佐野蕎麦は鯖江市の中心部にある越前手打ち蕎麦の蕎麦屋である。久しぶりに来店したが遠田の好み(ベジタリアン仕様)を覚えていてくれたのがうれしい。鰹節抜きの大根おろしのだしでいただいた。
佐野蕎麦の蕎麦は3種のテイストを選択できるようになっていた。1つは細挽きでこれまで通りの香り立つきめ細やかな越前蕎麦。2つめは粗挽きで玄蕎麦のテイストが際立つ味わいがある蕎麦、もう1つは両方の中間的な粗混ぜ田舎蕎麦だ。写真は3種で、手前から「細挽き」「粗混ぜ」「粗挽き(あばさけ蕎麦)」だ。これが佐野蕎麦の三種盛りの十割蕎麦である。
佐野蕎麦らしい3つの蕎麦のテイスト提案はすばらしい。個性的な粗挽きは「あばさけ蕎麦」というネーミングで一番人気だという。たしかに強く味わい深い個性的な味なので強烈な印象が残るうまい蕎麦だ。一品だけを頼むなら粗挽き蕎麦(あばさけ蕎麦)を食べてほしい。
しかし、2種以上を食べ比べるなら細挽き蕎麦も頼むといい。香りも味わいもすばらしいからだ。店主の佐野氏によると今年の丸岡産の蕎麦はできがいいらしく、とくに香りが際立って出色とのことだ。たしかに細挽き蕎麦の香りはずば抜けていい。細挽き蕎麦の香りとあばさけ蕎麦のあじわいを両方味わうことで佐野蕎麦の蕎麦に対する思いがわかる。そして最初の一口はぜひとも「だしなし」で食べてみるといい。塩で味わうもの佐野蕎麦の楽しみかたのひとつ。
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