パソコンのOS「ウィンドウズxp」のサポートは2014年4月9日で終了する。もうあと数日しかない。中小企業の現場では、まだxpパソコンからの切り替えが済んでいないという例もあるようだが、4月9日までが猶予期限である。4月9日は車でいえば車検期限で、もう車検が通らないという状況だ。車検切れの後でも壊れたわけではない車を走らすことは可能だろう。
しかし問題なのは、いつ壊れるか、そしてそれが事故ともなれば、社会の迷惑になるということである。
Windows xp サポート終了
サポート終了後のOSを使うことは危険
xpパソコンを4月10日以降も使い続けるということは、ウイルスなど外部からの驚異に対し極めて危険な状況のままドライブするのと同じようなもの。いやもっと危険な状況だろう。とくにインターネットにつなぐのが前提のxpパソコンは4月10日以降は絶対に使わないでほしい。
なぜ、4月10日以降のxpパソコンがそれほど危険なのか。それは、ウィンドウズxpの提供元であるマイクロソフト社のすべてのサポートが終了するからである。
http://www.microsoft.com/windows/ja-jp/xp/end-of-xp-support.aspx
サポートが終了すると、セキュリティに対するパッチといわれる修正プログラムの提供がなくなる。このことは、ウイルスや外部からの攻撃に対する脆弱性が急激に上昇することになる。
xpは2001年にリリースされたOS
それにxpは2001年にリリースされたOSで、すでに13年も経過しておりさすがに古い。現在のOSは64ビットが主流で、32ビットのxpはメモリ空間も少なく、処理速度も遅い。ITの世界はドッグイヤーと言われ人間の7倍で加齢する犬に例えられる。13年×7=91年となるわけだ。人間なら91歳、これ以上の酷使はさすがにきびしい。そろそろ引退させてあげるべきだろう。
また、機能的にxpが使えたとしてもセキュリティ面では古過ぎる。ウイルスを作成するハッカー側のスキルもかなり向上している。今のxpの脆弱性なら攻撃は容易で、狙われたらひとたまりもないだろう。
たとえば、今のOS(ウィンドウズ7以降)では標準になっている「ASLR」というメモリアドレスをランダムに配置する機能がxpには無い。「ASLR」とは Address space layout randomization の略。重要なデータ領域の配置を固定にせず無作為に配置することで外部からの攻撃に備えるコンピュータセキュリティの技術である。今や、ASLRはアンドロイドやiPhoneのiosでも標準の技術で、ASLRすら装備してないxpは外部からの攻撃が簡単ですぐに侵入されてしまうといわれている。これはいくらセキュリティソフトだけを更新しても防ぎきれるものではないだろう。
ウイルス対策ソフトに頼れない
ウイルス対策ソフトに頼れば安心か?
(上記はxp対応ウイルスソフトの一例)
どうしてもxp環境から抜け出すことができないという企業向けにウイルス対策ソフトを発売している会社から対策商品(ウイルス対策ソフト)が出ているようだ。気休めにはなるかもしれないが、上記の理由などから積極的な推奨はできない。このような投資をするよりも、新しいOSを購入するか、パソコンを買い替えるという健全な投資をおすすめする。
もしも、4月10日以降もxpパソコンを使い続けてウイルス感染するとどうなるか。被害はそのxpパソコンだけにとどまらないだろう。現代のウイルスは感染力が強いので、その1台だけでなく社内のLAN内にあるパソコンや、インターネットを通じて自分の知り合いのパソコンにも感染が広がる可能性がある。それが得意先やネットショップのお客様だったら致命的な問題にまで発展するかもしれない。そのようなリスクを冒してまでxpパソコンを使い続ける理由があるだろうか。
サポートが切れたOSのPCはインターネットに接続しないこと
インターネット接続しなければ安全とも言い切れない。セキュリティ対策が万全なはずの官公庁でも複数のパソコンがウイルス感染するという被害がでていると聞くが、そのほとんどの原因がUSBメモリやSDメモリカードなどの記憶媒体が原因らしい。インターネット接続していないから安心と思っていると足をすくわれてしまうという例だ。インターネット接続もだめ、USBメモリもだめとなると、完全に単独(スタンドアロン)で運用することでしか使い道がない。
外部との通信なしのコンピュータを単独1台だけで使うことは困難である。
xpは引退させてあげるべきで、もう使うのはやめよう。
新たなOSやマシンは、今の時代にあったものを選択すればよい。パソコンでなくタブレットやスマフォでも機能的には十分な能力が整っているので、用途によっては選択肢に入るだろう。
マイクロソフトのサポートより
以下はマイクロソフトのXPサポート終了案内のページより引用
Windows XP のサポート終了について
マイクロソフトでは、製品の発売と共に、有償、無償のサポート、仕様変更や新機能のリクエスト、製品発売後に見つかった不具合の修正など、最低 10 年間にわたってさまざまなサポートを提供しています。Windows XP および Microsoft Office 2003、Internet Explorer 6 の 3 製品については、2014 年 4 月 9 日 (日本時間) をもって、このサポート期間が終了となりました。
Windows XP を使い続けると、具体的にどうなりますか?
サポートの終了した Windows XP を搭載した PC は、セキュリティ リスクやウイルスに対して無防備な状態になっています。また、今後はソフトウェア開発会社やハードウェア製造元が新しいバージョンの Windows に合わせて製品を開発するため、Windows XP では動作しないアプリやデバイスが増えていくと予想されます。個人のデータを保護するには、どうすればよいですか?
マイクロソフトはお客様個人のデータを安心してお使いいただきたいと考えています。お使いの PC をアップグレードするには、現在の PC を最新の Windows にアップグレードするか (詳しくはこちら)、新しくなった Windows を搭載した PC を購入するか、2 つの方法があります。お困りの際はお問い合わせください。
お使いの PC を保護するどちらの方法を選択されても、お困りの際はお問い合わせいただくか、Windows XP サポート終了についてよくあるお問い合わせをご参照ください。また、アップグレードする際、お客様のデータは無料で移行することができます。詳しくはこちら
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
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