いしかわ農業総合支援機構(INATO)が主催している農業者向け研修で、経営革新スキルアップセミナーの財務講師を担当しています。平日水曜日の夜で3週続きましたが今回が遠田の最終講義です。
会場は石川県の地場産業振興センター新館4階にあるINATOの会議室でした。夕方から雨模様となりましたが、日中は猛暑でした。農作業に忙しい農業者にとっては体力的にもきつい時間帯ですが熱心に通ってくれています。
いしかわ耕稼塾「経営革新スキルアップコース」
本日は財務の3回めです。
損益分岐点分析を実施しました
まずは、数社の事例を紹介して、その後に自社の分析をしてもらいました。
このB社は優良な農業法人で、財務データをみてもきちんとした成績がでています。
現状の損益分岐点比率は93.9%です。
つまり、現状の売上から6.1%以上の売上減少になると赤字になります。
直近の農業者を取り巻く環境変化は厳しく、来年度は肥料などは倍近い値上げが予想されており、諸経費も値上げされることが確定していますので、大幅なコストアップが避けられないでしょう。
一方、水稲(お米)の系統出荷は米価が下落していることから、同じような経営スタイルだと売上は減少することが予想されます。
仮に、10%のコストアップがあった場合。そして5%の値上げができた場合。それぞれのシミュレーションをしてみました。
B社だと5%の値上げができたとしても赤字に転落することがわかります。
まずは自社の財務状態をしっかりと分析することです。そのうえで今後の対策を検討しました。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
保有資格:中小企業診断士、情報処理技術者など
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