中小企業のバイブルと言われているのが「中小企業白書」です。毎年6月ころに正式発表がありますが、3月ころにそのたたき台となる概要が発表されます。
2025年の中小企業白書の概要がPDFにて中小企業庁のWEBサイトにて公開されました。その内容についてかいつまんで重要なところを解説します。
中小企業白書2025:4つの注目ポイント
中小企業白書2025の速報版ともいえる資料が中小企業庁から3月に発表されています。

https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/soukai/042/dl/003.pdf
上記のPDFの内容ですが、見出しは以下のとおりです。
2025年版中小企業白書・小規模企業白書 記載内容一覧(案)
第1章 中小企業・小規模事業者の業況
第2章 金利・為替・物価
第3章 雇用環境
第4章 労働生産性・設備投資・デジタル化・DX
第5章 価格転嫁
第6章 賃金・賃上げ
第7章 倒産・休廃業・事業承継
第8章 中小企業・小規模事業者に求められる共通価値
(GX・サーキュラーエコノミー・経済安全保障・労働者の人権尊重)
第9章 中小企業・小規模事業者の事例
■中小企業白書・小規模企業白書 第1部(共通) :令和6年度の中小企業・小規模事業者の動向
第1章 中小企業の経営力(経営戦略・人材戦略の策定、経営者の成長意欲、経営の透明性・ガバナンス)
第2章 スケールアップへの挑戦(M&A、研究開発・イノベーション、海外展開)
■中小企業白書 第2部:新たな時代に挑む中小企業の経営力と成長戦略
■小規模企業白書 第2部:経営力を高める小規模事業者の持続的発展と地域貢献
第1章 持続的発展に向けた経営力の向上(差別化戦略、経営計画の策定・運用、地域の社会課題解決事業)
第2章 支援機関の支援力強化(支援機関の課題、支援機関の連携)
この中から気になった点を抽出しました。
売上・利益は過去最高を記録
中小企業の売上や経常利益は、長期的に見て上昇傾向が続いており、特に2024年時点では過去最高水準に達しました。
これは、コロナ禍からの回復や一部の業種における需要増が要因となっています。
しかし…
倒産件数は増加傾向に
利益が過去最高にもかかわらず、中小企業の倒産数は増えています。
背景には、原材料費や人件費の高騰、円安や金利上昇によるコスト増といった外部要因が重なり、体力のない企業が経営難に陥るケースが目立ちます。
人手不足が深刻化
ほとんどの業種で人手不足が常態化しています。
特に飲食業、介護・物流といった「現場の仕事」では、採用そのものが難しい状況です。業績が上向いても、それを支える人材が確保できなければ、事業の拡大や継続は難しくなります。
人手不足対策として賃上げが進んでいます。しかし、人手不足感の解消には至っていないのが現実のようです。
一人あたりの付加価値は横ばい
企業全体の売上は伸びていても、従業員一人あたりの付加価値(生産性)には大きな変化が見られていません。
この点は、持続的な成長や賃金アップを実現するための大きな課題となっています。
いかにして一人あたりの付加価値を増やすかが重要な局面になりました。一人あたりの付加価値額が増えないと賃金の上昇が見込めません。また、人口減少が進む我が国では少ない従業員で大きな成果をどのようにして出していくのかということが重要です。そのためには、IT活用、DX推進、省力化設備の導入などを視野に入れて戦略や対策を検討する必要があります。
今、中小企業に求められているのは「経営力」の強化です
こうした厳しい状況の中で、中小企業が生き残り、さらに発展するためには、「経営力」の強化がカギになります。
白書では、経営力を次の3つの観点から整理しています。
経営力①:経営者自身の学びとつながり
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他の経営者との交流
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セミナーや勉強会への参加
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地域外とのネットワークづくり
こうした学び直しや外部との連携が、経営者の視野を広げ、柔軟な対応力につながります。
経営力②:戦略的な経営計画の策定と実行
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適正な価格設定(価格転嫁)
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投資を見据えた経営計画
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差別化や独自性の強化
利益をしっかり確保するためには、コストに見合った価格設定や将来を見据えた計画作りが欠かせません。
経営力③:人材を大切にする組織づくり
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経営理念の共有
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働きやすい職場環境づくり
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社内コミュニケーションの改善
従業員との信頼関係を築き、働く意欲や定着率を高めることで、長期的に安定した経営が可能になります。
規模別の対策アプローチも重要です
【中堅・成長企業】
-
売上規模の成長に伴い、経営者の負担が増加
→ 経営チームの構築やDX(デジタル変革)人材の登用がカギ -
成長を加速させるためのM&Aや海外展開の検討も効果的です。
【小規模事業者】
-
地域密着型のビジネスにおいて「独自の強み」の構築が重要
→ 尖った商品・サービスで差別化を図る -
経営者のリテラシー向上を通じた“経営の自走化”が求められています。
まとめ:変化に対応できる力が未来をつくる
中小企業は今、過去にないほど大きなチャンスとリスクの狭間に立たされています。
● 売上・利益は伸びている
● でも倒産も増えている
● 人材不足で業務が回らない
● 生産性が上がらず、賃上げに踏み切れない
こうした現状を乗り越えるには、「学び」「計画」「人づくり」という経営力の土台を整え、社会や市場の変化に柔軟に対応する力が求められています。
中小企業の持続的な発展のために、一つずつできるところから始めていきましょう。

この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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