金沢・金沢市

雪国とはどこをいうのだろうか?金沢など北陸の平野部は雪国といえるほど雪は降らないがイメージは「雪国」のよう

この記事は約5分で読めます。

金沢富山福井などの北陸は雪国か?雪国とはどの県を指すのだろう?
自分が住んでいる石川県、および富山県福井県などの北陸は「雪国」といえるほど雪が降らないように感じる。もちろんスキー場がある山間部などはたくさんの雪が降る。北陸には立山や白山など3000メートル級の山々があり雪深い地域があるのは確かだ。また、昭和の時代には平野部でも豪雪と呼ばれるくらい大雪が降ったこともたびたびあった。
しかし、石川県でも金沢あたりの平野部では日常的に大雪が降るわけでもなく、降っても融けるのも早い。除雪のタイミングも早いので道路上に雪が積もっている状態はそれほど長くない。平成に入ってから北陸の平野部は雪国といえるほどの雪は積もっていないように感じる。

気象庁のサイトには「雪国」という言葉がない

turarayukiguni.jpg

気象庁
https://www.jma.go.jp/jma/

気象庁のサイト内検索で調べても「雪国」という言葉はなかった。おそらく、雪国とは明確に定義された気象用語ではないのだろう。

雪国のイメージが特に強いのは北海道や青森県

石川県に住む住民として雪国のイメージが特に強いのは、北海道、青森県である。あとは、日本海側の東北である秋田県山形県あたり。

私にとっては、ざっくりと「新潟県以北」が雪国のイメージだ。

では、雪国とはどこのことをいうのだろう?

タイヤメーカーは冬用タイヤを購入するターゲットが雪国だ

冬用タイヤのスタッドレスタイヤを販売しているメーカーは、ターゲット商圏として雪国を明確に定義しているようである。

yukigunikuruma.jpg

複数のタイヤメーカーのサイトで調べてみたら、ブリジストンのサイトでは、「雪国とは北海道・東北6県・北陸4県・長野/鳥取/島根県です。」と言い切っている。

雪国とは北海道・東北6県・北陸4県・長野/鳥取/島根県

この定義なら、
雪国といわれる都道府県は、北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県、秋田県、山形県、新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県、鳥取県、島根県
ということになる。

しかし、この14道県が同様に雪国いえるかどうか?

東北でも太平洋側の宮城県や福島県は雪国といっていいのかどうか違和感があるし、日本海側でも兵庫県より西の鳥取県や島根県は雪国だといわれたら疑問が残る。これらの県では、山間部や一部の地域では大雪が降るのあるのだろうが、平野部ではさほどの降雪でもないように思われる。

雪国のイメージが強い新潟県でも、新潟市の市街地は海に近いこともありあまり雪は積もっていない。新潟市内在住の人から「新潟でも市街地と山間部では雪の量が違いすぎるので一緒にしないでほしい」と言われたことがある。

石川県の1月の雪
※石川県かほく市で雪が積もった畑の写真

逆に、雪国の定義から外れる県でも兵庫県、岡山県、広島県の山間部には雪が深いところもある。晴れの国のイメージが強い岡山県などは、鳥取県との県境あたりに複数のスキー場があるの雪深いエリアがあるのは間違いない。さらに、富士山がある山梨県や静岡県では富士山の頂上部は万年雪だから一年中雪がある雪国といってもいいということになりかねない。

雪国とは雪がたくさん降る地域をイメージする言葉であり明確な定義はない

同じ県内でも雪がたくさん降るところとそれほど降らないところがあり、県単位で雪国と定義するには無理があるのではないだろうか。

川端康成の小説にあるような「雪国」を思い描く人もいるだろうし、単に雪が多い地域と感じる人もいるだろう。人それぞれに自分の思い描く雪国があって、日本人が等しく感じるような共通イメージではないし、このように考えるならば別に人により多少違っていても問題はない。(ちなみに川端康成の雪国は新潟県湯沢あたりがモデル地域といわれている)

気象庁が雪国という言葉を使わない理由は、このあたりにあるのではないだろうか。

雪国とは「イメージ」であり、雪が降り積もっている日本の自然な風景のイメージを表す言葉が「雪国」なのだろう。

つまり、雪国とは、気象庁などの公的機関が使わないためバズワード(あいまいな定義の言葉)であり、「雪の多いエリア」というイメージを表す言葉である。

石川県と福井県の県境あたりの風景

国道157号(こくどう157ごう)は、石川県金沢市から福井県大野市を経由して、岐阜県岐阜市に至る一般国道。石川県と福井県の県境あたりは豪雪地域である。

yukigunihakusan640.jpg

道の駅瀬女(せな)あたりで撮影した真冬の風景。

yukigunijyosetsu640.jpg

石川県と福井県の県境あたりは白山のふもとあたりで標高が高いため豪雪エリアである。冬季は除雪車が走ることが多い。

雪国の定義についてのまとめ(生成AIによる解説)

「雪国」という言葉は、日本の文化や地理において重要な概念ですが、その定義は必ずしも明確ではありません。この考察では、雪国の定義、その特徴、そして変化する気候の中での雪国の未来について探ります。

雪国の定義

一般的な認識
雪国とは一般的に、冬季に多量の降雪がある地域を指します。しかし、この定義は主観的で、個人や地域によって異なる場合があります。
タイヤメーカーの定義
タイヤメーカーは、冬用タイヤの需要に基づいて雪国を定義しています。例えば、ブリジストンは北海道、東北6県、北陸4県、長野県、鳥取県、島根県を雪国としています。
気象学的定義
気象庁は特定の基準(例:年間の降雪日数や最深積雪)に基づいて豪雪地帯を定義していますが、これも雪国の一つの定義と考えられます。

雪国の特徴

気候
雪国の気候は、シベリアからの寒気が日本海を渡る際に水蒸気を取り込み、大量の雪をもたらすという特徴があります。北陸地方では「冬の雷」という独特の現象も見られます。
生活と文化
雪国の生活は雪と密接に関わっています。雪かき、冬タイヤの使用、雪室の利用など、雪に適応した生活様式が発達しています。また、雪を活用した祭りや観光も雪国文化の重要な一部です。
産業への影響
雪は観光業(スキー場など)にとって重要な資源である一方、農業や交通に影響を与えることもあります。

変化する雪国

気候変動の影響
近年、地球温暖化の影響で雪国の様相が変化しています。特に都市部では積雪量が減少し、「雪国」としてのアイデンティティに影響を与えています。
適応と課題
雪の減少は交通の利便性を高める一方、観光業や伝統的な雪国文化の維持に課題をもたらしています。雪国の地域は、これらの変化にどう適応していくかが今後の重要な課題となっています。

結論

「雪国」は単なる地理的な概念ではなく、気候、文化、生活様式を包含する複合的な概念です。気候変動によってその定義や特徴が変化しつつある中、雪国の人々は伝統を守りながらも新たな適応策を模索しています。雪国の未来は、この変化と適応のバランスにかかっているといえるでしょう。