令和3年4月から「中小企業119」という新制度がスタートします。これは国(中小企業庁)が実施している中小企業支援制度である「ミラサポ」を廃止し、その後のあらたなしくみになります。
中小企業119は、国からの委託を受けて制度を運営するのはパソナで、各都道府県の支援機関と連携するので、構造的にはミラサポと同じです。なので、新制度である中小企業119でも中小企業に対して専門家派遣をする大きな柱は変わらないはずです。
もっとも大きな違いは、運用するシステムがセールスフォースをやめてLINEになるということです。この仕様変更には驚きました。
中小企業119
専門家登録の仕様変更について
パソナから専門家派遣に伴う専門家登録の仕様変更の案内がきました。
変更点の主な点は以下のとおりです。
・専門家はLINEアプリを通じて、専門家登録や派遣日程の確認、支援報告する
・就任承諾書等について紙による郵送を廃止し、LINEアプリを通じて電子提出する
(専門家用システムの専用スマホアプリを3月8日にリリース予定)
・相談された事業者様によるシステムの操作を廃止し、従事証明等はメールにする
・専門家のプロフィールページはWebサイト上での公開を廃止、支援機関及び事務処理等実施機関のみが閲覧できるようにする
中小企業119はシステムとしてLINEを使う予定
内容を見ると、これまで不評だったミラサポのシステムの使い勝手の悪さについて、改善が図られるようで手続きは大幅に簡素化されているようです。
しかし、LINEを使うとはびっくりです。専用スマホアプリとありますが、PCで使えるのかどうかは不明です。高年齢者の専門家だとLINEを使っていないとか、いまだにスマホは持たないという方もいます。
私はLINEをスマホに入れてはいますが、家族など近いヒトとの連絡用にしか使っていないので、業務として使うのはいささか不安を感じます。また、通常のLINEはウインドウズ用のアプリがあるので、PCでもやりとりは可能です。今度の新システムではPCで使えるのかどうかが心配です。
一方で、これだけ大きなシステム変更ということに興味があります。新システムのLINEがどれだけ定着するのか試してみたくなりました。
LINEで大丈夫なのか?
実は、ミラサポは今年度で専門家登録をやめてもいいなと考えていました。
しかし、今回のLINE仕様への変更には興味があるので、もう一年継続しようと考えを改めました。(実際に専門家派遣されるかどうかは別ですが)
国際的IT企業でもあるLINEは利用者の過半数が日本国外であり、サーバも海外に多数あります。情報漏えいやセキュリティが大丈夫なのかという不安がつきまといますね。
今回は国が旗を振ってLINE使用を推進するとのこと。
これからどうなっていくのでしょうか。
クラウド利用ができるシステムを考えると、GAFAM(Google、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)はアメリカ企業です。他の主要なサービス提供会社で日本国内で対応できるのは3月に経営統合するヤフー+LINEくらいしかなさそうです。
その意味ではLINEには頑張ってほしいところです。
変化を楽しむ気持ちを持っている自分を再発見して、ちょっとわくわくしている変態です、私は(笑)
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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