Googleはモバイルフレンドリー対応と称したスマホの検索順位変動については4月21日から実施される予定だ。スマホとパソコンで検索順位が大きく変動することが予想されている。実際にはすでにパソコンとスマホでは検索順位はかなり違う。だから4.21以降のスマホの順位はもっと激しく変動するのだろう。
さて当サイトでもPCとスマホの検索順位はかなり違うが、どれくらいの違いがあるかをウェブマスターツールのデータを元に調べてみたので参考事例として紹介しておく。
当サイト「tohdamikio.com」の直近1年間のアクセス推移
Google Analyticsのデータから直近一年間のアクセスをPCのみとモバイルにわけて表示した。パソコンからのアクセスは横ばいで推移しているが、モバイル(集計はモバイルとタブレットの合計)からのアクセスは上昇しつづけており、先月(2015年2月)はほぼパソコンからのアクセスと同数になっている。
今後はモバイルからのアクセスがPCを上回ることが容易に想像できる。ますますスマホ対応が重要になっていることがわかる。PCからのアクセスとスマホからのアクセスというのは単純に端末が違うだけでなく、利用シーンやニーズも違うと言われている。
そこで、このアクセスの構造変化をさらに調べてみることにした。
当サイトでモバイルからのアクセスが多い上位10ページについて、ウェブマスターツールから抽出してエクセルで作表してみた。
NO | URL | PCクリック数 | モバイルクリック数 | PCの順位 | モバイルの順位 |
1Pめ | /2012/10/ipod-touch5line.html | 1,903 | 3,628 | 11 | 7 |
2Pめ | /blog/1212 | 1,447 | 3,044 | 9 | 7 |
3Pめ | /2014/11/sms30yen.html | 1,586 | 2,845 | 12 | 7 |
4Pめ | /2014/12/iphone050plussound.html | 742 | 3,088 | 15 | 8 |
5Pめ | /blog/2426 | 3,391 | 343 | 6 | 7 |
6Pめ | /2014/09/iphone6setting.html | 1,576 | 1,212 | 7 | 6 |
7Pめ | /blog/1106 | 2,348 | 412 | 10 | 7 |
8Pめ | /2009/05/2007xlsx2000200.html | 2,011 | 149 | 8 | 8 |
9Pめ | /2014/10/sim-iphone6-wifi.html | 1,021 | 784 | 11 | 7 |
10Pめ | /blog/3086 | 635 | 1,057 | 14 | 7 |
アクセスの多いページの平均検索順位がパソコンとモバイルでかなり違うことがわかる。同じ順位がまったくない。そうなると当然アクセス数も違ってくる。アクセスの内容をグラフにしてみた。
▼パソコンとモバイルのアクセス(折れ線グラフ)
▼パソコンとモバイルのアクセス(棒グラフ)
これを見ると、順位の違い以上にアクセス数が違う。それぞれのページ内容を見るとこの意味がわかってくる。
PCに関することはパソコンからのアクセスが多くスマホからのアクセスは少ない。また、スマホに関することはモバイルからのアクセスが多くパソコンからのアクセスが少ない。ということである。
実例で確認する。
3Pの「/2014/11/sms30yen.html」の内容は「スマホのSMS料金改定」に関することである。PCの順位は12位でモバイルの順位が7位になっている。モバイルの順位が高く、モバイルからのアクセスの方がPCより圧倒的に多い。アクセス数が違うのは検索順位が違うのである意味当然だ。しかし、なぜ順位がこんなに違うのかということのほうが問題だ。このページの場合は、モバイルのほうが順位が高いので、スマホのSMS料金というスマホユーザーに興味があるテーマだけに有利に働いている。
7Pめの「/blog/1106」の内容は「パソコンのアプリケーションエラー」に関することである。PCの順位は10位でモバイルの順位が7位になっている。モバイルの順位が高くのに、モバイルからのアクセスは少ない。圧倒的にPCからのアクセスが多いのが特徴だ。PCの順位が低いのにモバイルよりもアクセスが多い理由は、検索ボリュームが違うからだろう。「パソコンのアプリケーションエラー」のことだから、パソコンユーザーがパソコンを使って検索するほうが、スマホで検索するよりも検索ボリュームが圧倒的に多いと推測できる。
スマホで検索するニーズとパソコンで検索するニーズは違うことがある
これらのことからわかるのは、単純にPCとモバイルの順位が違うということだけでアクセスの大小が決まるわけではないということだ。パソコンで検索するときと、スマホで検索するときと、同じ人間でも検索エンジンに求めるニーズが違うということを表している。
スマホに関することはスマホで検索する可能性が高いし、パソコンに関することはパソコンで検索するニーズが高い。
日時によっても検索ニーズが違う。平日の日中はオフィスや業務での検索が多いのでパソコンでの検索が多いが、平日の夕方以降や深夜になるとスマホからの検索が増える。また土日は会社が休みでパソコンの電源を入れないのでスマホから検索することが増える。また、外出先で検索する場合は圧倒的にPCよりもモバイルである。
つまり、TPOによって検索ニーズが違うし、その回答も違うということである。
サービス業や小売業はWEBサイトのスマホ対応を進めよう
業種業態では飲食店はスマホ対応が必須である。ユーザーが飲食店を探すときは平日のランチタイムや土日に外出先でモバイル検索することが多い。よく行く店のことでも、ユーザーには「今日は定休日でないか」とか「あの料理の料金はいくらだっけ」など検索ニーズが発生する。遠田は外出先で蕎麦屋などを調べることがよくあるが、その目的はほとんど「定休日の確認」「営業時間の確認」である。
となれば、飲食店のWEBサイトはスマホ対応が必須ということになる。
その他の業種業態でもスマホ対応が急がれるのは、サービス業や小売店だろう。この機会にWEBサイトのモバイル対応を進めてもらいたいものである。
この記事を書いた遠田幹雄は中小企業診断士です
遠田幹雄は経営コンサルティング企業の株式会社ドモドモコーポレーション代表取締役。石川県かほく市に本社があり金沢市を中心とした北陸三県を主な活動エリアとする経営コンサルタントです。
小規模事業者や中小企業を対象として、経営戦略立案とその後の実行支援、商品開発、販路拡大、マーケティング、ブランド構築等に係る総合的なコンサルティング活動を展開しています。実際にはWEBマーケティングやIT系のご依頼が多いです。
民民での直接契約を中心としていますが、商工三団体などの支援機関が主催するセミナー講師を年間数十回担当したり、支援機関の専門家派遣や中小企業基盤整備機構の経営窓口相談に対応したりもしています。
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