SWOT分析

重要成功要因はCSF(クリティカル・サクセス・ファクター)と呼ぶ重要な対策案の柱である、CSFは1つに絞るくらいがちょうどよい

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重要成功要因はCSF(クリティカル・サクセス・ファクター)企業の戦略立案フェーズでは、重要成功要因を「critical success factors」と訳すので「CSF」と呼ぶ。重要成功要因(CSF)を実行することが、その企業の戦略の戦略実施の柱になる。では、その重要成功要因(CSF)はどうして導くか?というと、SWOT分析を応用することが多い。
SWOT分析では、その企業の現状を「強み・弱み・機会・脅威」という4象限に列挙することで把握する。SWOT分析による現状分析を踏まえて、未来の対策案を検討するマトリクス分析(図参照)を行う。

重要成功要因はCSF(クリティカル・サクセス・ファクター)

SWOT分析の「強み・弱み・機会・脅威」は現実に起きている現象であるが、対策案はこれから行うことの「案」だから未来のことである。実現可能性の大小にあまりとらわれずに多数の案を列挙するのがよい。

対策案は100個ひねりだす

おすすめなのは、対策案を100個出すことである。対策案を100も考えるはきついだろう。

しかし、出す!

対策案に抜けや漏れがないようにしたいからである。あとで似たもの同士はKJ法などでグルーピングして整理するので、似た案が重複してもかまわない。対策案検討の段階でまったく案に上がらない対策案は、その企業にとって実施することはない。しかし、本当にその企業にとって実施しなくていいのかどうか?

まずは、どんな些細な対策案でもかまわないので、案のひとつとしてあげておくことがおすすめだ。数年後に後悔が残らないように。

▼事例学習のグループワークで対策案を列挙した様子
http://www.domo-domo.com/work/bsc/

KJ法の活用で対策案をグルーピングする

KJ法は、ブレーンストーミングなどによって得られた発想を整序し、問題解決に結びつけていくための方法である。
KJ法を考案したのは文化人類学者の川喜田二郎氏で、氏のアルファベット頭文字がKJであることからKJ法と名付けられた。
KJ法のステップは以下のとおり
①カードをばらばらに広げる
②関連性のあるカードをグループ化し、タイトル(表札)をつける
③グループを階層化する(小グループと中グループをまとめていく)
④空間配置(グループ間の関係を考える)
⑤表札の「はらわた」を出す
⑥まとめ(図解)
必ずしもこのとおりに行う必要はないが、②のグルーピングはしっかりと行なってほしい。

対策案を整理し重要成功要因(CSF)を3つに絞る

KJ法で、対策案100個が、10くらいにグルーピングされているとする。この10にグルーピングされた対策案はすべて実施できるか…というとそうではない。すべてを実施しようとすると焦点のぼやけた戦略になってしまう。

当社にとって、重要な対策案を3つに絞るのだ。経験上、4つも5つも選択すると、実施の段階で挫折することが多い。場合によっては1つに絞り込むぐらいのほうがいい。
とにかく3つ以下くらいまで、対策の柱を絞り込むことが重要である。
実は、戦略というのは「捨てること」でもある。あれもこれもと狙ってもすべてを叶えるのは難しい。そこで、いくつか可能性のあるものを列挙し、複数の案を検討するが、最終的にはごく少数(1つか2つか、せいぜい3つ)の案に絞るのである。

重要な対策案の選び方(CSF選定の考えどころ)

ここで、CSFの絞り方について検討する。
おすすめなのは
強みを生かす対策から1つだけを選択する
という案である。
ひとつだけを選んでも関連する対策案を実施しなければならないことが多いので、結果的に2つか、3つになることが多い。
自社の内部能力との適合性を考えた対策案には
・強みを伸ばす対策
・弱みを補強する対策
の2種類がある。
対策案をよく見てみると
・弱みを補強する対策
は、
出るは出るは…と、たくさんあるはずだ。
きりがないくらいにある。
一方
・強みを伸ばす対策
は意外に少ないものだ。
ここで、数の多さで、
・弱みを補強する対策
ばかりを選んでしまうとうまくいかないことが多い。
・弱みを補強する対策
というのは、現在できていないことを改善する対策なので
苦しいし…
面倒くさいし…
地味だし…
好きじゃないし…
時間がかかるし…
と実行に困難が多く、なかなか成果がでにくいのである。
実は
・強みを伸ばすもの
ほうが成果はでやすい。
それも、ひとつに絞ったほうがよい。
あれもこれもと選択すると結局は実行できない。
オリンピックに出場しようとする選手が、陸上もサッカーも体操もすべて金メダルを取ると狙うのには無理がある。これと似ている。
傑出した強みを生かして、どれかひとつに一点突破するという選択が功を奏することが多い。
しかし、
自社の弱みをそのままにしておいてはその強みを生かし切れない場合がある。
その強みを生かす対策を実施するためには避けて通れない、別の対策(弱みを補強する対策)を行わざるを得ない。そのような対策を、重点度の2番めにもってくるのがよい。
対策案にも因果関係があり、A案を行うためにはB案を行わざるを得ないということもある。
非常に重要な局面なので、よーく考えてほしい。