中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業の公募が2月17日から始まった。この補助事業は、革新的なものづくり・サービスの提供等にチャレンジする中小企業・小規模事業者に対し、地方産業競争力協議会とも連携しつつ、試作品開発・設備投資等を支援するというものである。平成25年度補正予算での実施なため、いつもと違う2月公募で3月14日応募締め切りという日程になっている。この補助事業は「ものづくり」がテーマであるが、製造業だけでなく、商業やサービス業も対象になっている。対象者が広いため多数の応募が見込まれる。ただし応募の条件として「特定ものづくり基盤技術」を活用していることが条件で、この要件は「中小ものづくり高度化法」という法律に基づいているので注意が必要である。
中小ものづくり高度化法の目的
中小ものづくり高度化法は、「中小企業によるものづくり基盤技術に関する研究開発及びその成果の利用を促進するための措置を講ずることにより、中小企業のものづくり基盤技術の高度化を図り、もって我が国製造業の国際競争力の強化及び新たな事業の創出を通じて、国民経済の健全な発展に寄与すること」を目的としている。
「中小企業によるものづくり基盤技術に関する研究開発及びその成果の利用を促進するための措置を講ず ることにより」とは、本法における目的を達成するための手段を示している。
「促進するための措置」とは、中小企業信用保険法の特例、中小企業投資育成株式会社法の特例、特許料等の特例などを意味する。
「中小企業のものづくり基盤技術の高度化を図り」は、本法における直接の目的を明記するものである。 ここで 「高度化」とは、精度や速度の向上、低価格化など、当該技術の性質や機能等の水準が上昇することを意味する。
「もって我が国製造業の国際競争力の強化及び新たな事業の創出を通じて」は、本法における大目的を明 記するものである。ここでは 「我が国製造業の国際競争力の強化及び新たな事業の創出」を実現するには、「中小企業のものづくり基盤技術の高度化を図る」ことが重要であることを明確に位置付けている。
「国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする 」は、本法の究極的な目的を宣言している。
「国民経済の健全な発展に寄与する」とは、上述した本法の直接的な目的、すなわち、中小企業のものづくり基盤 技術の高度化を図ることが我が国製造業の国際競争力の強化や新たな事業の創出につながり、それを通じて、最終的には、我が国国民経済全体のバランスある健全な発展を目的としていることを意味している。
特定ものづくり基盤技術とは
特定ものづくり基盤技術とは、ものづくり基盤技術振興基本法に規定するものづくり基盤技術のうち、それを活用する事業活動の相当部分が中小企業・小規模事業者によって行われるものであり、中小企業・小規模事業者がその高度化を図ることが我が国製造業の国際競争力の強化や新たな事業の創出に特に資するもの、となっている。
また「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」にて、「特定ものづくり基盤技術」ごとに川下産業が想定されていたが、平成26年2月に改定されている。これまで22あった技術は11に指定変更になっており、その概要は以下のとおりである。
一 情報処理に係る技術
二 精密加工に係る技術
三 製造環境に係る技術
四 接合・実装に係る技術
五 立体造形に係る技術
六 表面処理に係る技術
七 機械制御に係る技術
八 複合・新機能材料に係る技術
九 材料製造プロセスに係る技術
十 バイオに係る技術
十一 測定計測に係る技術
中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業の問い合わせ先
問い合わせについては各都道府県の中小企業団体中央会にするとよい。上記の説明図は全国中小企業団体中央会のWEBサイトの平成25年度補正「中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業(ものづくり、商業・サービス)」の1次公募について(2014.2.17 全国中央会)から引用し加筆したものである。おそらく各地の中小企業団体中央会では2月中にこの説明会が開かれるはずである。
石川県では、石川県中小企業団体中央会が2月24日に本件に関する説明会を開くことになっている。
2/24に開催されたものづくり補助金石川県説明会の様子(石川県中小企業団体中央会のフェイスブックページから引用)
【2/24追記】
今回の補助金は、上記技術が特定されない分野もあります。とくに「小規模事業者型」で革新的サービス部門だとかなりの中小企業者が対象になりそうです。
■公募期間:平成26年2月17日(月)~5月14日(水)
※一次締切り:3月14日(金)、二次締切り:5月14日(水)
■補助対象:日本国内に本社及び開発拠点を現に有する中小企業者。
■補助対象事業:
(1)成長分野型
(2)一般型
(3)小規模事業者型
上記三つの型に対してそれぞれ「ものづくり技術」と「革新的サービス」部門が有ります。
■補助率:2/3
■補助上限額:(1)成長分野型1,500万円 (2)一般型1,000万円 (3)小規模事業者型700万円
■詳細内容: http://www.chuokai.or.jp/josei/25mh/koubo20140217.html
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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