2006年に出版された梅田望夫さんの著書に「ウェブ進化論」があります。翌2007年には「ウェブ時代をゆく」が出版されました。これらの書籍の中で「WEB2.0」が説明されていました。もともと2005年にティム・オライリーさんが「WEB2.0」という概念を発表しており、梅田望夫さんは日本語でわかりやすい「WEB2.0」を伝えてくれる人でした。2005年から2010年くらいまでは「○○2.0」というのがよく使われていましたね。
では、今、語られだした「WEB3.0」は、「WEB2.0」となにがどう違うのでしょうか。
WEB1.0から3.0までの変遷
WEB1.0から3.0までの変遷をざっくりと1995年くらいから表示すると以下のような図になると思います。
WEB1.0は1995年ころから始まったインターネット黎明期の世界観を表しています。ちょうどマイクロソフトからウインドウズ95が発売されて秋葉原の電気街に購入する人が行列になったということが印象的ですね。そのころからのインターネットの世界のことです。ホームページを作ってハイパーリンクでつながるということが新鮮でした。
WEB2.0は2005年ころから始まったスマホやSNSの時代の世界観を表しています。GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)というアメリカの大手IT企業が事実上支配しているような時代になりました。
WEB3.0は2018年ころから始まったブロックチェーン時代の世界観を表しています。ブロックチェーンというとビットコインを代表とする暗号資産(仮想通貨)のイメージが先行するかもしれませんが、それはWEB3.0の一部です。WEB3.0は中央集権的ではない分散型の民主的なインターネットの世界です。
以下の表は独自の解釈を一覧にしたものです
項目 | WEB1.0 | WEB2.0 | WEB3.0 |
時期 | 1995年~ | 2005年~ | 2018年~ |
端末機 | パソコン | スマホ | XR/AR |
通信技術 | http(html) | https(SSL) | IPFS(ブロックチェーン) |
情報基盤 | WEBサーバ | クラウド | AI |
WEB3.0とはなんでしょうか?
WEB3.0は「ウェブサンテンゼロ」と読みますが、WEB3と略して「ウェブスリー」と呼ぶ場合もあります。WEB3.0もWEB3もほぼ同じ意味で使われているようです。
あたらしい経済
https://www.neweconomy.jp/
というサイトは幻冬舎が運営していて、あたらしい経済と称してブロックチェーンや暗号資産、およびWEB3.0についても記事やユーチュブ番組を発表しています。
今回は、そのユーチュブ番組で「WEB3.0」を解説していました。
あたらしい経済の編集長は、設楽悠介 (Yusuke Shidara)さんです。
設楽悠介 Yusuke Shidara「あたらしい経済 New Economy」編集長 @幻冬舎
https://twitter.com/ysksdr
TwitterのほうでもWEBに関する情報発信を多数されています。
WEB3.0はWEB2.0をすっ飛ばしていくという表現がアツクてなかなかおもしろかったです。解説もわかりやすいので、まずは動画をサクッとご覧になってはいかがでしょうか。
このチャンネルは
#CONNECTV : コネクTV【仮想通貨 ブロックチェーン総合番組】
https://www.youtube.com/channel/UCZVFLvB-gv515l5QOUBtbsw
にてご覧いただけます。
WEB3.0は中央集権からの開放された社会
現在のネット社会はまだWEB2.0ですが、徐々にWEB3.0的な動きが大きくなってきています。
WEB2.0の世界は、GAFAMを中心とした中央集権型になりました。
その結果、
- 特定の大企業に個人情報が集中するプライバシー問題
- 中央集権型によるセキュリティ問題
という、問題が大きくなってしまいました。
なんだか、抑圧されて自由がないなり、どんどん窮屈になっていくような気がしませんか?
そして、DAOという組織が増えていくと言われています。
DAOとは、自律分散型組織といわれていて、「Decentralized Autonomous Organization」の略語です。中央集権者がなく、構成メンバー各自にで自律的に運営される組織であり、ピラミッド型の指示系統や意思決定プロセスがなく、全メンバーに権限が委任されているため、個人が自ら考え、最適な行動を選択できる組織です。
WEB3.0はそのような問題を解決する方向に動いています。その基盤的な技術がブロックチェーン技術です。
中央集権型から移行する先は分散型(P2P)になります。そのP2Pネットワークの信頼性、健全性を担保するのがブロックチェーン技術です。
最近話題の仮想通貨(ビットコインやイーサリアムなど)もNFT(ノンファンジブルトークン)もブロックチェーンの技術を使っています。とくにNFTは今年、急に話題が盛り上がっていますので注目度が高いですね。
ということで、WEB3.0はこれまで中央集権になってしまいがちな「通信の世界」を民主的な場にしようという世界観といえますね。
WEB3.0では使うアプリも変化します
我々が普段使うアプリ(APPS)は大手IT企業が提供するものが多いですが、まさに中央集権の象徴ですね。誰もがiPhoneを持ち、Facebookやamazonを使い、ブラウザはGoogleChromeになっています。
これらのAPPSはDapps(ダップス)に変化していくといわれています。WEB3.0になると使うアプリがDapps(ダップス)とよばれる分散型アプリケーションになります。
出典元:Medium
上記のアイコンではBRAVE(ブレイブ)というブラウザが象徴的かなと思います。BRAVEは遠田が昨年から使い始めているブラウザで広告表示がされないので、ユーチューブもサクサク閲覧できて快適です。
DAppsは、ブロックチェーン技術を使っているアプリなので、特定のハードウエアやOSに縛られることがありません。国境や人種による制限がなくなります。ブロックチェーンに参加するユーザーに制限はなくなり、国籍や性別、人種などによってブロックされることのない、公平な社会になると思われます。
つまり、デバイス、OSなど、中央集権型のしくみから開放され、シームレスにネットを活用できる自由な社会になっていくということです。
https://www.creativevillage.ne.jp/69756
の記事が参考になりますので、ぜひご覧になってみてください。
WEB3.0に関する参考ページ
web3.0とは?情報の信頼性担保の鍵:ブロックチェーンの仕組みとメリット
https://persol-tech-s.co.jp/hatalabo/it_engineer/537.html
NFTやDeFiなどで注目──新しいインターネットの世界「Web 3.0」とは一体何か?
https://signal.diamond.jp/articles/-/672
Web3.0の金融プライバシー競争で主要プレイヤーを味方につける「Secret Network」
https://jp.techcrunch.com/2021/05/15/2021-05-03-in-the-race-towards-web-3-financial-privacy-secret-network-attracts-backing-from-key-players/
他にもWEB3.0関連の情報はどんどん増えているようです。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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