今年、2013年10月のヤフーショッピング無料化の発表から2ヶ月近く経過した。すでに5万店以上の出店希望者がいて毎日増え続けているという。ただ、実際に無料化発表の後にヤフーショッピングに出店したネットショップはそれほど多くない。楽天などのモール出店者を優先的に処理しているため、独自ドメイン店でネット通販を展開していたり、これからネットショップを始めようという方にとってはまだ出店受付の順番待ち状態である。楽天出店済みのショップはそろそろヤフーショピングにも出店案内がきて準備しているころだろう。だから、本当のネットショップの変化はこれから始まる。
ところで、気になるのは「外部リンクOK」というヤフーショピングの処理がどのような対応になるかということだ。ヤフーショッピングの外部リンクが自由にできるなら、有料のASP買い物カゴより無料のヤフーショッピングのほうが格段にいいという判断もあるから。
外部リンクの表示方法
既存のネットショップは今でも外部リンクをほとんど使っていない
実際にヤフーショッピングで運営している既存のネットショップは今でも外部リンクをほとんど使っていない。これまでのモール内でのビジネスモデルを踏襲してるショップが多い。
しかし、これからヤフーショッピングに出店する人は多様である。楽天出店済みの経験豊富なショップ運営者もいれば、独自ドメインで運営しているネットショップもいるし、初めてのネットショッピングにチャレンジする個人や農家もいるだろう。実際に、ヤフーショッピングの無料化発表のさいに「一年のうち収穫時期しか販売しない農作物を販売する農家にも使ってほしい」という、ヤフー側の発表は印象的だった。
ヤフーショッピングの外部リンクは自由なのだろうか?
では、はたしてヤフーショッピングの外部リンクは自由なのだろうか?
実は、ヤフーショッピングで外部リンクをつけると以下の様な画面が表示される。利用者は一瞬ひるむだろう。
ネットショップ運営者に、独自ドメインの自社会社案内サイトがあればリンクをつけたくなるだろうが、すべてこのような画面を経由しなければならない。しかも、この画面からのリンク先の表示が小さくよくわからない。このままでは、外部リンクを多用したサイトデザインは設定しにくいのが現実だろう。
リンクの例とすれば「http://shopping.yahoo.co.jp/stores/wrap/bouncer.html?dest_path=/2013/12/storeyahoo.html」というように、「http://shopping.yahoo.co.jp/stores/wrap/bouncer.html?dest_path=」のあとに外部リンクの「http://*******.com/」がつくリンクになっている。これは自動的に付与されるリンクで、ネットショップ運営者がどうにもできない設定になっている。
ヤフーショッピングをASP買い物カゴのように使いたい独自ドメインショップ運営者のために
ヤフーショッピングをモールのネットショップとして使うというよりも、独自ドメインショップが決済方法のひとつとしてヤフーショッピングを(も)使えますよという設定をお考えの方へ。
現在のままのヤフーショッピングの仕様では、外部リンクをつけると上記のガゾのようにデカデカと警告画面になるため、お客様から外部リンクで誘導する作戦は容易ではない。そのため、ヤフーショッピングの個別商品ページごとに外部リンクを貼って自社ドメインの個別商品案内ページへ誘導する方法は得策ではないだろう。
しかし、ヤフーショッピングは変化を始めたばかりである。今後さらなる仕様変更があると思ったほうがいいだろう。
・自社ドメインなど特定のURLに関しての外部リンクは警告画面なしで移動できるようになるかもしれない
・ASP買い物カゴ仕様というバージョンを発表するかもしれない
ということも想定して、ヤフーショッピングには出店依頼を出しておくことをおすすめする。
なお、ASP買い物カゴ仕様というバージョンを発表するかもしれないという根拠は、ホテル宿泊業界の事例から推測した。たとえば、楽天トラベルには宿の予約のASP仕様があり、なんと無料で利用できるようになっている。楽天トラベルASPは「rwiths.net」というドメインで運営しており、ASP利用条件としては楽天トラベルに予約用の部屋を出せば自社ホームページでの予約にも使えるようになっている。つまり、自社ホームページに独自の宿泊予約に見えるようなASPが無料で使え、そのときに掲載した内容がそのまま楽天トラベルにもでるということである。この場合、楽天トラベルのメリットは「よい部屋が多数でること」である。
▼楽天トラベルASP「rwiths.net」についての解説
http://q.hatena.ne.jp/1310037225
部屋数が限定されているという宿泊予約システムだからこそ、競争原理でこのようなシステムができているのだろう。
ショッピングモールの競争も激化し、今回のヤフーショッピング無料化で大きく動き出すだろう。これからの一年でどのように変化していくかを注意深く見ていく必要がある。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
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