ChatGPT-4oにはユーザー独自の特徴を記憶することで回答をより最適化するしくみがあります。その機能が「記憶(メモリ)」です。メモリには、ユーザーがChatGPT-4oとやりとりした対話のうち重要と判断した内容についてメモリに記憶します。このメモリが蓄積されていくことでユーザーのクセを学習してよりよい回答を出しやすくするんですね。
逆にメモリされたくないことや、矛盾することをメモリされてしまうと、回答の品質が下がる可能性があります。このように「メモリ」はChatGPT-4oにとってはとても重要な機能ですので、理解したうえで調整しましょう。
ChatGPT-4oはメモリを使うことでますます賢くなります
ChatGPTには複数のモデルがあります
ChatGPTの有料版(ChatGPT-PLUS)を契約している場合はモデルを選択することができます。現在は「GPT-4o」「GPT-4」「GPT-3.5」そして「一時チャット」という4つの選択肢があります。
有料版の利用者は「GPT-4o」を利用することが多いと思います。
「GPT-4o」は2024年5月から利用できるようになったモデルです。
さて「一時チャット」についてはどういう意味があるでしょうか?
ChatGPTの一時チャットはメモリに記憶しない
モデルで「一時チャット」を選択すると、そのチャットではメモリに記憶しないという設定になります。
一時チャットでは以下のようなメッセージが表示されます。
このチャットが履歴に残ったり、メモリを使用または作成したり、モデルの学習に使用されたりすることはありません。
一時チャットでは「メモリに記憶しない」とか「学習しない」というような意味があります。まるで、ブラウザのシークレット・ウインドウのようなイメージですね。
実はこれには深い理由がありました。これからのChatGPTはメモリ管理がとっても重要になるからです。
ChatGPTのメモリはユーザー(あなた)の特徴を記憶
メモリについてもっと調べてみましょう。ChatGPT-4oの設定には「パーソナライズ」という項目があり、そのなかに「メモリ」という設定ができます。
以下はChatGPT4oでメモリについて調べた回答です。
ChatGPT4oの「メモリ(Memory)」機能の活用法について、わかり易く解説してください
ChatGPT4oの「メモリ(Memory)」機能は、ユーザーとのやり取りをよりパーソナライズされたものにするための機能です。この機能を使うことで、以前の会話内容やユーザーの興味・関心に基づいた応答が可能になります。
メモリ機能の概要
- 会話の記憶:
- メモリ機能は、以前の会話内容を記憶します。これにより、ユーザーが過去にどんな質問をしたか、どんな情報を提供したかを覚えておき、関連する情報を提供することができます。
- 個別のニーズに応じた応答:
- ユーザーの興味や関心、プロジェクトの詳細などを覚えることで、個別のニーズに応じた応答が可能になります。
活用例
- 継続的なプロジェクトのサポート:
- ユーザーが特定のプロジェクトについて何度も質問する場合、メモリ機能を使えば、前回の進捗状況や指示内容を覚えており、一貫したサポートが可能です。
- 例:「前回のマーケティング企画書の続きですが、次に考えるべきポイントは何ですか?」と質問すれば、前回の内容を踏まえたアドバイスが得られます。
- 個別の好みや趣味に合わせた情報提供:
- ユーザーが特定の趣味や関心事を持っている場合、その情報を覚えておき、関連する話題を提供します。
- 例:ユーザーが「日本酒」に興味があることを記憶していれば、「新しい日本酒の情報が入ったので、紹介します」といった情報提供が可能です。
- 長期的な学習サポート:
- ユーザーが特定のスキルや知識を学びたい場合、学習の進捗を記憶し、次に学ぶべき内容や復習が必要なポイントを提案します。
- 例:「Pythonのプログラミングを学び始めました」と言えば、学習の進捗を踏まえたサポートが受けられます。
メモリ機能の管理
- メモリの確認と更新:
- ユーザーはいつでもメモリに記憶されている内容を確認したり、更新したりすることができます。これにより、最新の情報に基づいた応答を受けることが可能です。
- プライバシーの管理:
- ユーザーは必要に応じて特定の情報を削除することもできます。プライバシーを重視しながら、便利な情報を活用できます。
では、メモリに間違った内容が記憶されたり矛盾するような記憶が追加されたりなど、メモリが増えれば増えるほど便利さが増加することと同時に不具合も発生する可能性が増えることが想定できますね。
だとしたら、たまったメモリの管理はどのようにすればいいですか?
