自由貿易か保護貿易か。関税の効果を国際経済論の視点で分析すると、社会的厚生(自国の効用の総和=消費者余剰+生産者余剰)はマイナスとなる。
よって関税をかける保護貿易はやめ、自由貿易を選択すべき、という結論になる。
この前提は自国が小国の場合(小国とは、自国の輸出入が国際貿易の価格を変動させない)。さらに完全競争状態の部分均衡が成立。貿易をしないときの自国の商品の価格と数量は需要と供給の関係で決まるものとしている。
①の自給自足体制から②の自由貿易体制に変わると、安い外国産商品が国内に流入。その結果、国内価格は輸入価格まで低下する。その際の、国内生産量は低下し、国内消費量は増加する。この2つの数量の差は輸入量となる。
関税をかけるとどうなるか?②に比べ③を見てみよう。関税は関税の分だけ輸入価格を押し上げる効果がある。その結果、国内生産量が若干増加し、国内消費量は減少する。
そして、②の社会的厚生と③の社会的厚生を比べてみる。②より③のほうが小さい。その差は死重損の分だ。
よって、関税をかけること、自由貿易時より自国に社会的厚生の減少をもたらすことになる。
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