中小企業の製造業がWEBを活用して新規受注するために必要な3つのポイントをまとめてみた。その3つとは「独自の訴求コンセプト」、「戦略的キーワード選定」、「問合せのための仕掛け」である。中小製造業のWEBサイト制作で実績が抜群なWEB活用経営では以下のように3つを説明している。
1.自社が強い分野に「サイトコンセプト」が絞られている
2.戦略的に「検索キーワード」が選定されている
3.問い合わせを得るための「仕掛け」がある
※遠田が「独自訴求コンセプト」と書いている内容は、上記の「自社が強い分野にサイトコンセプトを絞る」ということとほぼ同義とみていいだろう。
以下は、WEB活用経営の該当ページ(http://web-keiei.com/service/)からの引用である。
1.自社が強い分野に「サイトコンセプト」が絞られている
製造業のホームページは、
強みが明確に打ち出されている必要があります。検索エンジンを利用するユーザーは、地域という商圏に縛られることなく競合と比較を行います。実際の事業領域よりも狭くなったとしても、自社が強い分野、または今後力をいれて受注を獲得したい分野に絞ってサイトを構築することが、成果をあげるためには必要です。
ユーザーは、「何らかの課題」を持ち、課題解決のためにインターネットを利用しています。課題を解決してくれそうな企業を探しているとき、専門性が高そうな企業が選ばれるのです。(もちろん、信頼感は一番に大切です。)
2.戦略的に「検索キーワード」が選定されている
ホームページを訪問する検索キーワードには、3種類あります。
(1)指名ワード ・・・ 会社名、会社名+地域名、製品名など、当社を知っている人が検索している言葉です。
展示会でお渡しした名刺から知ったり、人づてに会社名を聞いて、検索エンジンで検索します。
「当社を知っていて、探してくれている人」に、確実にページを表示させることは、
検索エンジン対策の第一歩です。
例)○○株式会社(2)業種・業界・製品関連ワード ・・・ 当社が所属している業種や業界を表す言葉です。(1)よりも範囲が広くなります。
精密金属加工 > ステンレス加工 > SUS304加工
精密金属加工 > ステンレス 穴あけ加工 > 短納期など、大きな業界から、素材・加工の種類、サービス内容(小ロット、短納期など)にわたる
全ての言葉が含まれます。この、業種・業界ワードで探してくる人たちは、当社のことを知りません。
幅広い言葉がありますので、特に、強みや技術力があるワードに絞ることが大切です。
まずは、300~1000程度ワードを出し、優先順位をつけて絞込を行います。
例)SUS304 加工(3)お悩みワード ・・・ インターネットで検索エンジンを使用している人は、「何らかに困っています」。
既存の取引関係の中で、悩みが解決するのでしたら、
わざわざ検索エンジンを使わず、人に尋ねるでしょう。検索エンジン対策の真髄は、このお悩みワードの対策です。
想定顧客を考え、彼らが悩んでいることを考え、どのような言葉で検索するのか考え、
対策を練っていきます。<ユーザーの頭の中にある悩みが、検索キーワードに表れる流れ>
多くの場合、ユーザーは、悩みに対し、自分なりの仮説をたて、検索キーワードとします。
そして、この「自分なりの仮説」が間違っていることも、多々あります。対象としたい「未来のお客さま」は、今、目の前に、どのような課題があるでしょうか?
まずは、根本的な悩み(STEP1の部分)を考えていきます。(1)の指名ワードでは確実に検索結果に表示されるように、
(2)の業種・製品関連ワードでは、自社の得意分野に絞った対策を行います。
(3)のお悩みワードでは、顧客を想定して対策を練ります。3.問い合わせを得るための「仕掛け」がある
ホームページ上に、単に「問い合わせフォーム」があっても、
なかなか問い合わせにはつながりにくいものです。
専門性の高い豊富なコンテンツや、社長やスタッフの人柄が感じられるブログを書いて問い合わせにつなげる他、問い合わせを増やす「仕掛け」を、ホームページ内に作ります。< しかけの例 >
資料請求 製品パンフレット、事例・実績や試験データなどの資料を送る 無料相談 特定の悩みに対する無料相談を受け付ける 見積り HP上から見積依頼を受け付ける 小冊子 「生産管理システム導入の秘訣」など、役立つ情報を小冊子にして配布する 製品サンプル 自社の技術が現れている製品を、サンプルとして送付 自主製品販売 強みを活かして自主製品を開発し、販売する
販売して売上拡大を狙うというよりは、動く広告宣伝に近いイメージ
中小製造業が下請から脱却するために独自で新規顧客開拓をするさいには、WEBの力を信じて検索エンジンマーケティングを展開するのがもっとも有効である。
グローバルニッチトップを目指す
ただし、ここで、はたと気づくことがある。
当社は本当の「強み」があるのだろうか?ということである。
WEBを活用して新規得意先を開拓するということは、当社の持っている技術や能力がずば抜けて高いという特徴が必要である。よく「ニッチトップ」といわれるが、どれだけ範囲が狭くてもいいが、その狭い範囲では最高レベルのパフォーマンスを発揮できるという能力が必要である。インターネットの発達で取引はグローバルになっている。だから競争は世界レベルになっている。
だから、県内一位レベルではなく、日本一位レベル、いや世界一位レベルの特徴や強みを訴求しなくてはならない。
どれだけ狭くてもいいが、その狭い範囲ではグローバルで1位という「グローバルニッチトップ」という視点で、自社の強みを磨いていくことが必要なのだ。そのことに気づき、戦略的に自社技術とマーケティングを磨いていくことが重要である。
経済産業省が発表しているGNT100(グローバルニッチトップ)の顔ぶれをみると、中小企業というより中堅企業が多い。なかなかこの仲間に入るというのは難しいかもしれない。
しかし、このような企業から指名発注が来るような小さくてもピカっと光る技術や能力をもっている中小企業は多いはずだ。そのような企業はもっと自社の独自性を強めてWEBで情報発信してほしいものだ。
▼GNT100の企業一覧(http://www.meti.go.jp/press/2013/03/20140317002/20140317002-3.pdfより抜粋)
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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