メモリに記憶された情報の管理は重要です。誤った情報や矛盾する情報が記憶された場合、それを修正・削除することで、ChatGPTの応答の精度を維持できます。以下に、メモリ管理の具体的な方法を説明します。
メモリの管理方法
- メモリの確認:
- 記憶されている情報を確認するには、「現在記憶されている情報を教えて」といったプロンプトを使用します。これにより、現在のメモリ内容を確認できます。
- メモリの更新:
- 新しい情報を追加したり、既存の情報を更新する場合、再度「to=bio」を使って更新内容を指定します。
- 例:
to=bio ユーザーはPythonプログラミングを学んでいるが、最近はJavaScriptにも興味を持っています。
- 誤った情報の削除:
- 誤った情報や不要な情報を削除するには、「to=bio」と「削除したい情報の内容」を使用して、削除の指示をします。
- 例:
to=bio ユーザーがPythonプログラミングを学んでいるという情報を削除してください。
- 矛盾の解消:
- 矛盾する情報が記憶された場合、具体的な指示を出して修正します。
- 例:
to=bio ユーザーは福井県に住んでいるが、最近東京都に引っ越しました。古い住所の情報を削除してください。
- 定期的なメモリの見直し:
- 定期的にメモリ内容を見直し、不要な情報を削除したり、必要な情報を最新に保つようにします。
- 例:月に一度などの頻度で、「現在のメモリ内容を確認し、不要な情報を削除する」といった手順を踏むと良いです。
メモリ管理の例
- 情報の確認:
plaintext
現在記憶されている情報を教えてください。
- 情報の追加:
plaintext
to=bio ユーザーは最近PythonからJavaScriptの学習に移行しました。
- 情報の削除:
plaintext
to=bio ユーザーがPythonプログラミングを学んでいるという情報を削除してください。
- 矛盾の解消:
plaintext
to=bio ユーザーの住居情報を更新します。ユーザーは現在、東京都に住んでいます。
メモリの管理を適切に行うことで、ChatGPTはより正確でパーソナライズされた応答を提供できるようになります。定期的な見直しと更新を心がけて、便利に活用してください。
では、現在のメモリ内容を表示してください。
普通に使っているだけで、すでに13個のメモリがありました。この内容をみると、いろんなケースで利用しているため多様です。このまま記録を残しておくのは適切ではないと判断しました。
そこでメモリを削除する方法について問合せしました。
現在13のメモリがあるようですが、確認したところこれらは一時的なメモリにしたほうがよいものばかりなので、一度すべて削除してください。
すると以下のような表示がされました。
これでメモリに残っていた13個の設定情報は削除されました。
メモリ管理は大事ですね。
利用するたびにメモリは更新されます
実際に普通にChatGPTを利用しているだけで頻繁に「メモリを更新しました」という表示がされていました。このようなメモリ更新はChatGPTが自動的に判断して記憶するかどうかを決めているようです。
メモリ更新は、本当にメモリに残したほうがいい場合と、残さないほうがいい場合もあります。また、必ずメモリしてほしいようなときに残してくれなかったりすることもあります。
これからはChatGPTのメモリ運用がますます重要になりますね。
プロンプトの先頭に、「to=bio」とつけると記憶(メモリ)します
積極的にメモリさせたい場合は「to=bio」を使う
このメモリ機能は積極的に使ったほうが自分に適した回答が得られやすくなります。そこで、これから対話する内容はメモリに必ず残したいというような場合にはプロンプトに「to=bio」をつけるとよいです。
確認してみました。
プロンプトの先頭に、「to=bio」とつけると記憶(メモリ)するというような仕様があると聞きましたが?
