スマホケースを販売するネットショップ「phocase」のEC事例がフェレットプラスに掲載されていた。年商1億円超のネットショップの詳細な数値を含んだ分析データでこれはとても参考になる。公開してくれたネットショップ・オーナーとフェレットプラスには感謝したい。
2014年10月のデータとして、アクセス数(セッション)約413000、売上1627万円、購買人数約5500人という数値が公開されている。という公開数値から試算すると概算で、転換率は1.3%、1アクセス単価は40円となる。集客施策の特徴としてPPC広告(リスティング)からコンテンツSEOに切り替え、今ではリスティング広告を0にしたという点である。この施策がうまくいったからこそ、データ公開ができたのだろう。
年商1億円超のネットショップ「phocase」
「phocase」パソコンで見えるWEB画面
「phocase」スマホで見えるWEB画面
このようにパソコン画面とスマートフォン画面はまったく違う表示だが、URLは同じなのでレスポンシブデザインで制作されているのだろう。とくにスマートフォンでのアクセスが多いだけに、スマホ表示の最適化には最新の注意を払っているようにみえる。実際にパソコンとスマホの両方で閲覧してみたが、スマホでの閲覧品質が高い印象だ。
以下、https://ferret-plus.com/556から引用しながらポイントを紹介する。
各種データ 「ターゲットの設定」
アクセス数の推移
サイトデータ
集客施策て特徴的なのは「コンテンツSEO」による集客に力をいれていることだ。
2013年10月から自然検索からの流入を増やす目的で、スマホケースに関連するコンテンツ毎月100記事追加を開始。
徐々に流入が増えはじめ、半年後の2014年4月頃にはリスティング広告中心の集客からSEO中心への集客にシフトチェンジ成功。
これにより、これまで売上の30%を広告費にかけていましたが、1/3まで削減することに成功。(ちなみに、現在はリスティング広告は完全に停止してます。)
コンテンツページは毎月100ページ単位で増加させているというが、これはかなりすごいコンテンツ量だ。インデックス数を調べてみると今日現在で42500ページあった。
このネットショップのコンテンツSEOについては1年前の紹介記事がフェレットプラスに紹介されている。これもたいへん参考になるので合わせてチェックしておきたい。
以下の引用元はhttps://ferret-plus.com/85
コンテンツ追加で対策キーワードからの流入数が2.4倍になったSEO事例 2013/12/01事例
SEOを進めるとき、現在ではコンテンツ拡充など、内部対策を重視する方も多いと思います。一方で、URLの正規化などテクニカルなこと以外では何をしたらいいのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。
今回は、キーワードの洗い出しからコンテンツSEOを進め、ターゲットキーワードでの流入数を増やしました事例を聴くことができましたので、ご紹介します。
事例:デザインスマホケースストア「phocase」
事例サイト概要
【事例対象】SEO内部対策 事例ホームページ:デザインスマホケースストア「phocase」 どんなホームページか:ネット通販によるデザインスマホケース販売。
参考リンク:デザインスマホケース|phocase(フォケース)
改善結果
【ビフォー】ターゲットキーワード流入数 85
【アフター】ターゲットキーワード流入数 323 +160%
【ポイント】コンテンツの定期追加STEP1 課題~コンテンツをどう増やすのか
私たちは、ネット通販でオシャレなケースを探している人に向けて、デザインスマホケースを企画・制作・販売を一括して行っています。
基本はネットの販路のみで全国に向けて販売をしています。2013年2月に立ち上げ、おかげさまで売上も順調に伸びています。
他機種他デザインで商品を提供するために、受注生産方式をとっています。ともすれば売価が高くなってしまうところを、広告費の削減などで業界内での適正価格を実現しています。
ですので、SEO対策はインハウスでできる集客手段として重視しています。一方で、昨今のコンテンツSEOについてはどう対応していものか、思案していました。
ソーシャルメディアを立ち上げたものの、直接の売上に力強く関わってくるとは言えない状況でした。
ですので、やはり商品企画や特集ページなどを、どういう方法で定期的に追加していくかが命題となっていました。
STEP2 改善~流入キーワードを洗い出した
Googleアナリティクスを活用
主要なキーワード(機種名×ケース)やミドルワード(機種名×ケース×かわいいなど)での流入は増えているものの、その他にも獲得できそうなテールワードを探すために新たにキーワードの洗い出しを行いました。
具体的には、Googleアナリティクスで(not provided)が多いものの、直近3ヶ月の流入キーワードをリストアップしました。いっぽうで、Yahoo!からのワードは取れますので、それをEXCEL形式でダウンロードし並べ替えします。
Googleアナリティクス>集客>キーワード>オーガニック検索
並べ替えをしてピボットテーブルなどで集計をしますと「北欧」というキーワードを軸に、平均PVや流入数などが良い数字が出ていることがわかりました。
また、実際にGoogleやYahoo!で検索してみますと、上位表示されていないこともわかりました。ですので、これはSEO対策をする伸びしろがあると直感しました。
コンテンツの追加
内部対策としてコンテンツ追加とシステム的な対策を行いました。
まず、コンテンツ追加は「北欧」関連のデザインケースのまとめページを作ったり、特集ページを作ったりなどしました。また、北欧を感じさせるデザインも投下しました。
そして、コンテンツ追加は定期的に行いました。そのキーワードで定期的に更新しているホームページと認識されるはずと思ったからです。月に2~3本の該当KWによる特集記事を追加しました。
「【iPhone5s】北欧カラースマホカバー大特集!」
(iPhoneや北欧といったミドルワードに絡めました)「冬にぴったり北欧&ノルディック柄のスマホカバー特集」
(ノルディックという新しい切り口も追加)「【Xperia Z1 f】女子注目の北欧スタイルに出会えるスマホカバー特殊」
(女子注目などターゲットを絞って)つぎにシステム的な対策です。まず、「北欧」タグを追加し、「北欧」を連想させる商品にタグ付けをし、タグ検索結果ページが検索にヒットするようにしました。ウェブマスターツールなどでもtagページのインデックスを確認します。
コンテンツ追加で留意した点
特集記事はたんなるまとめページではなく、ユーザーにきちんと提案として、読んでもらえるものでなければいけません。
私たちは、ネットショップを運営しているというより、「雑誌を編集している」という気持ちで記事を書こう、とスタッフには意識させています。オシャレに敏感な女子達に評価される、つまりサイトに訪問してもらうだけではなく、そこから商品を購入したい!というところまで気持ちを高めてもらうためには、それくらいの気持ちでないといけないと思っています。
また、もちろんですがコピーコンテンツなどは絶対にしないよう、厳しく言い聞かせています。一度信頼を失うと取り返すのは、まず不可能だからです。
いっぽうで、前述のようにタイトルタグや特集内容にも、意図的にミドルワードを入れ、機種、性別、感性、イメージなど、アプローチが偏らないように試行錯誤しながら記事を作成しました。
STEP3 考察~対策キーワードで流入数2.4倍
結果、2ヶ月後には「北欧」関連のキーワードでの流入数が2.4倍にまであがりました。それぞれの記事をしっかり内部リンクさせ、孤立させないなどの基本もおさえながらも、丁寧に記事を追加した成果だと実感しています。
また、総キーワード種類数も2.6倍に上昇しました。次の図のように掛けあわせでの流入が増え、結果としてテールを増やすことにも成功しました。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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