AI検索はRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を活用し、ユーザーの質問に対して包括的な回答を提供してくれます。WEB検索だとWEBサイト情報の一覧を提供するだけですが、AI検索は生成AIを活用して検索結果の内容を要約したり網羅的にしたりし、ユーザーの期待に応えるような適切な回答をするのが特徴です。
Googleもいよいよ本腰を上げてきたようで「AI検索」がこれから本格的になっていくような気配です。
AI検索も複数のサービスがでてきました
ChatGPTはSearchGPT(サーチジーピーティ)
先月、ChatGPTを展開しているOpenAIから「SearchGPT」を開始するという発表がありました。まだ正式なサービス開始にはなっていませんが、ウェイトリストに登録しておけば、いち早く利用可能になるようです。
ChatGPTユーザーはウェイトリストに登録しておきましょう。「SearchGPT」は、WEB検索が便利で快適になること間違いなしです。
Perplexity(パープレキシティ)
Perplexityはすでに使い始めているユーザーが増加しています。ソフトバンクがソフトバンク系(ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMO)のユーザーに対してPerplexityPro(有料版)を開放したからです。
私も7月から新規にLINEMOを契約することでPerplexityProを使い始めました。それまでは無料版のPerplexityを使っていましたが、PerplexityProは無料版よりも遥かに高性能なのでとっても便利です。スマホアプリもあり、データが共有できるのも特徴で、もはや手放せません。
私がGoogle検索を使わなくなったのはPerplexityのせいです(笑)
新規でPerplexityProを使うなら
本格的ににPerplexityを使いたいのなら以下のリンクから始めましょう。
このリンクからProを申し込みすると、申込みした人は月額20ドルのうちの10ドルが割引になります。また、契約を継続する限り毎月10ドル割引になります。Perplexityにはクーポンコードが発行されるので詳細を知りたい方は元のリンクをご覧になってみてください。(クーポンコードのページは英語のみですので翻訳して確認してください)
GenSpark(ゲンスパーク)
最近になって利用開始したのがGenSparkです。まだWEB版だけで、スマホ版はありませんが、後発だけあって高性能です。
とくに検索時の参照サイト数がとっても多いので、回答結果が包括的でハルシネーションが少ないのが特徴です。医療関係や法律関係などの間違いが許されないという調べ物に適しているという評判です。
GenSparkで朝顔について調べてみました
今朝、自宅の庭に朝顔が咲いていました。しかし、種を蒔いた記憶はありません。自然に咲いたのでしょうか?
この疑問をGenSparkに投げかけてみました。
なかなか秀逸な回答です。回答結果が表示されるのはPerplexityに比べると少し遅いです。
その理由は、裏側で多数の検索を実施しているからです。複数の検索が同時に動いているような表示がありますが、たぶん40個くらいの検索結果を出したうえで回答を生成しているようです。ちなみにPerplexityだと検索するのは8個くらいです。
次の質問候補も3つ示されました。
そこで「朝顔の種が運ばれる可能性のある自然の要因は何か?」と尋ねてみました。
この回答もなかなかいいです。実はPerplexityやChatGPTでも同じ内容について調べてみましたが、GenSparkの回答がもっともシンプルかつ正確なような気がします。
さらに追加の質問ができるように3つの選択肢が示されます。とても便利ですね。
レスポンスタイムを実感するためにこの動作の一部を動画に記録しました。
なお、現在この高性能なGenSparkは無料で使えます。おそらくお試し提供期間中なのでしょう。無料で高性能なAI検索を試したいのなら今のうちに使いまくってみてはいかがでしょうか。
GenSparkとPerplexityの比較
現段階でGensparkとPerplexityの特徴比較をしてみました。
(以下の内容はPerplexityの回答です)
GensparkとPerplexityは、それぞれ独自のアプローチでAI駆動型検索を実現しています。
Gensparkは、AIエージェントエンジンを使用してリアルタイムでSparkpagesと呼ばれる動的なカスタムページを生成し、より詳細で包括的な情報再構築を行います。一方、Perplexityは従来の検索エンジンにAI機能を追加し、複数のソースからの情報を迅速に要約する方式を採用しています。
使いやすさの面では、Gensparkの方がよりシンプルなインターフェースを提供していますが、Perplexityはスマートフォンアプリを提供しており、日常的な使用には便利かもしれません。
情報量と分析の深さでは、Gensparkがより多くのソースから情報を収集し、深い分析を提供する傾向があります。特殊機能として、Gensparkは5000文字レベルの長文記事を瞬時に作成可能で、情報源が明確に記載されているのに対し、Perplexityは検索結果のグラフ生成などの視覚化機能やプロフィール設定によるパーソナライズ機能を提供しています。
Feloも日本語ではすごいAI検索エンジンです
国産のAI検索エンジンもでてきました。
Felo.ai(フェローAI)はPerplexityとほぼ同じような雰囲気ですが、なんといっても日本語で表示されているのがうれしいです。実際に使ってみると日本語の解釈がすばらしいです。
アプリもありますのでけっこう使えます。
無料でもそこそこ使えます。有料版は月額2099円ということなので、Perplexityの月額約3000円という価格に比べると安いのもうれしいですね。
マインドマップ化したりスライド作成したりする機能もあるので便利です。
さて、GoogleはAI検索をどうするのか?
