AI(人工知能/ディープラーニング)

ローカルAIが現実的になった今、これからのAI活用動向「5つのポイント」を踏まえておきましょう

この記事は約5分で読めます。

これからのAI活用動向「5つのポイント」まぐまぐニュースの有料メルマガ記事『中島聡がガチでテスト、「今一番賢いローカルAI」のすごい実力。Phi-4やGemma3を知らない人、そろそろヤバいかもです』を読みました。3月18日発行のこの記事では、あの伝説のエンジニアと言われている中島聡さんがエンタープライズ市場(主に大企業や中堅企業、公的機関など規模が大きく複雑な組織構造を持つ法人市場)におけるAI活用の今後について詳しく解説しています。
この内容は中小企業のIT活用という視点でも重要な内容を含んでいますので自分なりに備忘録としました。

ローカルAIの進化がすごい!

これからのAI活用動向「5つのポイント」

ローカルAIとは、クラウドサービスを使わず自社のサーバーで動かす小規模言語モデル(SLM)

特に注目したのが「ローカルAI」です。ローカルAIとは、クラウドサービスを使わず、自社のPCやサーバーで動かす小規模言語モデル(SLM)のことです。MicrosoftのPhi-4やGoogleのGemma3といったSLMが、大規模言語モデル(LLM)並みの性能を持ち、自社内で手軽に動かせるようになっています。

話題のDeepSeekR1「考えるモデル」についてもベンチマークテストをしていました。

「DeepSeek-R1」をノートPCだけで動くローカルAIに!「LM Studio」で「DeepSeek-R1-Distill-Qwen-14B-Japanese」を使う設定にしました
サイバーエージェントさんが「DeepSeek-R1」を日本語でのチューニングを強化したローカルAIデータを公開しています。このファイルを使えばノートPCで、インターネット接続なしでAIが使えるようになります。つまり「ローカルAI」が実現できるのですが、このローカルAIが「推論できるR1」ならかなり強力です。実際に私の非力なノートPCで動くかどうかを試してみました。

上記のように私はノートPCでローカルAIのDeepSeekR1をテストしていました。中島聡さんによると、残念ながらすでに使い物にならないという指摘でした。これには涙(T_T)

ローカルAIの主なメリットは、データのセキュリティ向上、コスト削減(推論コストがゼロに近づく)、インターネットに依存しない安定稼働などがあります。こうしたメリットが、企業のアプリケーション設計に大きな変化(パラダイム・シフト)をもたらしています。

現時点の結論「MicrosoftのPhi-4とGoogleのGemma3がオススメ」

現時点では、MicrosoftのPhi-4と、GoogleのGemma3(ジェンマスリー)、がオススメということでした。

9.1GB、17GBというコンパクトなメモリながら、莫大な知識が詰まっていると、中嶋聡さんも感心していました。

ちなみに、「地球と火星の距離」の問題は、Claude 3.7 sonnet、GPT-4o、Grok 3にも答えられない難しい問題です。OpenAIの場合、o3、GPT-4.5になってようやく答えられるようになりました。

そんな難しい問題に、小規模なモデルがちゃんと答えられている点が高く評価できるということでした。ローカルAIすごい進化ですね。

AI動向、今後重要な5つのポイント

これからのAI活用動向「5つのポイント」

これから重要なAIの動向について、5つのポイントが示されていました。
この5つのポイントは企業が今後のAI技術をどのように活用していくべきかを示す重要なトレンドです。

以下の内容は、原文のままではなく私なりの視点も入れて要約してありますのでご注意ください。

「ローカルAIの時代」「MCP」「使い捨てコード」「マイクロサービス+AIエージェント」「AIX」

  1. ローカルAIの時代
    クラウドサービスに頼るのではなく、企業内でAIを動かす「ローカルAI」の時代が訪れています。MicrosoftのPhi-4やGoogleのGemma3などの小規模言語モデル(SLM)の性能が向上し、これまで大規模言語モデル(LLM)でしか実現できなかった高度な処理が自社内のPCやサーバーで可能になります。主なメリットは、データのセキュリティ強化、コスト削減(推論のコストがゼロに近づく)、安定した利用環境の確保などが挙げられます。この動きはアプリケーション設計に大きな変化をもたらします。
  2. MCP(Model Context Protocol)
    Anthropicが提唱するMCPは、AIと外部サービス(APIやデータベースなど)とのコミュニケーションを効率化する新しい標準プロトコルです。特徴は、APIの仕様と実際の利用を一体化し、AIが自動でAPIの内容を理解して利用できるようになることです。これにより、従来のAPIの問題点(ドキュメントと実装の分離、バージョン管理の問題)を克服し、AIが人間を介さず直接サービスを利用できる未来が近づいています。
  3. 使い捨てコード
    AIのコード生成能力の飛躍的な向上に伴い、従来のように「一度作ったコードを長期的に再利用する」のではなく、必要に応じてAIにコードを生成させ、その都度使い捨てるという新しい開発スタイルが生まれています。特にユーザーインターフェースや内部ツールなどで迅速な開発や変更が求められる場面で、この「使い捨てコード」が威力を発揮しています。
  4. マイクロサービス+AIエージェント
    企業向けアプリケーションが、細分化されたマイクロサービスをAIエージェントが組み合わせて動作させる形へ移行しています。各マイクロサービスは明確な役割を持ち、AIエージェントが状況に応じてこれらを自在に組み合わせて業務を自動化します。これにより、業務効率の大幅な改善が期待されます。従来のモノリシック(一体型の巨大なシステムで、すべての機能が単一のアプリケーション内に含まれている)なアーキテクチャから、柔軟で効率的な新しい構造へと変革が進んでいます。
  5. 人間を超えるAIエージェントとAIX(AIトランスフォーメーション)
    AIエージェントの高度化により、人間の能力を超えた情報処理や意思決定が可能になりつつあります。企業のあらゆる情報をリアルタイムで統合的に処理し、24時間体制で稼働するAIエージェントは、従来の組織構造や業務プロセスを根本から変革します。このようなAIを前提とした企業変革をAIX(AIトランスフォーメーション)と呼び、企業が競争力を維持するためには、早期にこの変革を推進する必要があります。

これらの5つのポイントは、AI技術がビジネスの在り方を根本から変える力を持っていることを示しています。企業が将来的な競争力を保つためには、これらの変化を理解し、戦略的に取り入れていくことが求められます。

中島聡さんのメルマガ

中島聡さんのメルマガは「まぐまぐ」で発行しています。月額980円の有料メルマガだけあって内容が濃いです。

中島聡がガチでテスト、「今一番賢いローカルAI」のすごい実力。Phi-4やGemma3を知らない人、そろそろヤバいかもです

中島聡がガチでテスト、「今一番賢いローカルAI」のすごい実力。Phi-4やGemma3を知らない人、そろそろヤバいかもです - まぐまぐニュース!
著名エンジニアの中島聡氏が、オープンソースの各種AIモデルをローカル環境(MacBook Pro)でテストしその実力を評価。それらが私たちのビジネスにどのような変化を起こすかを予測する。中島氏によれば、MicrosoftのPhi-4に代表されるSLM(小規模言語モデル)の能力がLLM(大規模言語モデル)並みに

上記のメルマガニュースでは、有料記事のかなりの部分を読むことができます。当ブログに興味を持たれた方は、この内容もチェックしてみてください。