関橋英作氏のマーケティングセミナが金沢のアイ・オー・データ機器建物内で行われた。関橋英作氏は「マーケティングはつまらない?」などの著者としても有名なマーケッターで、キットカットやハーゲンダッツのマーケティングの成功例でも知られている。
今回のセミナタイトルは【情報価値で再生したキットカット「そのとき、受験生のココロが動いた!」「ブランド再生請負人」関橋英作氏によるマーケティングセミナ】で、アイ・オー・データ機器のご厚意で地元の方に公開された無料セミナだった。参加者は約100名。
関橋英作氏のマーケティングセミナ
会場は金沢のアイ・オー・データ機器建物
マーケティング3.0は情緒的価値に重きを持った
セミナの序盤では、マーケティングの変遷についての説明があった。
マーケティング1.0は、商品があることを知らせて買ってもらうこと。
マーケティング2.0は、消費者が望むものを提供して買ってもらうこと。
マーケティング3.0は、消費者に企業・ブランドの社会的意義を示すことで好意を持ってもらい購買につなげること。
今や、マーケティングの技術がブランド構築の技術に変わっていっていることをわかりやすく示してくれた。
以前のキットカットは誰もが知っているけれど無関心なブランドだった
さて、事例で「キットカット」の説明に入った。
当時のキットカットには大きな問題点があった。お母さんがスーパーで買ってくる袋入りでしか買わないウエハースチョコになってしまっており、自分で主体的に選択して買う商品ではなくなっていたことだ。誰もが知っているが無関心なブランドがそのころの「キットカット」だった。
新しいブランド価値を創りあげるための破壊と創造
この問題解決のためにはマス広告に頼らず、新しいブランド価値を創りあげるしかない。
何度もブレストを行ない、破壊と創造のプロセスを経て、新しい価値を探した。機能的な価値を訴求するのではなく、情緒的な価値を訴求するというようにスタンスを変えた。
たどりついたのは、「広告から個告へ」という概念。
キットカット側(企業から)ではなく、社会(それも消費者の一人ひとり)からの発信という、これまでのマスコミュニケーションとは全く違うコミュニケーションの方法だった。
キットカットはきっと勝つ
きっかけは福岡の出来事だった。博多弁で「きっと、勝っと」のダジャレで「キットカット」が少し売れているという。この小さな情報を見逃さなかった。
「キットカットはきっと勝つ」というのは、受験生や受験生の家族の祈りを代弁する情緒的価値がある。
受験生が受験のために上京してきたさいにキットカットをプレゼントしたり、東大前の本郷商店街でセンター試験当日の受験生を応援する垂れ幕やイベントをしたり、全国の受験生を応援するサクラバスを走らせたり、サクラサクタクシーなどという取り組みを行った。
そして、キットカットは受験生ご用達のチョコレートになった。
自分たちでは言わない
実は、キットカット側では「キットカットはきっと勝つ」というメッセージそのものは発信していない。そのような情緒的な意味は発信しているが、その言葉そのものを発信しているのは学生だったり、塾の先生だったり、小売店だったり、JRや鉄道会社だったりと、「社会から」である。
キットカットにはさまざまな商品バリエーションがあるが、どの商品にもメッセージを記入する欄が用意されている。「応援したい」という気持ちを載せられる商品なのだ。
いまや、お菓子総選挙でも堂々のNO1になったキットカットは、もっともソーシャルなチョコレートになった。
遠田のセミナメモ(マインドマップ)
当日の関橋英作氏のセミナ内容をメモした遠田のマインドマネージャのマインドマップは以下の通り。(興味ある方はPDFでダウンロードください)
【情報価値で再生したキットカット「そのとき、受験生のココロが動いた!」「ブランド再生請負人」関橋英作氏によるマーケティングセミナ】をダウンロードできます。
セミナ主催企業のホスピタリティに感心した
なお、このセミナでは、セミナを主催したアイ・オー・データ機器の社員や関係スタッフがホスピタリティあふれる姿がとても好印象だった。
駐車場の誘導からとても親切でキビキビと車を誘導してくれて、玄関先~エレベータ~受付までの流れもとてもスムーズ。これまで受けたどのセミナよりもすばらしいと感じた。
会場ではwifiも提供されており、PCやスマフォ充電など電源の利用もOK。セミナを受講するために席についた時にすでにかなり満足。企業としてのおもてなしのココロが現れていた。セミナを実施するときの姿勢を学ばせていただいた点でもすごく価値あるセミナだった。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
会社概要およびプロフィールは株式会社ドモドモコーポレーションの会社案内にて紹介していますので興味ある方はご覧ください。
お問い合わせは電話ではなくお問い合わせフォームからメールにておねがいします。新規の電話番号からの電話は受信しないことにしていますのでご了承ください。
【反応していただけると喜びます(笑)】
記事内容が役にたったとか共感したとかで、なにか反応をしたいという場合はTwitterやフェイスブックなどのSNSで反応いただけるとうれしいです。
遠田幹雄が利用しているSNSは以下のとおりです。
facebook https://www.facebook.com/tohdamikio
ツイッター https://twitter.com/tohdamikio
LINE https://lin.ee/igN7saM
チャットワーク https://www.chatwork.com/tohda
また、投げ銭システムも用意しましたのでお気持ちがあればクレジット決済などでもお支払いいただけます。
※投げ銭はデジタルコンテンツ購入という通販のしくみにしました。
※投げ銭は100円からOKです。シャレですので笑ってください(笑)