越前蕎麦には辛味大根のおろし汁をベースに醤油を加えたカツオ抜きの出汁を基本メニューにしている蕎麦屋がいくつもある。いわゆる「しぼり系」のダシである。福井県の三国町とあわら市に新保屋という同じ名前の蕎麦屋があり、いずれも「しぼり系」のダシで福井県産の蕎麦粉を使った手打ち蕎麦だ。聞くとこの2軒の蕎麦屋の経営者は兄妹だそうで、兄が三国町の新保屋、妹があわら市の新保屋と、それぞれ別経営になっている。同じ屋号なので同じ蕎麦粉を使っているそうだが、打ち手が違うと蕎麦の麺の様子もかなり違うものだ。
三国町の新保屋の蕎麦は越前蕎麦としては細目に切った細打ちの蕎麦といえるかもしれない。越前蕎麦は太めに仕上げる蕎麦屋が多いので少し細目に感じるが、信州の蕎麦よりは若干太めかもしれない。本来は蕎麦に鰹節がかかっているが、ベジタリアンの遠田はリクエストして鰹節抜きにしてもらった。
福井県産の蕎麦粉を使っているようで、さすがいい香りで味わいもすごくよい。三国の新保屋は辛み蕎麦として有名だが、今日はそれほど辛くなかった。季節によって辛さも変わる。「大根おろしの辛さをアップしてオーダー」する辛いのが好きな常連さんも多いということだ。代々続いている老舗の蕎麦屋であり、現在は3代めの経営者になっている。
▼三国町の新保屋
辛み蕎麦 新保屋
福井県坂井市三国町山王2-9-39
0776-81-2563
営業時間 11:30~18:00
定休日 毎週月曜日・第3日曜日
あわら市の新保屋の蕎麦はどちらかというと太打ちの越前蕎麦。切り方の不揃い加減が逆に手打ちらしくていい感じである。鰹節を抜いてもらうのを忘れたため鰹節がかかっている。箸で鰹節を抜いてからいただいた。あわら市の女主人は以前、金沢市の金沢駅近くに出店していたこともあったそうだが、今は当店に腰をおちつけている。
▼あわら市の新保屋
生そば 新保屋 (きそば しんぼや)
福井県あわら市二面16-1-27
0776-78-5822
営業時間 11:00~18:00
定休日 水曜日
ふたつの店は定休日が違うので、どちらかの店はランチタイム営業をしているというのもありがたい。時間があれば食べ比べてみるのもおすすめだ。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
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