クラウドコンピューティング

Microsoft365では利用者の過半数がデータ消失を経験しています、データ保全をどうするかがクラウド時代の新たな課題ですね

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Microsoft365では利用者の過半数がデータ消失データ消失をしないために、あなたの企業ではどんな対策をしていますか?
Microsoft 365のデータ消失原因で最も多いのは「ユーザーの誤操作」で47.5%。意外にもマルウェアや管理者ミスより、一般ユーザーのヒューマンエラーが最大のリスクとなっています。企業における運用のガイドライン作成や、ITリテラシー教育などの対策の重要性が改めて浮き彫りになりました。

Microsoft 365でも安心できない?クラウド時代の「データ消失リスク」とは

クラウドだから「絶対安全」ではない時代へ

テレワークや業務のデジタル化に伴い、多くの企業や個人がMicrosoft 365(以下、M365)などのクラウドサービスを活用しています。しかし、「クラウド上にあるから安心」という常識は、今や見直すべき時代に来ています。

実は、M365を利用していてもデータが消えてしまう事例が多く報告されています。

Microsoft365では利用者の過半数がデータ消失

データ消失の実態:誤操作が最多

AvePoint社の調査によると、M365ユーザーの約66%が何らかのデータ損失を経験しており、その多くは人為的ミスによるものでした。

Microsoft 365 のデータ損失の原因:5 つのシナリオとは? - AvePoint Blog
企業のデータ損失が発生する原因は、Microsoft 365 だけに限っても思った以上に多くあります。考えられる 5 つのシナリオと、バックアップ ソリューションによる対応についてご説明します。バックアップ ソリューションをご利用中でない方も、ぜひご一読ください。

📊 Microsoft365のデータ損失の原因(複数回答)

原因 割合
ユーザーの誤操作 47.5%
管理者の誤操作 8.5%
マルウェア被害 6.2%
コンプライアンス対応による削除 3.9%
経験なし 32.0%

このように、「うっかり消してしまった」「操作ミスをした」など、予期しないデータ消失が実際に多数発生しています​。

よくあるデータ消失の事例

・社内で共有中のファイルを削除してしまった

退職者が使用していたOneDrive上の業務データを削除し、後で必要になったが復元できなかった。

・Teamsのチャットに添付された資料が消えていた

保管場所を意識せずに使っていたことで、SharePointやOneDriveの保存先管理が難しくなり、知らないうちに削除。

・ランサムウェアでファイルが暗号化された

社内共有のM365環境が攻撃を受け、バックアップが無かったため復旧までに長時間を要した

なぜM365ではデータが消えるのか?

M365では「責任共有モデル」が採用されています。これは、Microsoftがすべてのデータ保護を行うわけではなく、ユーザー側にも責任があるという考え方です。

さらに…

  • ゴミ箱保管期限を過ぎると完全削除

  • バージョン履歴の保存も限られた期間

  • ファイル保存先がサービスによってバラバラ(Teams、SharePoint、OneDriveなど)

…といった点が、復元の難しさやリスクの原因となります。

Dropboxのような代替サービスの利点

一方、Dropboxはもともとファイルの保管・復元に特化した設計がされています。

機能 Dropbox M365(標準機能)
削除ファイルの復元期間 最大180日(プランにより異なる) 最大93日(OneDrive)
ファイルのバージョン履歴 無制限または長期間 限定的な期間のみ
管理者による復元機能 管理画面から簡単に操作可能 一部操作は復旧不可
データ保存場所の明確性 一元管理 サービスにより分散管理

Dropboxのように、長期保存・復元がしやすい環境を選ぶことは、バックアップ対策として非常に有効です。

さらに安心のために:ローカル保存(外付けHDD等)との併用も重要

クラウドとあわせて、ローカルに定期的なバックアップを取ることも大切です

🔒 物理バックアップのすすめ

  • 外付けHDDやSSDなどに週1回のバックアップ

  • 重要書類はPDF化し、複数メディアに保存

  • NAS(ネットワークHDD)で社内全体のデータ管理も可

これにより、クラウドだけに依存しない「二重・三重の保護」が可能になります。特に機密性の高いデータや契約書などは、ローカル保存を併用することで安心感が格段に増します。

まとめ:クラウド時代こそ「自分で守る」意識を

クラウドサービスの活用は、生産性の向上には欠かせません。しかし、データ保護の責任がユーザー側にもある今、消えない仕組みを自ら構築することが非常に重要です。

✅ M365を使うなら → バックアップツールの併用を検討
✅ Dropboxなど → 長期復元や履歴保存がしやすい
✅ 外付けHDDなど → 定期バックアップで物理的にも安全対策

クラウド+ローカルの併用で、データ消失リスクに強い業務環境をつくっていきましょう。