2024年12月6日、石川県地場産業振興センターにて「AIシンポジウム2024」が開催されました。このイベントは石川県中小企業診断士会のAI研究会(KAIs:ケーエーアイズ)のメンバーが中心となって企画し実施しました。今回は若手の中小企業診断士5人という中心メンバーが登壇しました。
AI初心者からヘビーユーザーまで楽しめる充実の内容で、特に 生成AIを使った最新活用事例が大好評でした。ここではその熱気あふれるイベントの様子をレポートします。
石川県中小企業診断士会AI研究会「AIシンポジウム」
会場は地場産業振興センター本館
- 日時: 2024年12月6日(金) 14:00〜16:00
- 場所: 石川県地場産業振興センター本館第2研修室(2階の一番奥)
- 主催: 石川県中小企業診断士会、KAIs(AI研究会)
講演者と発表内容
全体の進行係は、KAIs会長の長東大樹さんでした。以下は発表順です。
- 安藤 謙輔 (株式会社安藤芳園堂 取締役、中小企業診断士)
演題: 業務で生成AIを使う最初の一歩〜オススメの使い方と注意点 - 小泉 保裕 (石川県中小企業診断士会、中小企業診断士)
演題: 先行企業から読み解くAI活用の最前線 - 谷沢 鷹続 (株式会社SAKU 代表取締役、中小企業診断士)
演題: SEOに強いブログ記事の生成〜タイトル・見出しの生成からWordPressへの入稿まで - 松田 康宏 (AWS Community Builder、中小企業診断士)
演題: AWSを活用したAIサービス開発
パネルディスカッション
- テーマ: 中小企業の未来を拓く生成AI活用の第一歩
- 司会: 長東 大樹 (石川県中小企業診断士会 AI研究会会長)
- パネリスト: 安藤 謙輔、小泉 保裕、谷沢 鷹続、松田 康宏
開催直前、準備中に余裕をかます登壇者たち(笑)
をっと、私も写ってしまった(笑)
約50人の参加をいただきAIシンポジウムが始まりました。
まず最初は、石川県中小企業診断士会の会長である石井伸太郎さんの挨拶をいただきました。ご挨拶のあとは早速、レジュメどおりに演題がスタートしました。
安藤 謙輔 (株式会社安藤芳園堂 取締役、中小企業診断士)
演題: 業務で生成AIを使う最初の一歩〜オススメの使い方と注意点
- 生成AIの導入時に役立つ具体的なステップを紹介。
- ChatGPTなど有名どころの文章生成ツールの紹介と活用法。
- 特に中小企業が陥りやすい注意点について実務視点で解説。
安藤さんが紹介してくれた生成AIサービスは以下のとおりです。
※この3つは本当に便利なので、まずは無料版からでもいいので使ってほしいです。
小泉 保裕 (石川県中小企業診断士会、中小企業診断士)
演題: 先行企業から読み解くAI活用の最前線
- AI活用が進む企業の事例を紹介し、成果を得るための要因を分析。
事例企業は、日清食品と三谷産業 - 競争力強化につながる生成AIの活用方法を示唆。
谷沢 鷹続 (株式会社SAKU 代表取締役、中小企業診断士)
演題: SEOに強いブログ記事の生成〜タイトル・見出しの生成からWordPressへの入稿まで
- 生成AIを使ったSEO対策の具体的な方法を解説。
- AIが生成したコンテンツをどのように効率的に活用するかの実例を紹介。
- 中小企業向けのブログ運営の効率化をテーマに、実践的なノウハウを提供。
松田 康宏 (AWS Community Builder、中小企業診断士)
演題: AWSを活用したAIサービス開発
- Amazon Web Services (AWS)を活用してAIサービスを構築する方法。
- AIサービスの基盤技術から具体的な構築プロセスまでを分かりやすく解説。
- 特に生成AIを活用したプロダクト開発の事例を共有。
パネルディスカッション
- テーマ: 中小企業の未来を拓く生成AI活用の第一歩
- 司会: 長東 大樹さん (石川県中小企業診断士会 AI研究会会長)
- パネリスト:
- 安藤 謙輔さん
- 小泉 保裕さん
- 谷沢 鷹続さん
- 松田 康宏さん
このディスカッションでは、生成AIが中小企業にもたらす未来について議論が行われました。特に、導入時の課題や効果を得るためのポイントについて、それぞれの専門分野からの視点が交わされ、参加者にとって実践的な学びが得られる内容でした。
中小企業が未来を拓く!生成AI活用の第一歩とは?
