生麺の蕎麦4種の食べ比べをしました。この生麺は福井県の蕎麦粉専門製粉会社であるカガセイフンの試作品で、太さがすべて違います。
先週、同じ麺体でも茹で時間で食感がぜんぜん違うことを体験したというブログを書きました。すると追加で、太さの違いによる食感の変化についても感想を聞かれ、太さが4種類違う生麺蕎麦を送ってくれました。これはうれしいです。
家族にも協力してもらって、食レポしてみました。
蕎麦の太さは4種類
クール便で届いています。生麺の蕎麦は鮮度が命です。蕎麦打ちしてから数日も経過すると食味が低下していまうので、できるだけ早く食べきったほうがいいです。
今回届いた生麺の蕎麦は、太さが4種類あり、それぞれ2食づつありました。この合計8食を4人で本日すべて食しました。
太さの違いは麺の厚みと切り幅を変化させています
わかりやすくするために、細いと思われる順に1から4まで番号をつけました。
1番 麺の厚み1.5ミリ 切り幅1.8ミリ
2番 麺の厚み1.5ミリ 切り幅3.0ミリ
3番 麺の厚み1.8ミリ 切り幅2.5ミリ
4番 麺の厚み1.8ミリ 切り幅3.5ミリ
※実は2番と3番の太さですが断面積では同じです。
2番は1.5×3.0=4.5ミリ平方
3番は1.8×2.5=4.5ミリ平方
なお、2番のほうが切り幅が広い平麺のようなので、見た目では2番のほうが3番より太く見えるかもしれません
今回は「麺厚み」が2種類で、薄いのが1番と2番、厚いの3番と4番です。ということで、私が細いと思われる順から食レポをしました。
1 麺の厚み1.5ミリ 切り幅1.8ミリ
今回の4種類の太さの中で一番細い蕎麦からいただきました。先週、食レポしたのは「1.8ミリ×1.8ミリ」なので、それより若干細いか同等程度の印象の蕎麦です。
「うん、おいしい。」という声が家族から上がってきました。
先週の食レポも家族に協力してもらっているので、先週の蕎麦との比較が頭の中にあるみたいですね。味も香りもまずまずで口当たりもよく上々の評価でした。ツルツルっとした食感で喉越しもよく女性陣からの評価はこの1番がもっとも高かったです。
2 麺の厚み1.5ミリ 切り幅3.0ミリ
2番めの蕎麦は切り幅が広くなっているので平麺のようになっています。1番に比べると、香りが少し強く出るようになり、口当たりの食感は少し固くなりました。噛んで味わう越前蕎麦らしくなり、噛むほどに蕎麦の旨味がでてきて、私はこの2番が一番好きでした。他の男性陣も2番の評価が高かったです。
総合的にも2番が最高の出来だと思います。
3 麺の厚み1.8ミリ 切り幅2.5ミリ
3番の蕎麦から麺厚(麺の厚み)も増えています。切り幅は2番より少し狭いので、写真では2番よりも細く見えます。実は計算すると、2番と3番の断面積は同じ4.5ミリ平方なんですね。(上部の断面図の画像をごらんになってみてください)
しかし、2番と3番の食感はかなり違いました。3番の評価は「固い」です。これは家族全員から同じ意見で、「この蕎麦は固い」というのが第一声でした。ツルツル感はないし、喉越しもよくないということで家族の評価はあまり良くありませんでした。
ただし、蕎麦の味だけならこの3番が一番強く感じられましたので、食べ比べセットなどで比較する意味では3番もありかも…と思いました。
4 麺の厚み1.8ミリ 切り幅3.5ミリ
今回の4種のなかで最も太い蕎麦です。これは激アツでしたね。家族からは「固すぎる」という声が圧倒的でした。とくに女性陣からは「もうこれは蕎麦ではない」と言われてしまいました。
「津幡町のくらみつさんの極太麺に比べたら細いね」という声もありました。そうか、それを連想するほど固いのか…と苦笑しました。以前、家族でくらみつさんに行ったときびっくりした経験があるので、まだ許容範囲だったようです。
4番の蕎麦は「固くて太い」という印象が強いようです。細くてきれいな更科そばのイメージを持ったままこの蕎麦を食べたら危険ですね(笑)
家族の蕎麦評価を表にしてみました
項目\蕎麦 | ① | ② | ③ | ④ |
香り | ◯ | ◎ | ◯ | △ |
ツルツル感 | ◎ | ◯ | △ | × |
モチモチ感 | ◯ | ◎ | ◯ | △ |
喉越し | ◎ | ◯ | × | × |
蕎麦の味 | ◯ | ◯ | ◎ | ◯ |
食感 | 良い | 良い | 固い | 固すぎ |
この4種では1番か2番の蕎麦の評価が高かったです。女性陣からはとくに1番の評価が圧倒的でした。4種食べ比べたあとに、次にどの蕎麦を食べたいかを聞くと「1番がいい」という即答でしたしね。
自分を含めた男性陣からは2番の評価が高かったです。1番に比べるとツルツル感や喉越しは落ちるものの、香りが強いこととモチモチ感や噛んでおいしいという味わいのバランスが良かったからです。
3番と4番はちょっと残念な評価になりました。
しかし、3番の蕎麦はちょっと気になっています。「噛んで味わう蕎麦」という視点だけで評価したら3番が最高だからです。
そもそも断面積は2番と3番は同じですから、それほど太いわけではありません。2番は平麺になっているので表面積が広く、お湯からの熱の浸透が行き渡りやすいのかもしれません。
逆に3番は表面積が少ないことから芯まで熱が通りにくく、そのことが麺の中心に蕎麦本来の味わいが残りやすいということなのかもしれません。
