石川県地場産業振興センターで「3Dプリンタを活用した新ものづくり」と題したセミナーがあった。セミナーは3Dプリンタ研究会という冠の2本立て。1つめは「3Dデジタルツールの活用と将来像」で講師は株式会社ケイズデザインラボ代表取締役社長の原雄司氏、2つめは「石膏3Dプリンタの活用と新材料開発」で講師は株式会社ノリタケカンパニーリミテド セラミック事業部技術部商品開発リーダー吉川大士氏。どちらのセミナーもものづくりの未来感を変えるようなワクワクする内容でよかった。とくに、前半の原氏のセミナーは多数の事例や動画紹介があり、スピード感満載で臨場感あふれる超絶の内容だった。
原氏のセミナー冒頭で紹介されたスバルのラジコンカーの動画がまたよかった。ユーチューブで再生回数380万回超の人気動画になっているやつだ。
なんと、このリアルなラジコンカーの本体やパーツの大部分は3Dプリンタで作られたものだということだ。
3Dプリンタの利用事例としてあげられた商品やニーズは以下のものがあった。
iPhoneのカバー(ケース)、仏像、銃、各種部品、下着や服などのアパレル、ヘルメット、医療用ニーズ、建築や土木、サンダル、人体スキャナ、さまざまな玩具、陶器…など。
3Dプリンタが普及すると金型がなくなるのではないかという懸念を抱いていたが、この点について講師の原氏は明確に否定した。金型と3Dプリンタは両立するものであると。むしろ3Dプリンタのおかげで試作の難易度が下がり短納期化が進むことで、高精度の金型ニーズが生まれるという。
3Dスキャナーも片手で持てるくらい小さくなっている。パソコンとUSB接続するだけでデータが取り込める。生身の人体でもスキャナーを振るだけでスキャンできて、データの誤差は数ミリ程度ということらしい。この3Dスキャナは約5万5千円程度。デジカメよりむしろこちらのほうが一家に一台あってもおもしろい。
定員を大きく超えて参加応募があったようで、折りたたみ椅子をだして設営された会場だったが超満席状態。製造業系の方とわかるような作業服姿での参加者もかなり見受けられた。3Dプリンタを取り巻いてものづくりが明らかに変化してきたことがわかる。これからの製造業はますますおもしろくなるだろう。
このセミナーは石川県工業試験場とISICOの主催で、事前に告知されたチラシは以下のとおり
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
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