石川県中小企業診断士会 AI研究会の会長・長東大樹さんが司会を務めたパネルディスカッションで語られた「中小企業の生成AI活用」についてもレポートします。
生成AIは注目の技術ですが、「どこから始めればいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。このディスカッションでは、初心者にぴったりのスタート方法や実際の活用事例がたっぷりと紹介されました。
社内メールから始めてみよう
まず、谷沢鷹続さんのおすすめは「社内メール」。
「社外メールだと慎重になりがちですが、社内で使うなら比較的気軽に試せるのではないか」とのこと。例えば、AIに「簡潔で丁寧な文面を作成してほしい」とお願いしてみると、素早く文章案が生成されるので便利ですよね。
また、谷沢さんは「会議中の即時検索」もイチオシ!
「市場規模や動向が気になったとき、AIに聞けばすぐに要点をまとめてくれる」と、そのスピード感を絶賛。Google検索よりも効率的に情報を集められるので、ディスカッションの中断を最小限に抑えられるそうです。
メールだけじゃない!私生活でも活躍
次に、小泉保裕さんが挙げたのは「AIでのメール書き換え」。取引先や仕入れ先へのメール内容をカスタマイズする作業が格段に楽になると語っていました。たしかに、似たような文面を何度も書くのは大変ですよね。
さらに、日常生活のちょっとした検索にも生成AIが役立つそうです。例えば「20代カップル向けの京都観光プランを立てて」と入力すると、AIが和菓子屋さんやお茶体験まで含めたプランを提案してくれるとか。これ、旅行好きにはたまりませんね!
注意すべき点と未来への期待
安藤謙輔さんは「生成AIの限界」にも触れました。
「生成AIは万能ではなく、完璧な情報を100%保証するわけではない」とし、AIの出力を活用する際は必ず裏取りをすることが大切だと強調しました。また、AIは「プライドの高い新入社員のような存在」との例えもユニーク。「うまく聞き出すスキル」が重要だそうです!
松田康宏さんからは「AIは既存の情報を加工するのは得意だが、ゼロからイノベーションを生むのは苦手」という指摘がありました。これからの時代、私たちは「ゼロから1を生み出す力」を磨いていくことが大切ですね。
会場からの質問も受けました
パネラーのみなさんはどの生成AIに課金していますか?
また「推し」はなんですか?