蕎麦の太さの違いで気づいたこと
同じ原料の蕎麦なのに、太さの違いでかなりの味わいの違いがありました。とくに麺厚が1.5ミリと1.8ミリで全然味わいが違うという結果がでました。麺厚1.5ミリの1番と2番がともに高評価だったのに、麺厚1.8ミリの3番と4番が、とたんに「固すぎる」ということで低評価になりました。麺の厚み1.8ミリというのは「厚すぎる」のかもしれませんね。
総合的には2番の蕎麦がもっとも高評価でした。この4種の太さでひとつだけを商品化するとしたら2番だと思います。
2番は越前蕎麦らしい味わいや香りが強調できます。お取り寄せの蕎麦は細くてツルツル感のある更科系が多いので、差別化という点でも2番くらいの太さがベターでしょう。
また平麺なので素人にも茹でやすい(扱いやすい)気がします。
ちなみに今回の蕎麦の茹で時間は1分20秒を基準にしました。先週よりも少し短めの茹で時間として、蕎麦の味わいを強く出そうとしたのです。その結果、少し麺が固めになったことでこのような結果になったことも否めません。
茹で時間をちょうどいいように調整するのは難しい
茹で時間は短いほうが蕎麦本来の味わいや香りが残りやすいです。しかし、短すぎて生麺ぽさが残るとボソボソしておいしくありません。
茹で時間を長くすると生麺っぽくなるリスクが下がります。安定しておいしい蕎麦にできます。しかし、茹で時間が長すぎると蕎麦の味が抜けてしまいます。また柔らかくなりすぎて歯ごたえが弱くなってしまいます。
家庭用の鍋は蕎麦屋さんの鍋に比べると小さいので、温度変化が大きく安定していません。ぐつぐつと煮立っていても、生麺を投入すると湯温が下がり再沸騰するまでに時間がかかります。なので単純に茹で時間だけで判断するのは難しいです。
また、今回は8食分を茹でたので、だんだんとお湯の量が減ってきます。さらに生麺を茹でると蕎麦粉が湯に溶け出すのでお湯がどろどろになっていきます。そうなるとお湯の温度も変わるし生麺に熱を伝える力にも変化がおきます。なので、1食づつ茹でで、ときどきお湯を足し沸騰するまで待ってから次の蕎麦を茹でるようにしました。
できるだけ大きな鍋でたっぷりとお湯を沸かすのがよいです。生麺投入から再沸騰するまでの時間が短いほど味が安定します。これが素人でも蕎麦の味わいをうまく引き出すための第一歩だと思います。
最後に残った3番めの蕎麦は少し長めに茹でました
今回は4種の太さの蕎麦が2包づつ、合計8食の蕎麦がありました。
最後に残ったのは3番でした。この3番は自分ひとりでじっくりと味わっていただきました。茹で時間を少し長めの1分40秒にしてみました。(これまでのものは1分20秒にしていました)
3番の麺は少し長めに茹でたほうがよさそうです。
蕎麦の旨味を感じながらお酒とともに味わうにはとてもいい蕎麦だと思います。
大根おろしをかけていただきます。うまいです。
結局はすべておいしくいただきました。ごちそうさまでした。
この2番の蕎麦を希望者は試食できるようになりました
カガセイフンさんでは評判のよかった2番の蕎麦をベースにして商品販売を予定しているそうです。
期間限定でこの蕎麦4食をなんと1000円税込みでお取り寄せできます。
送料やクール代および梱包代など込みですから、ほぼ蕎麦の分は無料みたいなものですね。
蕎麦好きならこの機会に試食してみてはいかがでしょうか。(専用の試食お取り寄せサイトはBASEを使っています)
▼試食申込みページ
https://kagaseifun.base.shop/items/63361478
越前そば好きの人なら、ぜひ試してみてほしい逸品です。
申込締切が2022年6月20日(月)までとなっていますのでご注意を。
これまでの生麺試食記事
なお、これまで試食してきたカガセイフンの蕎麦に関する関連記事は以下のとおりです。
▼2022年7月8日自宅で越前蕎麦
▼2022年6月10日
太さが4種類違う蕎麦を家で食レポ、カガセイフンさんの生麺の蕎麦
▼2022年6月4日
同じ麺体でも茹で時間で食感がぜんぜん違うことを体験しました、カガセイフンさんの生麺の蕎麦
▼2022年4月9日
同じ蕎麦の麺体なのに、切り幅が違うだけでぜんぜん違う食感の蕎麦になることを体験しました(カガセイフンの新工場)
そば粉のプロであるカガセイフンさん
今回は試食をさせてくださいましてありがとうございます。
ペコリ m(__)m
▼カガセイフンの役員のみなさん
会社名 | 株式会社 カガセイフン |
---|---|
所在地 | 〒910-0804 福井県福井市高木中央1丁目3004番地 »MAP |
電話番号 | 0776-54-0578 |
FAX番号 | 0776-54-4268 |
メールアドレス | info@kaga-seifun.com |
URL |
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代表者 | 会長 加賀龍夫 代表取締役社長 加賀健太郎 取締役 加賀扶美代、加賀瑞絵 |
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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