送信メールの信頼性を高めるためのしくみとして、SPF、DKIM、DMARCという3点セットの認証があります。Googleは2024年2月からこの3点セットのメール認証を強化しています。その肝となるのがDKIM認証です。最近の受信メールを見るとDKIM認証がかなり一般的になってきたようです。
ところで、Gmailを使って独自ドメインメールを設定している場合のDKIM認証のための著名ドメインにいくつかの種類があることがわかりましたので紹介しておきます。
Gmailから送信するさいのDKIM署名ドメインについて
GoogleWorkspaceを使っている場合は「gappssmtp.com」
上記のメールは、送信元ドメインは独自ドメインですが、GoogleのWorkspace(ワークスペース)という有料のクラウドサービスを利用しています。
DKIMの欄でPASSと表示されているドメイン名は「gappssmtp.com」です。
無料のGmailを使っている場合は「独自ドメイン名」
上記のメールは、送信ドメインは独自ドメインですが、無料のGmailサービスを利用しています。具体的には遠田が個人的に利用している「tohda.jp」という独自ドメインを使って、Gmailあてに送信したものです。
DKIMの欄でPASSと表示されているドメイン名は「tohda.jp」です。
有料のWorkspaceと無料のGmailの違い
Google Workspace(以前のG Suite)は、主にビジネス向けに設計された一連のクラウドベースの生産性とコラボレーションツールを提供する有料サービスです。
これにはGmail、ドキュメント、ドライブ、カレンダー、Meetなどのアプリケーションが含まれていますが、これらは組織の独自ドメイン名(例:@yourcompany.com)を使用してカスタマイズされたメールアドレスや他のサービスを利用することができます。
無料のGmailとの主な違いは、カスタマイズ可能なメールアドレス、追加のストレージ容量、ビジネス向けのセキュリティ機能、管理機能、サポートオプションなど、ビジネスや教育機関での使用に適した機能が含まれている点です。また、Google Workspaceは組織内でのファイル共有やアクセス管理、データ保護ポリシーの設定など、チームワークやデータセキュリティを強化するための高度な機能を提供します。
無料のGmailアカウントも非常に強力で、個人ユーザー向けにメール、カレンダー、ドキュメント編集などの基本的な機能を提供しますが、ビジネスレベルでのカスタマイズや管理機能は限られています。Google Workspaceは、これらのニーズに対応するためのソリューションとして提供されています。
有料と無料ではGmailのDKIM認証の仕組みが違います
Workspaceを使い送信されたメールのヘッダ解析をしてみました。ヘッダ情報は、受信したGmailの画面で3点リーダーをクリックしプルダウンされるメニューから「メッセージのソースを表示する」を更にクリックすると表示されます。
上記のような情報が表示されました。この内容をテキストでコピペして、ChatGPTで解析をしてみました。
Received: from mail-***-****.google.com
の行は、このメールがGoogleのサーバー(この場合はmail-***-****.google.com
)から送信されたことを示しています。そして、gappssmtp.com
はGoogleが提供するSMTPサービスのドメインの一つであり、これらの情報から、送信者はGoogle関連のサービスを利用してメールを送信していると結論付けることができます。
つまりWorkspaceでは「gappssmtp.com」という著名ドメインを使ってDKIM認証をしているということですね。
Workspaceを使うと簡単にメールのDKIM認証ができます
このことは、利用している独自ドメインがDKIM認証できないサーバーで管理していても、有料のWorkspaceを使えばDKIM認証できるということです。
Workspaceを使うと簡単にメールのDKIM認証ができるというのは便利ですね。
無料のGmailだとDKIM認証が利用ドメインのサーバーに依存します
一方で、無料のGmailでは独自ドメインでDKIM認証をしています。この場合は、独自ドメインを利用しているサーバー自体にDKIM認証のしくみがないと実現できません。また独自ドメインをGmailで使うための設定はかなりややこしいです。
それなりにITリテラシーがないと設定や運用ができないかもしれません。
このあたりが同じGmailのように見えても、有料版のWorkspaceと無料で使うGmailの大きな違いです。
メールをどう使うかによりますが、ITリテラシーがあまり高くない組織の場合は有料のWorkspaceを使うメリットが大きくなりそうだなと思います。これからも通信環境のセキュリティはより強化されていく方向でしょうし、Workspaceを利用するという選択肢は増えていくでしょうね。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
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