物魂電才(ぶっこんでんさい)という言葉を初めて聞いたときはそれって何「????」と、頭の中に「はてな」が並びました。しかし、この言葉には含蓄があります。よくよく意味を考えてみるととても深い洞察と意義が感じられました。
物魂電才を提唱しているのは、シンニホン著者の安宅和人さんです。物魂電才とは「ものづくりの魂でDXすること」であり、これからの日本に求められる考え方だということです。
シン・ニホン 2023:安宅和人
日本の勝ち筋は「物魂電才」
ユーチューブの「PIVOT 公式チャンネル」に2023年7月23日に公開された【シン・ニホン 2023:安宅和人】という番組で、ゲストの安宅和人さんのトークがとてもよいです。
この動画ではいくつかのテーマがあり、生成AIで起きた3つの変化/AIを議論しすぎ/世界の2大課題は「地球との共存」と「人口減少」/日本の勝ち筋は「物魂電才」/米中は「電魂物才」/ロボットは日本が勝てる、などです。
とくに、日本の勝ち筋は「物魂電才」であるということを話しているシーンが最高です。
まだ視聴されていないようでしたらご覧になってみてはいかがでしょうか。
物魂電才 vs. 電魂物才
この動画では、「物魂電才 vs. 電魂物才」という比較をチャート図も使いながら説明されています。
安宅和人さんは、日本の強みを「物魂電才(ぶっこんでんさい)」と表現しています。これは、物理的なものや技術(物魂)を中心に、電子技術やAI(電才)を活用するという考え方を示しています。もともとは「和魂洋才(わこんようさい)」という言葉がありましたが、それを現代版に言い換えたもので言い得て妙ですね。
日本では、家電や自家用車など平成初期に世界を圧巻した時代のカテゴリが並んでいます。
一方、米中などの国々は「電魂物才(でんこんぶっさい)」というアプローチを取っていると述べています。これは、電子技術やAI(電魂)を中心に、物理的なものや技術(物才)を活用するという考え方です。
事例としてはAI自動運転の自動車である「テスラ」を挙げていました。テスラは「走るスマホ」と言われていますので概念的にもわかりやすいです。
- 電魂: テスラは、電気自動車 (EV) として知られるが、その核心技術は電子技術やソフトウェア技術にあります。車という物理的な製品を超えて、テスラの自動車は「走るコンピュータ」とも言われるほど、デジタル技術が組み込まれています。
- 物の才: テスラの車は、デザインや機能性、そして持続可能なエネルギーを利用するという物理的な特性を持っています。しかし、それだけでなく、ソフトウェアのアップデートによって新しい機能が追加されるなど、物理的な製品がデジタル技術と結びつくことで、その価値や機能性がさらに高まっています。
- 統合の力: テスラは、電気自動車の製造だけでなく、エネルギーの貯蔵や供給といった幅広い分野での活動を展開しています。これにより、車という物理的な製品だけでなく、エネルギーシステム全体としての新しい価値を生み出しています。
「電魂物才」の考え方は、デジタル技術を中心に、物理的なものの価値を最大限に引き出すアプローチを示しています。
テスラの事例を見ると、車という物理的な製品がデジタル技術と結びつくことで、その価値や機能性が大きく向上していることがわかります。これは、現代のテクノロジー企業が取るべきアプローチの一例として、非常に参考になります。
また、テスラ以外でもUberやAppleなども電魂物才のビジネスを展開していると言われています。
電魂物才ではなく物魂電才
安宅和人さんはご自身のブログでも「物魂電才」についての考え方を発表されています。(上記の表もこのブログ記事からの引用です)
このブログ記事の概要は以下のとおりです。
物魂電才とは?
物魂電才(ぶっこんでんさい)は、安宅和人さんが提唱する概念で、物理的なものやデジタルなものが持つ「魂」や「才能」を意味します。これは、物やデジタル技術が持つ独自の特性や価値を認識し、それを最大限に活用することを指します。
物魂電才の背景
物の魂: 日本の伝統的な文化や思想には、物に魂が宿るという考え方があります。例えば、道具や家具などの物には、長い時間をかけて使われることで魂が宿るとされています。
電の才: デジタル技術の進化により、物理的なものだけでなく、デジタルなものも独自の価値や特性を持つようになりました。これを「電の才」として捉え、デジタル技術の持つ可能性を最大限に引き出すことが求められています。
物魂電才の意義
物魂電才の考え方を取り入れることで、物やデジタル技術の持つ独自の価値を認識し、それを活用することができます。これにより、新しい価値の創出や、より良い製品・サービスの提供が可能となります。
物魂電才の活用例
安宅和人さんは、物魂電才の考え方をもとに、様々なプロジェクトや取り組みを進めています。例えば、伝統的な工芸品や文化をデジタル技術と組み合わせることで、新しい価値を生み出す取り組みなどが挙げられます。
物魂電才のブログ記事まとめ
物魂電才は、物やデジタル技術の持つ独自の価値を最大限に活用するための考え方です。この考え方を取り入れることで、新しい価値の創出や、より良い製品・サービスの提供が可能となります。
安宅和人さんは、この考え方をもとに、様々なプロジェクトや取り組みを進めています。
安宅和人さんは「物魂電才」を含む概念を各方面で発表しています
地方創生
“シン・ニホン”AI×データ時代における⽇本の再⽣と⼈材育成(安宅和人)
https://www.chisou.go.jp/sousei/meeting/chihoudaigaku_miryokujitsugen/pdf/r2-09-02-shiryo5.pdf
厚生労働省
これからの⼈材育成を考える(安宅和人)
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001133041.pdf
経済産業省
カーボンニュートラルかつレジリエントな豊かな地域の実現に向けて~地域の分散エネルギーの有効活用策~
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_bunsan/pdf/001_06_01.pdf
※この資料は安宅和人さんの発表ではありませんが「物魂電才」を引用していました
公的機関で公開されている安宅和人さんのPDF資料がかなりあります。その中でも「物魂電才」についての説明があるPDFだけでもこれだけありました。きっとこれから増えていくと思います。
これからのリスキリングに、安宅和人さんの資料は必須級ですね。
※物魂電才は「ぶっこんでんさい」と読みますが、「ぶっこんでください」と聞こえるときがあります。ご注意ください。(笑)
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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