最近、ネット証券を狙ったフィッシング詐欺や不正アクセスの被害が急増していることから、SBI証券と楽天証券では、2025年3月24日よりセキュリティ対策を大幅に強化していることが確認できました。今回は、その内容をわかりやすくご紹介し、利用者が安全に取引を行うために知っておきたいポイントを解説します。
ネット証券を使う場合はセキュリティ状況を見直して対策を強化しましょう。
ネット証券のセキュリティ強化について
楽天証券:不正アクセスを防ぐ「リスクベース認証」を導入

楽天証券では、2025年3月24日から新しいセキュリティ機能「リスクベース認証」を導入しました。
▶ リスクベース認証ってなに?
これは、利用者のログイン環境(たとえばいつも使っている端末や場所など)を自動で判断し、いつもと違うアクセスがあったときだけ追加の認証を行うという仕組みです。
▶ どんなときに追加認証が必要?
以下のようなケースでは、本人確認のために追加認証が求められます:
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出張や旅行先など、いつもと異なる場所からアクセスした場合
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新しいスマートフォンやパソコンなど、初めての端末を使った場合
▶ 追加認証の方法は2種類
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フリーダイヤル認証:登録した電話番号から指定の番号に電話をかけるだけで認証完了。
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SMS認証:登録した携帯番号に送られるワンタイムキーを入力するだけ。
普段と同じ環境で利用する分には認証は不要なので、利便性を保ちながらセキュリティを強化できます。
▶ さらに安心!「ログイン追加認証サービス」も設定を推奨
こちらは、ログイン時に登録メールに画像付きの確認メールが送られ、その画像を選ぶことで本人確認が完了する仕組みです。偽のログイン画面ではこの画像が表示されないため、フィッシング詐欺の防止にも効果的です。
SBI証券:スマートフォンと連携した「デバイス認証」などを強化
SBI証券では、楽天証券で発生した不正取引の問題をふまえて、独自の対策を進めています。
▶ 主な強化ポイントは以下の3つです:
デバイス認証
あらかじめ登録した端末からのみログインを許可する機能です。知らない端末からのアクセスは自動的にブロックされます。
デバイス認証の設定をしておきましょう。
設定が完了するとこのような画面が表示されるはずです。
FIDO認証(スマホ認証)
パソコンでログインする際に、スマートフォンでの**生体認証(指紋や顔)**と連携させることで、より強固な本人確認が可能です。パスワードだけでは防ぎきれない不正アクセスを防止します。
出金・振込時の二要素認証の徹底
特にお金の出金に関しては、2025年5月からは全額の出金に二要素認証が必須になります。これにより、不正に資金が引き出されるリスクを大きく減らすことができます。
なぜ今、こんなにセキュリティが厳しくなっているの?
それは、近年フィッシング詐欺による被害が急増しているからです。
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偽の楽天証券のサイトに誘導され、IDやパスワードを盗まれる
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知らない間にログインされ、株を勝手に売られて中国株を大量購入される
といった被害がSNSなどで相次いで報告されており、しかも組織的な犯行の疑いもあるため、早急な対策が求められたのです。
安全にネット証券を利用するために、私たちができること
セキュリティ対策は、証券会社に任せきりではいけません。私たち利用者も以下のポイントを意識しましょう:
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複雑なパスワードを使う(他のサービスと使い回さない)
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二要素認証を必ず設定する
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メールやSMSのリンクをクリックしない(公式サイトに直接アクセス)
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定期的に取引履歴を確認する
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ウイルス対策ソフトを入れておく
まとめ
ネット証券の安全性は、日々進化しています。SBI証券や楽天証券の取り組みは、私たちの大切な資産を守るためのものです。便利なサービスだからこそ、安心して使えるようにセキュリティ設定の確認・強化を忘れずに行いましょう。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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