木村秋則さんといえば「奇跡のリンゴ」という映画の主人公である。現在上映中の映画の主人公が存命で、ここにいるというのはまさに奇跡的なことだ。ちなみに明治以来、存命の人が主人公で映画化されたことはないそうだ。
おそらく木村秋則さんは将来も数百年にわたり語り続けられ、教科書など多数の書物にも名前が載る歴史上の人物だろう。その木村秋則さんの講演会が7月21日(日)、福井県越前市で開催された。1200名収容の会場はまたたく間に満席となった。※写真は講演会場内で販売されていた「バカになればいい」という木村秋則さんの著書。1500円で購入した。
木村秋則さんは「自然栽培」の道を極めた
木村秋則さんの功績は「自然栽培」の道を切り開らき「ビジネス」としての礎を築いたことである。
これまでも学問としての「自然栽培」はあり、実験的な農場で成果も多数あがっていた。1985年に出版された福岡正信さんの「自然農法」を20年ほど前に読んだ衝撃は今でも忘れない。遠田が一生活者として食料と農業を考えるようになったなったきっかけになった書籍である。1999年からマメジンという大豆を作る活動を始めたことも大いに関係がある。マメジンは有機無農薬で大豆を作り、農業と食糧問題を生活者レベルから発信しているグループで活動は14年めである。
他にも多数の農業者や学者が「無農薬」や「有機農業」に取り組んでおり、多くの失敗と成功を重ねており、このころは試行錯誤的な実験的農業としての「自然栽培」が行われてきたのではないかと感じる。チャレンジしてきた多数の農業者には本当に頭が下がるし、感謝している。
では、これまでの自然栽培的な農業と木村さんの自然栽培は何が違うか…。
木村秋則さんの「自然栽培」は「ビジネス」である
木村秋則さんの「自然栽培」は「ビジネス」であると感じる。木村秋則さんは農業者であり科学者であり経営者であり、産業にイノベーションを起こした革命者だ。
そしてもっとも大きな功績は「食べられる農業経営」という視点である。木村式自然栽培は「正しい作物」を生産する。安心で安全な作物である。それだけでない。農業経営として重要な「ローコスト運営」を実践しているのがいい。
持続可能な農業経営の技術としての「自然栽培」なのである。自然栽培はTPP問題とも戦えるだけの知恵と勇気をもたらしてくれる光明である。
木村秋則さんの「自然栽培」には「愛と知恵」がある
山やジャングルの中で生物が自然に育つ。その自然のチカラを利用して、作物の生きるチカラを伸ばしてあげる。人はその手伝いをするだけ。
要約するとこのような考え方が木村式だろう。
ただし、放置するのではない。注意深く観察し、作物が困っていたら手を貸してあげる。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
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