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ファストファッションの隣に手芸店を出店すると売上が上がる?手芸のユザワヤ新規出店がユニクロの隣になる理由

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手芸店のはぎれ手芸店の人気が上昇している。特に首都圏ではユザワヤが出店攻勢をかけている現象が目につく。ユザワヤは、これまでは首都圏でも山手線の外側だったが、最近は銀座、新宿、渋谷と都心に集中して出店したり出店を計画している。
特徴は、ファストファッション店舗の隣への出店が多いということだ。それもほとんどユニクロの隣。ユニクロの隣に手芸店を出店すると繁盛する理由はなにか?

手芸のユザワヤ新規出店がユニクロの隣になる理由

この理由には消費者の動向が大きく変化していることがあげられる。これまでの手芸品の愛好者は40~60歳の中高年女性層が中心的な顧客層だった。それが最近では、20~30歳の若い女性(いわゆるアラサー)たちからの支持が急上昇しているという。

では、なぜアラサーが手芸店に興味が向いてきたのか。

実は、消費者の衣料品の購買額はここ数年減少している。10年前には約20万円の購入額だったが今では約16万円程度と約2割も減少している。この背景には、最先端の流行をいち早く取り入れそれを安く提供する衣料販売チェーンの業態であるファストファッションの急成長がある。ファストファッションには、ユニクロやH&Mなどがあげられるが、この影響で消費者の購買単価は大幅に低下している。

ファストファッションの特徴は、安い早いおしゃれであるが、そのおしゃれさは着こなす人の「ベーシックなおしゃれ」を表わすものである。ある意味、同一大量の同じ服だから個性を出すには、服のコーディネートなどに気を配らなければならない。つまり、ファストファッションの隆盛により、プラスアルファの味付けを他に求める必要性が高まったということだ。

そこに手芸店が目をつけた。ファストファッションと組み合わせる小物を自作したり、ファストファッションのジーンズやTシャツにデコをつけたりすることで独自の個性を発揮するというファッションスタイルの人気が高まっている。このニーズに応えるカタチで品揃えを増やし、その顧客が多いファストファッション出店地域に出店しているということだ。

不況で財布のひもが固くなったことも、この傾向に拍車をかけている。チクチク好きな女性の心をチクチク刺激しているようだ。今後、手芸店の動きがどうなるか、おもしろいので注目してみたい。

(はぎれの写真は手芸品のネット通販ザクシーの商品を使わせてもらいました)