近年、生成AIが急速に発展し、中国発の「DeepSeek-R1」もその高性能かつ低コストAIとして注目されています。しかし、AI利用にあたってはリスクもあるため、どのように向き合うべきかを理解することが大切です。
今回はAIについて、「まったく使わない」レベル0から、「最前線で活用する」レベル4までの、全5段階 に分けて解説します。なお、この5段階レベルわけのヒントになったのは、安野貴博さんのXの投稿です。情報提供ありがとうございます。この情報が役にたったので最新書籍を買いました(笑)
DeepSeekとの向き合い方でわかるAIへのリスク感覚
レベル0:AIをまったく使わない(慎重派向け)
「そもそもAIを使うのが不安。データが漏れたり、誤情報を出されたりするリスクがあるなら、使わないほうがいいのでは?」
→ このレベルの方は、AIを利用せずに従来の方法で情報を得たり、作業を進めたりするのが安心です。
AIを使わないことで、データの流出や誤った情報を信じるリスクを避けられます。ただし、AIが普及するにつれて、「使わないことによる機会損失」も考慮する必要があります。例えば、AIによる自動翻訳や要約機能を活用すれば、時間を大幅に節約できる可能性があります。
レベル1:興味はあるけれど慎重に使う(初心者向け)
「AIは便利そうだけど、情報がどこに流れるのかわからないし、不安。使っても大丈夫?」
→ このレベルでは、AIを試しながらも、機密情報や個人情報を入力しないようにするのがポイントです。
DeepSeekの利用規約には、入力したデータがどのように使われるか明確に示されていない部分があります。そのため、個人情報や企業の機密情報は絶対に入力しない ようにしましょう。また、DeepSeekの精度はChatGPT(GPT-4系)と大きな差はないため、安定性を求めるならChatGPTの方が無難かもしれません。
レベル2:基本的な仕組みを理解し、安全に使う(中級者向け)
「DeepSeekを活用したいけれど、安全に使う方法が知りたい!」
→ このレベルでは、データの取り扱いや安全な利用方法を理解しながら使うのが重要です。
DeepSeekはMicrosoft Azure経由で利用することもできます。この場合、DeepSeek本体とは異なる利用規約が適用されるため、データ管理のリスクが低減します。すでにAzureを使っている企業や個人であれば、リスクはそれほど変わらない可能性があります。
また、DeepSeekはオープンウェイト(Open Weight)のAIモデルであり、自分の環境にダウンロードしてセルフホスティング(自前運用)することも可能 です。自分のマシン内だけで完結させれば、データが外部に漏れる心配はありません。
レベル3:より高度に活用し、リスクも考慮する(上級者向け)
「セルフホスティングなら安心?でも、AIのリスクって本当に防げるの?」
→ このレベルでは、セルフホスティングの限界やAIの潜在的なリスクも理解する必要があります。
DeepSeekのようなAIをローカル環境で動かせば、データの流出は防げますが、モデルそのものにバックドアが仕込まれている可能性はゼロではありません。例えば、悪意のあるトレーニングデータを使えば、特定の条件下で意図しないコードを出力させることも理論上可能です。
また、最近のAIはエージェント化(Agentic AI) が進んでおり、さまざまなタスクを自律的にこなすようになっています。これにより、予期しない動作をするリスクも考えられます。今後、モデルがより賢くなり、利用の自由度が増すほど、安全管理の重要性も高まるでしょう。
レベル4:最前線でAIを活用し、競争に挑む(プロフェッショナル向け)
「リスクゼロはあり得ない。でも、それを気にしていたら競争に負ける。どうリスクを管理する?」
→ このレベルでは、「ゼロリスクを求めるのではなく、適切なリスクの取り方を考える」ことが重要です。
AI技術の進化は早く、完璧に安全性を確認してから導入するのでは、ビジネス的にも技術開発競争的にも出遅れてしまう 可能性があります。結局のところ、「どこまでのリスクを許容するか」は、企業や個人の状況、目指すリターンによる という考え方が現実的です。
ただし、安全性の検証が不十分なAIを無防備に使うのは危険 です。オープンモデルの監査方法や、エージェントAIの挙動を監視する技術の発展が求められます。
AIリスク5段階のまとめ
DeepSeekの利用に関するリスクは、利用者の知識レベルや用途によって異なります。以下の表で、自分がどのレベルに当てはまるかチェックしてみてください。
レベル | AIの利用方針 | 主なポイント |
---|---|---|
レベル0 | 使わない | データ漏洩や誤情報のリスクを回避する |
レベル1 | 慎重に試す | 個人情報や機密情報を入力しない |
レベル2 | 安全に使う | Azure経由やセルフホスティングを検討 |
レベル3 | リスクを考慮しつつ活用 | AIのバックドアや自律性のリスクを理解 |
レベル4 | 積極的に活用し競争に挑む | ゼロリスクは不可能と割り切り、適切なリスク管理をする |
AIは便利なツールですが、使い方を誤ると危険な側面もあります。まずは自分に合ったレベルで理解し、安全に活用できる方法を選ぶ ことが大切です。
DeepSeekとの向き合い方をどうするか
Perplexityで使う
私は、現在、DeepSeek-R1の利用法について、PerplexityでのAIモデルとして選択することでの利用をしています。
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PerplexityでR1を使う方法はとっても現実的です。サーバーはアメリカにあるので安全ですし、回答速度や内容が非常にすばらしいです。
ローカルAIとしてR1を使う
また、PCにローカルAIとしてインターネット接続せずに利用するという試験運用もしています。これは「LMスタジオ」というウインドウズアプリを使い、サイバーエージェントが日本語チューニングした「DeepSeek-R1」を設定することで無料利用が可能になる方法です。
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ローカルAIは、機密情報などを扱うAIとしては今後重要度が増すと考えられていますので注目です。
ますます時代の進化が早くなりそうなので、どのような使い方ができるのかについては迅速な意思決定が重要だなと感じています。もたもたしているうちに時代の流れから取り残されるかもしれない…という恐怖感もありますね。
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この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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