WEB環境の変化により、WEBサイトは常時SSL対応、スマホ対応が急務である。サーバ移転を伴う大幅なリニューアルを実施することになり、この機会にドメイン名を信用度の高い「co.jp」ドメインに変更する事例も多く見受けられるようになった。
しかし、旧ドメインから新ドメインへの移転を行った場合、Googleの「エイジングフィルタ」の影響で、検索順位が大幅に低下してしまうことがある。エイジングフィルタとは、新規ドメインでの検索順位が意図的に下げられ、一定期間は検索エンジンで上位表示をしにくくしているというアルゴリズムのことである。
Googleはエイジングフィルタを公式では認めていないが、そのような現象は頻繁に起きている
なお、エイジングフィルタというアルゴリズムはGoogleは公式に発表していない。しかし、これまで、新規ドメインで検索上位表示されにくい現象は頻繁に置きており、実際には「エイジングフィルタは存在する」ということで、WEB運営をするのが望ましい。
エイジングフィルタで上位表示されにくい期間は、Googleがそのドメインを認識してから3ヶ月程度といわれている。しかし、最近では3ヶ月たっても検索順位が回復しないケースが増えている。ひょっとしたら、エイジングフィルタの期間は3ヶ月ではなく半年とか1年とかに延長されているのかもしれない。
理由としては、詐欺サイト対策が有力だ。詐欺サイトは新規ドメインを取得し、アクセス増加させ悪事を働くが、そのドメインが詐欺サイトだと社会的に認識されると、簡単にドメインを捨てる。そのドメインを継続利用するより、また新しいドメインを取得して同様な手口で展開したほうが効率的だからである。そのような詐欺サイトが検索上位表示されるのを防ぐ手立てとして、エイジングフィルタの期間を半年とか1年とかに長くするのはとても有効である。(この考えはあくまで仮説であり、Googleが公開したものではないのでご注意を)
Googleがhtts化を推進する目的には詐欺サイト対策もある
最近、Googleの動向を見ていると、https化されていないWEBサイトを目の敵にでもしたかのようだ。https対応しなければ、検索上位表示は困難な状況になっている。httpsの目的は「盗み見防止」「改ざん防止」「なりすまし防止」の3つである。
実はhttps重視の姿勢は詐欺サイト対策になっている。というのは、詐欺サイトは第三者機関からの認証が必要なhttps対応のドメインでの運営が非常に困難だからである。
新規のco.jpドメインは1年ほど公開してエイジングフィルタが解除されるころから本格的な運営を始めよう
このように考察を進めていくと、新規で取得した「co.jp」ドメインを、これまでの実績ある旧ドメインの代わりにいきなり運用するのは危険である。きちんと301リダイレクト処理をしても、新ドメインでの検索順位が上がりにくいという例に直面しているからだ。
今年、同様の対策(新規でco.jpを取得しドメイン移転)を考えている場合は、もう少し慎重に検討しよう。
・新規ドメイン(co.jp)で1ページ公開し、Googleに認識させて1年置いてから本格運用する
・メールアドレスではco.jpの信用が高く迷惑メールに入りにくいので利用開始してもよい
というのがおすすめである。
httpsでco.jpドメインを運用するのは長期的視点では有効な措置である。もしも、新規でco.jpドメインを取得し、旧ドメインから移転してしまったという場合は、エイジングフィルタの効果が切れるまで耐えよう。ひょっとしたら、公的機関などの信頼性の高いWEBサイトからの被リンクがあれば、比較的早い段階でエイジングフィルタから脱却できるかもしれない。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
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