農業アグリビジネスビジネスモデル研究

西辻一真氏が始めたマイファームは農産物を販売しないアグリビジネスモデルだ

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西辻一真氏地産地消ではなく自産自消をとなえるのが西辻一真氏(写真)の経営する株式会社マイファーム。自分で作った野菜を自分で食べたいという都市生活者のニーズをつかみビジネスにした。マイファームは貸し農園を運営しており、会員に月額5000円程度で約4坪の畑をレンタルする。
この「体験農園サービス」で都市部(東名阪)にビジネス展開し、すでに50以上の貸し農園があり、今年も20以上の貸し農園を新規オープンさせている。今年のマイファームの売上は約1.8億円に達しようとしている。

西辻一真氏が始めたマイファーム

貸し農園は、もともと耕作放棄地(耕作放棄地予備軍を含む)の農地だった。日本には耕作放棄地が約39万ヘクタールあり、さらに毎年増え続けている。この面積は全農地の約1割であり、埼玉県の面積とほぼ同じという広大な面積である。

日本の農業の担い手は、高齢者や跡継ぎがいない兼業農家が大多数である。農地を守るためにいやいやながら農業をやっており農業を辞めたいという人たちも多い。そのような耕作放棄地予備軍の農地所有者から貸し農園として土地を借り受け、対価を支払うということでビジネスのしくみを作ったのがマイファームの貸し農園なのである。

「耕作放棄地を減らしたい」という志で独立起業

マイファームの西辻氏

西辻氏は、日本の耕作放棄地をなんとかしたいという思いをビジネスとして具現化しようと思い立ち、マイファームを立ち上げた。農産物を販売しないビジネスモデルだが、日本の農地を守るすばらしい取り組みであり、これからのアグリビジネスモデルの参考例になる。

マイファームの西辻氏は福井県の生まれで、京都大学農学部出身である。京都大学には農業で有名な先生も多く西辻氏のバックボーンになっている。

西辻一真氏(左)と遠田幹雄(右)

※写真は西辻一真氏(左)と遠田幹雄(右)、福井の蕎麦店にて