ちょっと特別な機会をいただいて、金沢の高級料亭での会席料理を楽しんできました。落ち着いた空間、丁寧なおもてなし、そして美しく盛り付けられたお料理の数々…そのひとつひとつに、まさに“日本の美”が詰まっていると感じました。
そしてすごく感動したのはベジタリアン対応を完璧にしてくれたことです。
日本料理のベジタリアン対応に感謝です
「おしながき」の内容はベジ仕様ではありませんでした
今回の食事会は7人で参加したのですが、実は私だけベジタリアン対応をお願いしていたんです。
こうしたお店では、すでに決まった「おしながき」が印刷されていることも多いので、正直「どこまで対応してもらえるかな…」と少し不安もありました。
当日の「おしながき」は上記のとおりです。この内容はベジタリアン仕様ではなく、他の6人と同じものでしたので、ちょっと心配になりました。
ところが…その不安は一口目で吹き飛びました!
なんと、印刷された内容とはまったく異なる、完全にベジタリアン対応の会席を用意してくださっていたんです。
動物性の食材を使わず、それでも見た目も味も“ちゃんと会席料理”。
一皿ごとに丁寧な工夫が感じられて、思わず感激してしまいました。
「みんなと同じように特別な時間を楽しんでほしい」
そんな気持ちが伝わってくるような心配りに、ありがたさと嬉しさが込み上げてきました。こういう体験ができると、ますます「食」って深いなぁ、と感じますね。
お料理の写真もたくさん撮ったので、少し紹介させていただきます。
日本料理ベジ仕様の写真です
前菜
料理ではありませんが、この梅や桃のつぼみを思わせる花の枝が添えられているのが、この前菜膳の印象をぐっと格上げしています。まるでお花見をしているような気分にさせてくれますね。
前菜は春の訪れを意識させてくれました。この前菜だけで、春の息吹をしっかり感じられる構成になっており、味だけでなく、季節の演出や彩りへのこだわりが伝わってきます。山菜や筍の少しほろ苦い味わいが旨味とともに脳天に届きました。
こうした一皿に、日本料理の美意識の深さを感じずにはいられません。
上焼き海苔寿司
最初に登場したのが、目にも鮮やかな「ベジ寿司」。
ほんのり甘酢がきいたシャリの上には、カラフルな野菜の細切りや、練り胡麻クリームのようなものが乗せられていました。食感も楽しく、香ばしい海苔が全体を引き締めていて、シンプルながら奥深い味わいでした。
まさに“彩りで楽しむ一口アート”といった印象です。
特徴的なのは海苔です。しっかりと厚みがあって海苔の風味が濃厚に感じられました。主役は海苔だったのかもしれません。
吸物
吸物だけ写真を取り忘れました、すみません(笑)
おしながきの吸物は「鳥越原木椎茸土瓶蒸し」。素材名は、能登方々葛打ち、鹿児島早筍、阿波すず香。筍の香ばしい味わいが印象的な逸品でした。
造り
続いては、口当たりのやさしい一皿。
とろけるような湯葉、ぷるんと弾力のある刺身こんにゃく、そして自家製のごまだれ。お醤油には紫蘇の穂をほどいて浮かべることで香りまで楽しめました。この紫蘇の華やかな香りが全体をまとめてくれます。
見た目は涼しげですが、味はしっかりとしていました。
焼物
こちらは見た目も味も、まるで肉料理のような存在感。
実際の原料は「れんこん」ですから植物性の“ベジミート”といえるかもしれません。金沢ではれんこんで作った蒲焼として有名な料理です。表面は香ばしく焼き上げられていて、中はシャキシャキ感もありふっくらジューシーでとてもおいしくできています。
付け合わせの赤かぶやほおずきが、甘酸っぱさと食感のコントラストを加えていて、食べる楽しさがぐっと増します。
強肴
春の味覚といえば山菜。このお皿には、ふきのとう、たらの芽、こごみなど、春ならではの山菜がたっぷり。
衣は軽やかで、素材の風味をしっかり残してくれていました。
レモンと塩が添えられていて、自分好みに調整できるのもうれしいポイント。
ひとくちごとに春の山の風を感じられるような、贅沢な天ぷらです。
食事
食事は十割そばでした。
上品な冷たいおろしそば風の逸品でした。蕎麦の味わいがしっかりとあり、ちょうどよい硬めの食感でおいしくいただくことができました。この蕎麦は単品でも十分いけますね。
果物
デザートは甘みと香りが凝縮された安納芋のプリン。とろりとなめらかな口当たりで、控えめな甘さが口いっぱいに広がります。
添えられていたいちごは、見た瞬間「おおっ」と声が出るほど大きくて真っ赤。
そのまま食べてももちろん甘く、最後まで余韻が残る素敵な締めくくりでした。
それぞれのお皿が、見た目・味・香り・食感といった五感にしっかりと訴えかけてきて、一皿一皿が丁寧に作られていることが伝わってきました。
心にもお腹にも深く響く「おもてなし」
今回のベジタリアン会席体験は、単に「動物性食材を使っていない」だけではなく、
「どうすれば満足してもらえるか」「他の人たちと同じように楽しんでもらえるか」を、心の底から考えてくださっていることが伝わる、真の“おもてなし”の時間でした。
食の多様性が尊重されるようになってきたとはいえ、ベジタリアンの食事対応がここまで丁寧にされる場面は、正直まだまだ珍しいのが現実です。
でも今回の体験で、「こういう思いやりのあるお店があるんだ」と知ることができて、心があたたかくなりました。
また、ベジタリアンでなくても、こういう料理は“素材の味”を大切にした、まさに日本料理の原点に触れるような体験でもあると思います。一品一品に季節の移ろいや自然の恵みが詰まっていて、食べることの意味を深く考えるきっかけにもなりました。
これからも、こんな風に心も体も喜ぶ食事との出会いを、大切にしていきたいなと思います。
そして、もし同じようにベジタリアンの方で「外食での選択肢に悩んでる…」という人がいたら、少しでも参考になるよう、こうした体験をこれからもシェアしていけたらうれしいです。
かなざわ石亭(浅田屋グループ)
今回、飲食したお店はこちらです。
かなざわ石亭
〒920-0962 金沢市広坂1丁目9-23 金沢歌劇座横
浅田屋グループのお店です。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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