オムニチャネル(通販/実店舗)ビッグデータアナリティクスサミット

アクセス解析の話がほとんどなかったアナリティクスサミット2014、多数の先進事例の共通点はネットとリアルを区別しないビジネス視点のアナリティクス

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analyticsssummit2014会場内の様子本日開催されたアナリティクスサミット2014は合計7つの講演があり、なかでも事例によるビジネス分析の視点が半分以上だった。すでにネットのアクセス分析だけの話はなく、WEB解析は完全に次のステージに移行していることを如実に感じさせられた。EC(ネットショップ)だけのことを話す講演はひとつもなかった。それよりも実店舗やコールセンターや緊急車両の配備など、実際に人が介在する局面を主眼にしたテーマが多かった。
そして企業側が顧客と接する点が面になっていること。つまりビッグデータを活用したカスタマージャニーやオムニチャネルという総合的なマーケティング視点に移行しているということだ。

アナリティクスサミット2014

会場はベルサーチ汐留

AnalyticssSummit2014会場はベルサーチ汐留。当日朝の風雨が強く折り畳み傘の骨が風で折れてしまった。
analyticsssummit2014会場内はベルサーチ汐留
当日のセミナー会場はABCと3つあり、AとBがWEB担当者フォーラムの会場で、C会場がアナリティクスサミットの会場だった。
C会場だけで250席あったので、ABC会場の総合計では約800名が集うセミナーだったのだろう。

会社を変える分析の力

ラッキーな事に会場で書籍プレゼントに当選した。この書籍は基調講演をしてくれた大坂ガスの河本薫氏が書いた「会社を変える分析の力」である。ありがたく読ませてもらうことにする。
書籍プレゼントに当選

事例として紹介された企業や団体は、大阪ガス株式会社、日本ハム株式会社、株式会社日本旅行、株式会社良品計画(無印良品)という大手企業ばかり。

しかし、担当者を中心にどろくさく地道な取り組みから成果を生むまでの長いプロセスなどを生の声として聞けた点はとても好感が持てた。ほぼ丸一日のセミナーだったが内容が濃く、多数の気づきをいただいた。

当日の会場内での遠田メモ

以下は、当日の会場内での遠田メモである。備忘録のためそのまま掲載する。

■大阪ガス 河本薫さん

分析の価値
ビジネス課題から意思決定まで
データ分析と勘経験度胸(KKD)

緊急車両配置システム

給湯器のメンテナンス携行部品の最適化
即日修理完了比率が2割向上
ベスト5を必ず持参
→実際に使ってもらえるまでに2年半

1
問題を見つける力
現場とのコミニュケーション

2
解く力(分析力)
解く力=仮説力
意思決定問題と関係させる
→ブレストを多用

3
使わせる力
プレゼン資料に力を入れる
わかってもらわなければ使ってもらえない
現場の人とのコミニュケーションを大事に

ビジネスに役立つ貪欲なカルチャー
分析問題を解くのではなく、経営課題を解く

解く時間を節約する方法
ムダ、創造的、定型的

■清水誠さん

アクセス解析からアナリティクスへ

背景にある生活の変化
ニーズを受けてツールも進化

コホート分析
ジオ分析
動画配信の状況分析
決定ツリー

複数なデータ分析

成熟のステップ
過去の分析→予測→次になにをするかを提案

なにをどうしたいのか
→主語を変えてみる
→私は、で考える

■エクセルのデモは超絶

■ビジネスに貢献するコーポレートサイトの改善手法

ECサイトとの違い
成果が見えにくい

Webの役割の定義
ゴールの明確化

ゴール設定→施策検証

ゴールコンテンツの作成
計測指標の定義

日本ハムの事例
企業情報を伝えるためのコンテンツ

食肉加工では日本一
しかし消費者には伝わっていない

計測指標の例
ページビュー
→どこまで見たか
動画の再生回数
→何秒見たか

Pdcaを短いサイクルで回す(一週間)

コンテンツは作ってからが始まり

トークセッション
→テーマが大き過ぎるとなにをどうしていいのかわからなくなる
→分解して細かく行動を測定する
→仮説の設定が重要で
→単に解析だけしても当たり前の答にしかならないことがある
→ユーザーの趣向にあったコンテンツ改善をしないと成果がでない
→解析データは完璧を目指さなくてもよい

■データ分析結果を用いたパーソナライぜーション

DMPデータマネジメントプラットフォーム
→ビッグデータ時代の統合管理

日本旅行の事例
→チャネル横断の一環したストーリー性を持たせる(メール、Web、広告)

データ分析でユーザーをいくつかのクラスタにわける
→8つに分けて分析
→データマイニングエンジンで自動判別
→併売分析(ハワイに行った人はモルジブやポリネシアにも行く)

四つのシナリオ
・過去の渡航先
・出発後のフォロー
・過去の予約時期にあわせた販促
・テーマや価格帯に応じた販促
他にも百はあるらしい

今後
広告DMPの活用
メール、Webだけでなくコールセンターのデータ活用

モール、EC、リアル店舗のデータ統合

クラスタリング、共起、予測自動分析

■無印良品のオムニチャネル

情報過多、ものあまり

顧客時間

購買時点情報よりソーシャル→非構造化データ

検討→購買→使用消費

お客様時間を可視化するのがソーシャルメディア

ネットとリアルの融合が重要

人の塊→ソーシャルメディア、アプリ、商品開発

無地パスポートアプリ
180万人
客単価二倍
チェックイン→LTVが高い
在庫検索

6対4の法則
→ネットユーザーの6割はネットで買わない

マイル追加
販売よりエンゲージメント

マーケティングオートメーションへ

予測と仮説

実際は?
ネットと店舗の両方を利用するユーザーの価値が高かった
売上の多い店舗とチェックインの多い店舗は違う

ガードナーの指標

ツールがどうこうより、一緒に運用してくれるかどうか→軽めのBI

チラシをやめてアプリになるなど内部のコンフリクト発生

■分散するマーケティングデータを一元化する

(デジタルマーケティングを機能させる組織のあり方)

DMP導入コンサル 横山

活用事例

課題
各社が自社データだけで分析している

知見やデータ活用スキルを企業内部に蓄積しなければならない

データの文脈からだけでは解決は難しい

1インフラ整備
2分析環境の整備
3アクショナブル分析(クロス集計)
4DMP構築

企業内部にマーケターがいない

企業内部に必要な人材

インハウスマーケティングラボというトレンド

定性調査

データエクスチェンジ
オープンデータ、サードパーティデータ
各企業のデータを相互利用する実験