という質問をいただきました。質問者はわざわざ愛知県から参加してくれた中小企業診断士の方です。
谷沢鷹続さんの「推し」
谷沢さんの推しは Claude。特に文章生成のクオリティの高さを絶賛しており、「ブログの下書きやプログラミングのサポートにも使える」とのこと。また、生成AIを複数利用する理由として、異なるAIで確認することで信頼性を高めているそうです。これにより、生成された情報の正確性を確保しています。
安藤謙輔さんの視点
安藤さんは ChatGPT と Claude を併用。ChatGPTはファイル入出力や多機能性を評価しており、「WordやExcel、PowerPointとの連携ができる点が便利」と話していました。一方、文章生成や日本語能力ではClaudeが優れているとコメント。用途によってAIを使い分けている様子がうかがえます。
小泉保裕さんのスタイル
小泉さんは課金はしておらず、主に ChatGPT の無料版を使用しています。「日常的な使用には無料版でも十分」としながらも、よりボリュームが必要になった場合には課金を検討すると語りました。
松田康宏さんの推し
松田さんの推しは AWS(Amazon Web Services) の生成AIサービス。AWSは柔軟性とスケーラビリティに優れており、「大規模なデータ処理やカスタマイズ性が求められる場合に特に力を発揮する」と話していました。また、AWSの生成AIは企業向けのソリューションとしても利用が進んでおり、信頼性の高いプラットフォームとして支持されています。
このあともいくつかの質疑応答があり充実したAIシンポジウムはフィニッシュしました。
シンポジウムを終えて
はじけた登壇者および関係者たち(笑)
今回のAIシンポジウムは大成功でしたね。運営のみなさん、おつかれさまでした。
ついついはじけてしまう人たち(笑)
このあと、有志で打ち上げ会場に向かいました。私はこのあと別の夜のお仕事があったので打ち上げには参加できませんでした。登壇された若手診断士のみなさんは、きっと弾けとんだと思います。数ヶ月におよび企画や準備など本当にお疲れ様でした。
遠田の感想※ほぼChatGPTによる作成ですが(笑)
今回のシンポジウムは、約50名の参加者が集い、生成AIの可能性や課題について深く議論する場となりました。特筆すべきは、参加者の約9割がChatGPTを実際に使用した経験を持つという点。生成AIの技術が一般に浸透し、その認識レベルが高まっていることを実感しました。
会場全体を包む生成AIへの関心
参加者の中には、すでに日常業務や学習でChatGPTを活用している方も多く見られ、AI技術に対する理解が進んでいる様子が印象的でした。「生成AIでどこまでできるのか?」という期待感と、「この技術をどう安全に、効果的に使いこなすべきか」という課題意識が入り混じる、熱気あふれる場でした。
生成AIが生む未来への一歩
ディスカッションを通じて、生成AIが単なる便利なツールにとどまらず、未来を切り拓く「推論できるAI」としての可能性を持つことが強調されました。特に、ChatGPTの高度な自然言語処理能力が示す「人間らしさ」は、未来社会におけるAIの役割を予感させるものでした。
シンポジウムを終えた会場内で、ある参加者とのやりとりの言葉が象徴的でした。
「ChatGPTの推論力には驚かされました。この技術を見ていると、未来が目の前に広がるように感じます。」
このことは、ChatGPTのo1が「考える(推論)」を持ったことにより、アウトプットの性能が劇的に上がったことから発せられたのでしょう。
実際に私もChatGPTo1の推論できる能力には驚いています。
たまたま当日発表されたOpenAIのChatGPTo1ProがSNSでもほっとニュースになっていました。月額3万円で賢者版GPTが出たということで、生成AIの世界は進化の速さがより際立ってきました。
生成AIの次なる課題
議論の中で浮かび上がったのは、生成AIをいかに倫理的かつ安全に運用するかという点です。アルゴリズムの透明性や偏りの排除、そして人間との協調が引き続き重要であることが確認されました。また、教育や職場での実用化における課題についても、具体的な提案がいくつも挙げられ、未来への一歩を踏み出すための視座が共有されました。
まとめ:生成AIの進化と私たちの役割
今回のシンポジウムを通じて、生成AIが単なる流行のテクノロジーではなく、私たちの社会に深く根付く存在へと進化しつつあることを実感しました。そしてその進化を支えるのは、私たち人間の理解と活用方法にかかっています。
参加者のほとんどがAIの実用経験を持ち、「使いこなす」フェーズに移行していることは、技術の成熟とともにユーザーの進化も感じられる場面でした。
この進化の一端に触れることができた今回のシンポジウムは、生成AIが切り拓く未来の可能性を強く示唆するものでした。
生成AIのさらなる可能性を探る旅は、まだ始まったばかりです。この議論を出発点に、AIがどのように社会に貢献していくかを共に考え続けていきたいと思います。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
会社概要およびプロフィールは株式会社ドモドモコーポレーションの会社案内にて紹介していますので興味ある方はご覧ください。
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