ひみ番屋街は氷見市の海に面した「氷見漁港場外市場」、道の駅でもある。ブリや氷見牛など食に関してブランド力ある氷見の食べ物が集結した商業施設で、32の専門店・飲食店が軒を並べている。番屋とは漁師の作業小屋で、木造のウッディな雰囲気は商業施設としてもイメージがいい。平成24年10月にオープンしてまだ一年経っていないが、すでに100万人以上の来場者を達成している。七尾市のフィッシャマンズワーフの年間入場者が約100万人なので、来場人数ではひみ番屋街が上回っていることになる。この人気のひみ番屋街に行ってみた。
ひみ番屋街に行ったのは8月31日(土)の午後3時ころ。8月最後の日、夏休み最後の土曜日ということで家族連れも多かった。「氷見漁港場外市場」という食の施設なので、集客のピークは午前から昼前後で、午後3時をすぎると客足はぐっと減少するらしい。しかし、午後3時をすぎても大駐車場はかなりの混雑ぶりで人もかなり多い。
ひみ番屋街のフードコートは午後3持をすぎても多数のお客さんでにぎわっていた。
ひみ番屋街は32の専門店・飲食店が分棟方式で複数の建物に分かれている。一棟の中に数軒ずつの店舗が並んでおり、それぞれの建物に個性をもたせている。
ひみ番屋街はロケーションがいい。海が見える立地、天気のよい日は海越しに立山連峰が見える。小さいながらも公園もあり、屋外にベンチや椅子が置いてあるのでちょっとした休憩もできる。小高い丘の上には無料の足湯があり、だれでも自由に使うことができる。定置網見学ができる観光遊覧船もあり、敷地隣には温泉施設もある。ゆうに半日から一日、ゆったりと楽しめる場所になっている。
▼ひみ番屋街の横にある公園から360度見渡した動画
ひみ番屋街から海を見ると立山連峰が見える日がある。
天気のいい日は立山連峰を海越しに見ることができる。あいにくこの日は曇り空で立山を見ることはできなかった。展望台の看板を見ると、どのような見え方になるのかわかるのがいい。
ひみ坊主くんというキャラクターの像が小高い丘の上にあった。
このひみぼうずくんは、藤子不二雄にゆかりがあるようだ。藤子不二雄はドラえもんや忍者ハットリくんなどの作品で有名な二人の漫画家ユニット。二人とも富山県出身で、藤子不二雄Aを名乗る安孫子氏は氷見市の出身とご当地である。
氷見が新規で大きな商業集積を作った理由
この「ひみ番屋街」は好調な滑り出しで、初年度の成績を見ると大成功といえるだろう。
しかし、この計画を検討していたのはリーマン・ショック後の消費経済の爪痕が残っている2010年ころである。第三セクターによる大型商業施設が次々に破綻し、その後処理にあちこちで苦労している最中に、このような大型案件の企画が立ち上がったのはなぜなのか?
この背景にはいくつかの理由が推測できる。
・氷見ブランドの強さをもっと生かしたいという地元の要望
・氷見の地域経済の危機感や閉塞感からの脱却
・能越道開通で氷見が通過地域になってしまう懸念(和倉温泉に宿泊客が行ってしまう)
・北陸新幹線開業の2015年を間近に控えた対策として
・氷見の地元経済に活力があった
「ひみ番屋街」を運営する会社には6.5億円もの出資金が集まった。そのうち半分以上は地元氷見市の民間からの資金らしく、その底力には感心する。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
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