昨年の10月から消費税は10%となった。食品などは軽減税率で8%に据え置かれているが、複数税率でややこしい。スーパーや小売店などでは消費税計算をどのようにしているのだろうか。ほとんどがレジでのシステムによる計算であるため計算ルールを統一している。しかし、小数点以下の処理については店舗や会社によって計算方法が独自ルールが許されている。そのため、店によっては、消費税の計算が違ったりすることがある。
たとえば、コンビニで3点で合計255円の買い物をした場合の消費税額は、税額10%計算なら25.5円と端数がでるため、切り捨てされ25円と計算されることが多い。
消費税の計算方法
3点合計255円の買い物で消費税の計算計算例
実はこの計算方法にはいくつかの方法があり、どの方法を選ぶかによって、消費税額が違う金額になる。
上記の表で確認するとわかるだろうが、商品3点で合計255円の買い物をした場合の消費税は、24円、25円、26円、27円の4種類になる可能性がある。(商品価格は税別で、75円、85円、95円とする)
24円になる場合
・24円になる場合:商品ごとに消費税を計算し端数がでたら切り捨てする計算方法→あまり一般的ではないが現金取引中心の小売店で見られる計算方法
25円になる場合
・25円になる場合:3点合計の255円で消費税額を計算し端数がでたら切り捨てする計算方法→スーパーやコンビニなどに多い計算方法、おそらく小売業界はこの方法が最多
26円になる場合
・26円になる場合:3点合計の255円で消費税額を計算し端数がでたら四捨五入する計算方法→企業間取引で月度で締める請求書による消費税計算で多い計算方法
27円になる場合
・27円になる場合:商品ごとに消費税を計算し端数がでたら四捨五入する計算方法→ネットショップの税込み単価設定に多い方法、小売店や企業間取引でもときどきみかける計算方法
4種類の計算結果があるがどれも正しい
4種類の計算結果があるが、どれかが間違っているわけでなく、どれも正しい。その企業の計算方法として年を通して実施し、会計ルールとして確立していればよいのである。
内閣府のホームページには以下のようなQ&Aがあった。
https://www.cao.go.jp/tenkataisaku/yokuaru.htmlより引用
Q4:消費者である。スーパー等のレジで個々の商品の税抜価格を合計して消費税率をかける場合と個々の商品の税込価格を合計する場合で消費者が支払う金額に差が生じる。例えば、税抜価格が93円、税込価格が100円の商品を12個買った場合、前者の方法で計算すると93円×12(個)×1.08=1,205円、後者の方法で計算すると100円×12(個)=1,200円となる。事業者によって計算方法が異なるが、何らかの決まりはないのか。
A4:各事業者における販売価格の設定方法や価格表示の方法、レジにおける精算方法については、取扱商品や提供するサービスの性質、取引慣行などを踏まえ、各事業者の判断に委ねられているところです。 こうしたこともあり、御指摘いただいたように、価格表示の方法やレジでの精算方法の違いによっては、消費者の最終的な支払額が事業者によって異なるケースもあると承知していますが、売上げに係る消費税額は、上記の違いにかかわらず、原則として消費者が支払う総額(税込価格)の8/108となります。 各事業者においては、採用している消費税額の計算方法が消費者に御理解いただけるよう、適切な対応を行っていただきたいと考えます。
小売やサービスや製造業など複数の事業を運営する企業では、消費税計算の統一ルールが難しい。社内では統一した消費税計算のルールが必要な一方で、客層が違うビジネスを運営しているからである。それぞれの業界による慣習もあるため、すべての業種に適合させるのはむずかしい。あまりにその業種の標準に逸脱したルールだとクライアントからの反感を買うかもしれない。
しかし、軽減税率の導入により複雑化した消費税計算はシステム対応が避けられない状況である。合理的なルールで統一しシステム化することは重要。きちんとクライアントからの同意を得て実施しよう。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
会社概要およびプロフィールは株式会社ドモドモコーポレーションの会社案内にて紹介していますので興味ある方はご覧ください。
お問い合わせは電話ではなくお問い合わせフォームからメールにておねがいします。新規の電話番号からの電話は受信しないことにしていますのでご了承ください。
【反応していただけると喜びます(笑)】
記事内容が役にたったとか共感したとかで、なにか反応をしたいという場合はTwitterやフェイスブックなどのSNSで反応いただけるとうれしいです。
遠田幹雄が利用しているSNSは以下のとおりです。
facebook https://www.facebook.com/tohdamikio
ツイッター https://twitter.com/tohdamikio
LINE https://lin.ee/igN7saM
チャットワーク https://www.chatwork.com/tohda
また、投げ銭システムも用意しましたのでお気持ちがあればクレジット決済などでもお支払いいただけます。
※投げ銭はデジタルコンテンツ購入という通販のしくみにしました。
※投げ銭は100円からOKです。シャレですので笑ってください(笑)