10月に入り、新米の便りもあちこちから聞かれるようになりましたね。知人から、能登の農業者が作ったというコシヒカリの新米をおすそ分けしていただきました。
今年は夏が猛暑で暑すぎたこともあり、農業者によるとお米の品質には少し自信がないということでしたが、もちもちっとしてみずみずしくてとてもおいしいお米でした。
新米の季節
コシヒカリの新米をおいしくいただきました
今年の石川県のコシヒカリの作柄はほぼ前年並みだったそうです。
ですが、猛暑の影響を受けて二等米の評価が多かった、という農業者の声をあちこちから聞いています。
実際のところはわかりませんが、このお米はとてもおいしくいただきました。
縁故米とは
この知人は親戚の農家からお米を購入しているそうです。この農家は一般的な小売をしていないということですのでこのお米は「縁故米」にあたるかもしれません。
「縁故米」というと無償のイメージを持つ人もいるようですが、この知人はちゃんとした価格で購入しているそうです。玄米で保存し、適時コイン精米機などで精米して白ごはんにしているとのこと。
一般的に「縁故米」とは、農家が親戚や知り合いに渡すお米のことです。有償で配る場合もありますが、一般的には無償で配られることのほうが多いようです。
縁故米の流通量は意外に多く、公益社団法人米穀安定供給確保支援機構の調査によると、2020年の日本の年間お米の消費量の約20%は縁故米だったそうです。この量はお米屋さんが販売しているお米の量よりもはるかに多いそうです。
なお、農林水産省が毎年実施している「米穀に関する消費者調査」によると、令和元年産の縁故米の流通量は、年間約50万~70万トンと推計されています。これは、同年産の総需要量(約670万トン)の約1割に相当します。
縁故米の詳しい数値はちょっとわかりませんが、今でも総需要量の1割程度はあるということなんでしょうね。
縁故米には課題も多い
縁故米には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
- 親戚や知り合いへの感謝の気持ちや親睦を深められる
- 農家にとっては、お米の販路拡大や収入増につながる可能性がある
デメリット
- 流通量が増加すると、市場価格が下落する可能性がある
- 品質の低下や不良米の混入などの問題が発生する可能性がある
近年、縁故米による流通量の増加が懸念されています。これは、農家の高齢化や後継者不足などの影響で、農家が自らの収穫したお米を市場に出荷できなくなってきているためです。縁故米による流通量の増加は、市場価格の下落や品質の低下などの問題を引き起こす可能性があります。
「担い手不足」と言われて久しいです。お米を生産する農業者が減少しているなかで、現存の兼業農家などでは縁故米として消費する量がまだ全体の1割程度もあるというのはちょっと驚きました。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
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