検索エンジンといえばGoogleですが…
検索エンジンといえばGoogle。そして、数年前までは、AIといえばGoogleでした。
ですが、「AI検索」については、Googleが息を潜めているようです。検索にもAIにも強いGoogleが、なぜ本格的なAI検索サービスを展開しないのか不思議ですよね。技術的には世界中のどの企業よりもすばらしいAI検索サービスを展開できるはずです。
なのに、なぜAI検索サービスに対して非積極的なのでしょうか。
なぜかといえば、Googleの収益構造は検索エンジンからの広告収入が主で、全収益の3/4は広告収入と言われていることに関係があります。検索エンジンのビジネスモデルは、「検索サービスを無料提供し広告収入でマネタイズする」というビジネスの収益構造が確立しています。
AI検索のビジネスモデルは広告収入か、サブスクか?
しかし、AI検索は、ビジネスモデルとしてはマネタイズが確立していません。提供側としては大きな赤字のビジネスです。いずれは大きなビジネスになり収益構造も見えてくるはずですが、現段階で収益構造がどうなるのかが不明確です。
AI検索サービスはまだ始まったばかりなので、「サービスを無料提供し広告収入でマネタイズする」という検索エンジンの収益構造のままでうまくいかない可能性があります。先行しているPerplexityは無料利用もできますが、本格利用するためには「月額課金のサブスクというビジネスモデル」を目指しているように見えます。
ですから、Googleとしては確立された検索エンジンからの収益構造を崩す可能性が高いAI検索サービスを始めることに大きく躊躇しているのでしょう。
しかし、ここまでAI検索サービスが世の中に広まってくるともはや無視できません。
AI検索というビジネスが、既存の検索エンジンビジネスを破壊するかもしれないからです。
ついにGoogleもAI検索サービスを本格開始
いよいよGoogleも本格的にAI検索サービスを始める兆しがでてきました。
上記サイトのニュースの一部を引用します。
8月15日、AIを活用した検索機能「AI Overview」を日本、英国、インド、インドネシア、メキシコ、ブラジルの6か国で提供開始することを発表した。この機能は、今年5月に米国で試験的に導入され、ユーザーの検索クエリに対してAIが生成した要約を表示する。
「AI Overview」は、Google I/O 2024で発表された生成AI搭載の新しい検索エンジンの一部であり、より簡潔かつ的確な情報提供を目指して開発された。しかし、米国での初期導入時には「ピザに接着剤を入れるといい」といった誤った回答が話題となり、一時的に提供が停止されていた。Googleはその後、機能改善を進め、「Search Labs」での再テストを経て、今回の国際展開に至ったという。
「Search Labs」とは、いわば「GoogleのAI検索の試験運用中サービス」です。より多くの Google 検索で AI による概要を表示したり、検索で生成 AI の追加機能を利用したりできます。
試験運用のSGEから本格的なAI検索サービスへ
これまでは、SGE(生成 AI による検索体験)というAI検索サービスを試験的に提供していました。SGEの提供開始は2023年8月でしたからちょうど1年ほど前です。
これからはSGEに代わって、Search Labs の「AI による概要など」という名称で本格的に提供するAI検索サービスになっていくようです。(ちょっと名称が微妙なのでいずれ改名するかもしれませんね)
さっそく「Search Labs」を開いてみましょう。
Googleの検索画面の右上にフラスコのようなアイコンが表示されていればOKです。
ひょっとすると一部の人はまだ使えないかもしれません。その場合は、Googleのヘルプをご覧になって設定をしてください。
SGEの名残で「試験運用に参加する」という意思表示をする必要があるかもしれません。また使えたとしても普段のGoogleの画面のままかもしれません。
また、PCの場合だとブラウザがエッジでは使えないようです。PCならChromeを使って設定してみてください。
Googleは、通常の検索結果表示画面で自動的に生成AIのGeminiが走りAIが適切な回答を表示してくれるようなサービスを目指しているようです。
Google「AI Overview」
例えば、Androidのスマホで「Search Labsとは」という検索をしてみました。すると検索結果画面の上部にAI検索で生成された文章が表示されました。画面上部には「Search Labs ┃AI による概要」という表示がされています。
これがGoogleの「AI Overview」です。
こんな感じで、自然に生成AIを組み込んでいく道をGoogleは選択したようです。
いやまだまだこれは変化の序の口で、これからますます変化していくのではないでしょうか。私はそう感じています。
Perplexityのpro版を利用しはじめたユーザーにとっては、Googleのこのようなシームレスで小さな変化のままでは、Googleに戻る気がしないでしょう。もっと劇的に便利にしていく必要があるように感じます。
しばらくGoogleの本気度を確認しながら使ってみましょう。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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