はい、その通りです。ChatGPTの「メモリ(Memory)」機能を活用するためには、プロンプトの先頭に「to=bio」とつけることで、記憶させたい情報を保存できます。この方法を使うと、ユーザーの情報や特定の指示をメモリに保存し、今後のやり取りに役立てることができます。
具体的な使用方法
- 記憶させたい情報の保存:
- プロンプトの先頭に「to=bio」をつけ、その後に記憶させたい情報を続けて書きます。
- 例:
to=bio ユーザーはPythonプログラミングを学んでいます。
- このように記載すると、ユーザーがPythonプログラミングを学んでいることを記憶します。
- 過去の情報を活用した応答:
- 記憶された情報は、将来の会話において自動的に考慮されます。例えば、以前にPythonプログラミングについて質問した場合、関連するアドバイスやサポートが提供されます。
- 記憶された情報の確認と更新:
- 必要に応じて、メモリに記憶された情報を確認したり、新しい情報を追加したり、不要な情報を削除したりすることができます。
使用例
- ユーザー情報の記憶:
plaintext
to=bio ユーザーは石川県金沢市に住んでいます。
- 興味や関心の記憶:
plaintext
to=bio ユーザーはアンティーク家具の市場動向について関心があります。
- 特定のプロジェクトの記憶:
plaintext
to=bio ユーザーはオウンドメディアを作成して新規集客を目指しています。
このように「to=bio」を使うことで、ユーザーにとって便利な情報を記憶し、今後の対話をよりスムーズかつ有益にすることができます。ぜひ活用してみてください。
「to=bio」という文字を打つのが面倒なので、かな漢字変換で「めもり」で単語登録しておきました。今後活用したいと思います。
ChatGPTのチャット記録は定期的にバックアップしましょう
チャット記録は定期的にダウンロード
ChatGPTは進化が早いですね。そしてなによりも、自分がこれまでやりとりしてきたチャット記録は大事です。今のところ、これまでのチャット記録は残っていますが、必ずしもこの記録がずっと残るとは保証されていないようです。
やはり定期的にダウンロードしておいたほうがいいですね。以下にデータをエクスポートしてダウンロードする方法を残しておきます。
ChatGPT-4でチャット履歴をエクスポートする手順
ChatGPT-4のデータエクスポート機能を使用してチャット履歴をダウンロードする手順を以下に示します。これらの手順はOpenAIの公式サイトで提供される情報に基づいていますが、プラットフォームの更新により変更される場合がありますので、公式サイトの最新情報も併せてご確認ください。
- ログイン:
- ChatGPTにアクセスし、アカウントにログインします。
- アカウント設定にアクセス:
- 画面右上のプロフィールアイコンをクリックしてメニューを開き、「設定」または「アカウント設定」を選択します。
- データ管理:
- 設定メニューの中から「データ管理」または「データとプライバシー」のセクションを探します。
- エクスポート機能を選択:
- 「データエクスポート」オプションを選択します。このオプションは、あなたのチャット履歴や他の関連データをエクスポートするためのものです。
- エクスポートリクエストの送信:
- データエクスポートのページで、「エクスポートリクエスト」を送信します。このプロセスには少し時間がかかる場合があります。
- 確認メールの受信:
- リクエストが完了すると、エクスポートされたデータをダウンロードするためのリンクが記載された確認メールが届きます。このメールを確認してください。
- データのダウンロード:
- メール内のリンクをクリックし、指示に従ってデータをダウンロードします。通常、データは圧縮ファイル(ZIP形式)で提供されます。
- データの解凍:
- ダウンロードしたZIPファイルを解凍します。これにより、チャット履歴やその他のデータが含まれたファイルが利用可能になります。
以上の手順で、ChatGPT-4のチャット履歴をエクスポートしてダウンロードすることができます。何か問題が発生したり、追加のサポートが必要な場合は、OpenAIのサポートチームに問い合わせてください。
実際にメールで送られてきた画面からダウンロードすることができました。
ファイル形式は圧縮されています。中身を見たいときは解凍して適当なフォルダに展開します。
そのフォルダ内に「chat.html」というファイルがありますので、ブラウザで開くと内容を見ることができます。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
会社概要およびプロフィールは株式会社ドモドモコーポレーションの会社案内にて紹介していますので興味ある方はご覧ください。
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