輪島塗は分業で成り立っている。輪島塗に関する職人の役割分担は大きく4つある。
1木地師:木を轆轤(ろくろ)や鉋(かんな)で削る職人。
2下地師:木地師から挽きあがった木地に木地固め、布張り、錆付けなどの下地作業を行う職人。
3塗師(塗師屋):下地が仕上がった品物に漆を塗る職人。木地や下地の仕上げ方、漆の色、艶により杢出し、木地呂、根来など多彩な塗りを施す。
4蒔絵師:塗師から塗りあがった品物に対し多彩な技法で絵を描く職人。漆絵、蒔絵、沈金など様々な技法がある。使用される素材も金粉、銀粉、金箔などの貴金属や螺鈿(貝)、玉虫、珊瑚などの素材まで幅広い。
輪島塗の分業構造について
4つの職人について詳しく説明します
- 木地師:木地師は木材を使って製品の形を作り出す職人です。轆轤(ろくろ)を使用して円形の物を作る場合や、鉋(かんな)を使用して平らな面を作り出す技術が求められます。木地師によって形作られた木材は、その後の工程の基礎となります。
- 下地師:下地師は木地師の作った木地に対して、さらに処理を加えて製品を漆塗りのための準備を行います。これには木地固めや布張り、錆付けなどの工程が含まれます。これらの工程は漆が木地にしっかりと固定されるようにするため、非常に重要です。
- 塗師(塗師屋):塗師は下地処理が完了した製品に漆を塗る職人です。彼らは漆の種類や色、艶を選び、製品に塗り重ねていきます。杢出し、木地呂、根来などの技法を使って、さまざまな表情を漆塗りに出すことができます。
- 蒔絵師:蒔絵師は塗師が完成させた漆塗りの表面に、さらに装飾を加える職人です。漆絵、蒔絵、沈金などの技法を駆使し、金粉、銀粉、金箔などの貴金属や、螺鈿(貝)、玉虫、珊瑚などの異なる素材を使用して緻密な装飾を施します。
これらの分業により、輪島塗はその高品質と美しさを保ちながら作り上げられています。それぞれの職人の専門技術が輪島塗の価値を高め、日本の伝統工芸品としての地位を確立しています。
販売は塗師屋が担当することが多かった
これまでは、塗師屋さんが輪島塗の製造管理や販売を手がけることが多かった。
輪島塗のような伝統工芸品は、その製造から販売に至るまで多くの手が関わり、それぞれの役割が製品の品質を支えています。塗師屋が特に重要な役割を担う場合もありますが、他の職人や関連組織との協力によって製品が市場に出されることが増えています。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
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