きな会場で、100人以上がゆったりと入ることができる巨大なスペースだ。もともとが、オーケストラ・アンサンブル金沢のような大編成のオーケストラでも練習できる場として作られたもの。今回のようなリサイタルにはうってつけのホールである。

パフォーミングスクエアでフルートのリサイタル

開演前の会場の中はすでに多数の観客でいっぱいだった。1台のグランドピアノだけが置いてある会場にたくさんのパイプ椅子が並べられ、ゆうに150席は用意されていたように思う。

フルートとピアノのアンプラグドライブ

クラシック音楽には詳しくないので、今日演奏された曲も初めて聴いたものばかり。

田代真佐子さんのブログには…

平成26年4月5日(土)午後2時開演(1時半開場)
金沢市民芸術村 パフォーミングスクエア
料金 2500円

ピアノ 田島睦子

曲目:
J.S.バッハ フルートソナタ ト短調 BWV1020
モーツァルト ロンド ニ長調 KV373b
バルトーク ハンガリー農民組曲
ムチンスキー フルートとピアノの為のソナタ op.14
タファネル 魔弾の射手のテーマによる幻想曲

と紹介されていた。

クラシックのコンサートでは、アンプとスピーカーがなく生音だけで演奏されることが多い。今回もアンプがない「アンプラグド」のクラシックライブである。フルートとピアノだけである。おどろいたのはフルートの生音の強さ。フルートがこれほど強く存在感をもって響き渡るとは思わなかった。

「ウッド&ゴールド」というテーマには、木製フルートと金属製フルートを弾き分けて、その味わいの違いを感じて欲しいという意図を感じた。はたしてどうか。

開演最初の曲は木製フルートを使用していた。やさしく素朴でいて、小鳥のさえずりのように遠くまで響く印象だった。本当にやさしい音だ。息づかいが音に変わることは、演奏者本人の呼吸であることを実感させてくれるような曲だった。次の曲も木製のフルートで演奏した。まるで森のなかにいるような自然な音でとてもいい気分になった。

何曲目かで、金色に輝く金属製のフルートに変わった。金のフルートは力強さや音域の広さなど攻撃力が格段に上がった印象である。曲調も森の中のようなやすらぎのものではなく、戦っているかのような力強いものになった。曲の聴いていると、まるで勇者が魔王とラストダンジョンで戦っているかのような激しさを感じた。激しい闘いのあとは、湖の中に吸い込まれるような曲調に変わった。金のフルートの表現力はすごい。

木も金属もよかった。

アンコールでは、木製のフルートと、金のフルートと、それぞれの特徴を表すような曲を演奏してくれた。木製のフルートで奏でられたやさしい音色がとても深く印象に残った。

田代真佐子リサイタル

金沢市民芸術村の桜は見頃を迎えていた。風は強かったが日差しはやさしかった。 明日くらいが満開かもしれない。

▼田代真佐子さんがテレビ出演したときの動画