奥能登の柿農家さんに訪問する機会がありました。陽菜実園(ひなみえん)の代表である柳田尚利さんです。
柳田尚利さんは輪島市町野にご自宅と加工場があり、柿園は能登町の中山間地にありました。柿園は2ha以上の広大な面積で、入ってみると森の中のようなところです。
この柿園では平核無柿(ひらたねなしがき)という渋柿を栽培しています。渋柿なのでそのまま食べることはできません。脱渋してさわし柿にするか、乾燥させて干し柿にするか、というように加工して出荷していました。
奥能登の柿農家さん
陽菜実園(ひなみえん)の柿
たくさんの柿の木があります。2.3ha程度の広さというのことなので、東京ドームのグランド2つ分くらいの面積ですね。
一本の柿の木が太くて大きいですね。枝は横に伸びているので、収穫がしやすいようにしているのでしょう。
特徴的なのは若い枝を上に伸ばしていることです。慣行栽培の柿農家ではこのような若い枝をあまり増やさず剪定で切ってしまうことが多いようですが、陽菜実園(ひなみえん)では積極的に残しているとのことでした。
その理由は肥料のやり方に深い関係があるそうです。
柳田さんは肥料をあげない無肥料栽培をしているそうです。無肥料栽培をすると、柿の木は少ない地中の養分と太陽の光だけで成長しようとするので生命活動が盛んになるそうです。
柿の実の剪定方法にも独特のこだわりがありました。どの柿の実を残して、どれを切ってしまうか、この判断が後々の果実のできに大きく影響します。
土はふかふかな印象でした。クローバーがたくさんあるので緑肥効果を狙っているのかなと思いました。クローバーは窒素成分を固定化するので施肥するのと同じような効果があります。奇跡のリンゴの木村さんだと大豆を栽培していますが、大豆は根粒菌の作用により窒素成分を固定化する力が強いので肥料効果がでます。
しかし、このクローバーはたまたま育っているだけで、自分で狙って入れたものではないとのこと。むしろクローバーはもっと減らしたほうがバランスはよくなるのではないかというようなことを話しておられました。
柳田尚利さんは関西から奥能登にIターン
柳田尚利さんは出身が関西(大阪)。あまり関西弁ぽくないのでわかりませんでしたが、もともとはバリバリの関西人だそうです。奥さんは地元の人だし、お子様も町野町の保育園に通っていて、現在ではすっかり奥能登人ですね。
もともとIターンで石川県にインターンシップで就農体験をしたそうです。単身で奥能登にやってきて、川原農産に勤務することになりました。数年勤務してから独立して陽菜実園(ひなみえん)を立ち上げ、柿農家としてスタートしたそうです。
県外からIターンで就農し、結婚して家族ができ、地元に定着したということです。これは農業のインターンシップ事例としてはすばらしい成功事例ですね。柳田さん、石川県に来てくれてありがとうございます。
陽菜実園(ひなみえん)の柳田尚利さんが右です。
※左の方は遠田幹雄です(笑)
渋柿は脱渋するか干し柿にするかで商品化します
陽菜実園(ひなみえん)から1キロほど離れたところに脱渋するための施設があります。この建物は生産組合として所有しているようで、組合員である農家が使用することができるそうです。
脱渋した柿は「さわし柿」として市場に出回ります。石川県ではかほく市の紋平柿(もんべいがき)が有名ですが、紋平柿は炭酸ガス脱渋した「さわし柿」です。
陽菜実園(ひなみえん)でも秋の収穫シーズンは炭酸ガス脱渋した「さわし柿」を中心に加工販売しているそうです。販路はほぼダイレクト販売(道の駅、直売所、ネット通販)で市場には出していないとのこと。
干し柿をつくるための乾燥設備は輪島市町野町のご自宅横に併設された加工場の中にありました。ここで干し柿を生産し、冷凍保存することで通年出荷ができるようになっています。
干し柿のネーミングがなぜかフランス語でした
陽菜実園(ひなみえん)の干し柿は商品名がユニークです。
商品名は「ひなみ柿デセック」と「ひなみ柿ドゥセック」です。「デセック」も「ドゥセック」もフランス語。なんでこんな不思議なネーミングにしたのか、いくつかの秘密があるようです。フランス語の響きがおしゃれだからかもしれません。そして陽菜実園(ひなみえん)で働いているパート女性にベルギー人がいるとのことでしたが、そんな関係もあるのかもしれません。
ちなみにベルギーは公用語がフランス語とオランダ語に二分されているうヨーロッパの国です。隣国のオランダ、ルクセンブルクとあわせて「ベネルクス3国」と呼ばれています。
「ひなみ柿ドゥセック」は十文字斬り
2つの干し柿の違いは、柿の切り方です。「ひなみ柿デセック」は平たくスライスしていますが、「ひなみ柿ドゥセック」は十文字に4つに切っています。十文字斬りですね。「ひなみ柿ドゥセック」のほうがジューシー感が残りドライフルーツとしてお子様のおやつなどに食べやすい形状だそうで、柳田さんはこっちのドゥセック推しだそうです。
この2種の干し柿は通年商品なので、今でも購入することができます。大きな冷凍冷蔵施設があるのでそこで保存しています。
ホームページはこの秋にオープンする予定だそうですが、フェイスブックでも問い合わせや注文が可能だそうです。
陽菜実園(ひなみえん)のフェイスブックページ
https://www.facebook.com/hinamien/
柳田尚利さんのフェイスブック
https://www.facebook.com/hinamien.yanagida
期間限定でポケットマルシェにも出品していたそうです。詳しくは直接、柳田さんに問い合わせてみてください。
通販サイトもありました
【2021年2月10日追記】
ホームページが完成したようです。
陽菜実園(ひなみえん)
https://www.hinamien.com/
陽菜実園(ひなみえん)通販サイト商品一覧
https://shop.hinamien.com/collections/all
通販サイトはShopifyのようですね。スマホでも購入しやすいシンプルなデザインです。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
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