東北関東大震災(東日本大震災)とその余震などで大津波の被害が甚大になっています。津波の被害は海に面しているところだけでなく、海から十数キロ陸地のところもありました。地形など条件も影響していますが、その場所の海抜(海面からの高さ)の影響も大きい。避難するさいは「近くの高台へ」といわれていますが、その高台の海抜は何メートルあるのか?また自宅の海抜は何メートルなのか?知らない方も多いのではないでしょうか。
事前にに調べておき避難場所を確認しておきましょう。陸地の海抜を調べる地図サービスを発見したので紹介します。
※この記事は東日本大震災の翌日に初公開しましたが、その後もタイムリーに追加修正しており2024年の能登半島地震以降でも有用な情報として活用できます。参考にしてください。
海抜を調べることができる地図サービス
この海抜を調べる地図サービスは「http://flood.firetree.net/」です。
英語版でグリニッジを中心に表示されていますが、googlemapと連動しており、緯度経度などの情報を入れると日本国内の地図でも調べることができます。
海抜7mがひとつの基準
海抜7mという数値は絶対的な安全基準ではありませんが、以下の理由から津波対策の一つの目安とされています。
津波被害の特徴と海抜の関係
浸水深による被害の段階
建物の被害は浸水深によって大きく変化し、浸水深2mで建物の構造被害が発生し始め、浸水深4mで建物の流出が始まる傾向があります。
安全性の目安
一般的な津波対策では以下のような区分がされています。
- 海抜10m以上:安全
- 海抜5m~10m:注意
- 海抜0m~5m:要注意
過去の津波被害からの知見
南海トラフ地震の想定
南海トラフ地震の場合、地域によって想定される津波高は大きく異なります。
- 高知県:34メートル
- 静岡県:33メートル
- 東京湾内部:3メートル
これらの情報から、海抜7mの場所なら甚大な津波被害を回避しやすいと言われています。
日本国内の主要地区で海抜7mエリアはどうなっているでしょうか。
まずは石川県の県庁周辺の金沢市内海抜地図を調べてみました。(上記の画像はこのURLのものです)
石川県金沢市の海抜7m地図
▼金沢市にある石川県庁周辺の海抜7m地図
この表示のまま、見たい地域や自分が住んでいる地域などに移動するだけで、日本中の海抜7メートルの地図を見ることができます。海の色は濃いブルーで、陸地でも海抜7メール以内だと水色になるのでわかりやすい。
驚くことに金沢市では国道8号線よりも海側のほとんどが海抜7m以下になっています。しかも津幡町から白山市までの広いエリアで8号線より海側のほとんどが海抜7m以内です。ただし、内灘町の主要エリアは丘陵のような高台になっており、海に近い割に津波に対して安全性が高いエリアになっています。
以下、東名阪(東京、名古屋、大阪)エリアの海抜7m地図を調べてみました。
東京付近の海抜7m地図
▼東京付近の海抜7メートルの地図
東京エリアは湾岸エリアがほぼ海抜7m以内です。とくに海抜が低いのは足立区あたりで、その奥のさいたま市や吉川市春日部市あたりまでが海抜7mエリアです。かなりの面積ですね。
愛知県名古屋市付近の海抜7m地図
▼名古屋付近の海抜7メートルの地図
名古屋市も主要エリアが海抜7m以下になっています。桑名市、一宮市、そして岐阜県の大垣あたりまでが海抜7mエリアです。ここも広い範囲が海抜7m以下ですね。
阪神地区の海抜7m地図
▼大阪神戸付近の海抜7メートルの地図
阪神エリアの海抜7mエリアは大阪の中心部がすっぽりと入っています。大阪市だけでなく寝屋川市枚方市あたりの陸地まで広がっています。兵庫県川でも西宮市神戸市あたりの主要エリアは海抜7m以内です。
こうしてみると人口の多い大都市のかなりの部分が海抜7m以内ということがわかります。
直接調べたい住所を入力する方法
東名阪以外でも、自分が住んでいる場所や勤務先など、住所さえわかれば海抜7mの地図を調べることが可能です。その方法は以下のとおりです。
URLの表示を工夫すれば、直接見たい場所へ移動することもできる。
http://flood.firetree.net/?ll=36.59513,136.62658&z=3&m=7
地図サービスのURL (↑その地区の緯度経度)
▼以下のURLで石川県金沢市近辺の海抜7メートルの地図を見ることができます。
海抜を調べる地図のURL解説
http://flood.firetree.net/?ll=
35.7145,139.8034 その地区の緯度経度(グーグルマップで別途に調べる)
&z=3 地図のサイズ(数字が小さいほど詳細地図)
&m=7 海抜の高さ(単位はメートル)
グーグルマップでその地点の緯度経度を調べる方法は、調べたい地図内の場所をカーソルの先端にあわせ、右クリックすると、左図のような説明画面が現れます。この一番下に「緯度経度マーカーを配置」をクリックすると、その地点の緯度と経度の数値が表示されます。
この地図サービスでは海抜の高さを変えて見ることができます。あらためて見ると、海抜数メートル程度のところに人口が密集していることがわかりますね。
海抜0m地域
ちなみに「海抜ゼロメートル地帯」とは、海岸付近で地表標高(海抜)が満潮時の平均海水面よりも低い土地のこと。
東京都23区の湾岸部や東部には海抜ゼロメートル地帯が広がっている。江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区などにわたって広がるこの地域には150万人もの人々が暮らしている。更に東に隣接した千葉県の浦安市や市川市行徳、船橋市にも同様の地域がある。(海抜ゼロメートル地帯についてはwikipedia.orgの情報を参考にしました)
地理院のWEB地図で海抜を調べることも可能
【2018年9月5日追記】
日本語でわかりやすい地理院のWEB地図で海抜を調べることが可能です。
上記地図をクリックすると該当記事に移動します。
ハザードマップポータルサイト
【2024年1月1日追記】
国が公開している「ハザードマップポータルサイト」がわかりやすいです。
洪水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちなどを地図や写真に自由に重ねて表示します。
上記のページで、調べたい住所を入力すると、その住所の地図と、その場所の海抜が表示されます。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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